2012年10月
■2012年10月
マツダはスズキからOEM供給を受ける新しい軽自動車フレアを発表し、2012年10月25日から発売した。フレアはスズキのワゴンRをベースにしたハイトワゴンで、実質的にはAZ-ワゴンのフルモデルチェンジとなるが、フレアという新しい名前で登場した。
内外装のデザインは親しみやすさを追求したのが特徴で、外観はボリューム感や質感を感じさせる縦型ヘッドランプやシンプルなメッキタイプのフロントグリルを施した。またインテリアは明るく暖かみのあるグレーとベージュの2トーンカラーのパネルを採用した。
パッケージングは軽自動車規格の中で長いホイールベースを採用することなどにより、室内長2165mm、前後乗員間距離1000mmの大きな居住空間を確保した。大人4人が快適に過ごせる広さだ。同時にコンパクトな最小回転半径4.4m(14インチタイヤ装着車)を両立させたほか、広い開口部を持つ前後ドアや低めでフラットなドアステップにより、優れた乗降性を実現している。
また、減速時の運動エネルギーを回生してリチウムイオン電池に蓄電するエネチャージをはじめ、ブレーキを踏んで時速13km以下に減速するとエンジンが自動停止する新アイドリングストップシステム、アイドリングストップ中の送風を蓄冷材で冷風にしてエンジン停止時間を延ばすエコクールなどの新技術を採用することで、優れた燃費性能を実現した。この結果、FF車だけでなく4WD車にもエコカー減税で免税が適用される。
運転中にスピードメーターの照明色で燃費の良い運転状態を表現するエコドライブアシスト照明と、運転終了時にエコドライブ度を100点満点で採点するエコスコアで環境に配慮した運転をサポートする。搭載エンジンは可変バルブタイミング機構付きの自然吸気DOHCで、副変速機付きのCVTと組み合わせることで、力強い走りと低燃費を両立させている。
安全装備は、登坂発進時にブレーキペダルからアクセルペダルに踏みかえる間、車両の後退を抑制するヒルホールドコントロールを採用した。また、急ブレーキ時の操作性をサポートする4W-ABS(4輪アンチロック・ブレーキ・システム)&EBD(電子制御制動力配分システム)&ブレーキアシストも全車に標準装備される。
■2012年12月
マツダはスズキからワゴンRのOEM車として供給を受けているフレアの中心グレードXGに5速MT車を追加し、2012年12月26日発売した。
5速MT車の設定は、年配のユーザーなど、2ペダル仕様車には乗ったことがない人からの根強いニーズに対応したもので、2ペダルのCVT車に比べて1万円ほど安い価格が設定されている。
XGの5MT車には、停車時にエンジンを止めて無駄なガソリン消費を抑えるアイドリングストップシステムを搭載し、2WD車で25.6km/L、4WD車で24.0km/Lの燃費を実現し、エコカー減税の対象となるが、FF車は免税の基準に達するものの、4WD車は75%減税にとどまる。
ちなみにCVT車では28.8km/L(4WDは27.8km/L)燃費を達成している。
これはCVT車と違ってエネチャージが採用されていないこと、またアイドリングストップ機構もCVT車は時速13kmで停止するのに対して、5速MT車とは停止した後でシフトレバーをニュートラルに入れてクラッチペダルから足を離した後でないとエンジンが停止しないことなどによる。