車好きを相手にしていない?
現在車の買い替えを検討しているのですが、次の車は長く乗るつもり、なおかつ通勤距離がかなり長くなるので、飽きが来ず運転して楽
2007.11.3
- 総評
- 車好きを相手にしていない?
現在車の買い替えを検討しているのですが、次の車は長く乗るつもり、なおかつ通勤距離がかなり長くなるので、飽きが来ず運転して楽しい車ということで、レクサスISとBMW320iをターゲットとして考えていました。
先日BMWには3日間にわたって試乗させていただき、その素晴らしさに心動かされただけに、日本車トップブランドのレクサスにもかなり期待して試乗してきました。
結論から言うと、大変残念ながら、車そのもの出来、ディーラーの接遇とも大幅に期待を裏切られた思いです。詳細は以下に記しますが、レクサスに行く直前に試乗したBMW320が車そのもの、ディーラーの接遇とも予想以上に良かったため、余計に落差が大きく感じました。
車そのものについては、ハードの出来は確かに優れているのですが、味が薄いというか、車好きの心を揺さぶるものがありません(それが狙いなのかもしれませんが)。
また、ディーラーの接遇については噂どおり丁寧なのですが、正直言って「慇懃無礼」の域にあり、営業担当者と話をしたり、店内にいるだけで非常に気疲れします。
私はサービス業に従事しており、是非レクサスの接遇を勉強させてもらいたいと思ったのですが、「なんだ、この程度か」というのが正直な印象です。
店舗についても、BMWディーラーは広くはないがM3、Z4、3シリーズ、5シリーズ、7シリーズなど魅力的な車が並び、そういった車を眺めているだけで楽しいのですが、レクサスディーラーは商談席がパーティションで仕切られ、肝心の車はほとんど見えず、展示されている台数・車種も少なく寂しいです。
おそらくレクサスは基本的に車が好きな人間をあまり相手にしていない、と言うか、世の中に車が好きな人間が存在していることを認めていないのではないかと感じました。
レクサスの車は車好きが憧れて買うというより、車自体には大して興味がない富裕層(これまであまりこだわりなくクラウンやセルシオを購入していた層)をターゲットとし、また輸入車に顧客を奪われたくないトヨタの思惑が前面に出ているという印象です。
現在レクサスの顧客はトヨタ、日産の従来の高級車から乗り換えるオーナーがほとんどで、輸入車からの代替は多くないとのことですが、実際に試乗してみて、店舗に行ってみるとその理由がなぜかよくわかります。
以下詳細を述べていきます。
- 満足している点
- ・トヨタの車であることの信頼感
10~20年前のトヨタ製高級車(130、140系クラウン、80、90系マークⅡ)は未だに現役で、街中でしょっちゅう見かけます。耐久性・信頼性が優れている証拠なのでしょうが、このことから考えてISも十分な耐久性・信頼性があるのではないかと思います。
高い金を出したのにしょっちゅう壊れるというのは納得できないことですから、信頼性が高いことはやはり大事なことです。
・高級感のある内外装
これもトヨタの高級車らしい点ですが、外装パネルのチリや、内装の作りのよさには高級車らしいこだわりを感じます。
よくネットの掲示板などで「中身はマークXなのに割高だ」というような意見を目にしますが、比較してみるとISの方がはるかにお金がかかった作りをしていると感じます。
・ミラーが大きくて見やすい
空力的に形状を考えられていて、風切音の低減が図られているそうですが、その割には角ばっていて後方確認が大変しやすいと感じました。(ミラーが見難いBMW3シリーズに乗った後なのでなおさらですが)
・運転感覚を演出する努力
巡航時の室内騒音は極めて静かですが、アクセルを踏み込んだ際心地よいエンジン音が聞こえてきて、スポーティーな気分を演出します。この点は過去のトヨタの高級車とは全く考え方の違う部分です。
・アクセル開度とスロットル開度がリンクするようになった
トヨタの高級車といえばアクセルを少し踏んだだけでガバッと前進して、微速調整がしにくい印象がありましたが、ISはアクセル開度とスロットル開度がリンクしており、どんな速度域でも自然で運転しやすいです。
欧州車では当たり前のことですが、トヨタの高級車に対する考え方の変化を感じる点で、是非他の車にもフィードバックしていただきたいものです。
- 不満な点
- ・運転が楽しくない
高速域のスタビリティが高く、従来のトヨタ製高級車と比べて安心感は上なのですが、運転感覚が希薄でスピードを出しても楽しくありません。
にもかかわらずスピード自体はいつの間にか出てしまい、速度計を見て気づくという感じです。
BMW320は速度を出すことが楽しく、またその速度を自分の制御下に置いているという安心感を常に得ることが出来ます。
またエンジンについても噂通り滑らかなフィールなのですが、パワー感はあまりなく、高速道路での中間加速はもっさりした感じで、本当に215PSもあるのか疑ってしまいます。
150PSのBMW320の方がパワー、楽しさとも圧倒的に上回っているように感じます。
・何かチグハグなディーラー
試乗から帰ってくると商談席に受付の女性から「○○様 ご試乗お疲れ様でした。 ~ 本日はごゆっくりおくつろぎ下さい。云々」という手書きのカードが置かれていましたが、「そばにいるんだから、口で言えばいいじゃん(笑)」と思いました。
レクサスのサービスとは、高級ホテルの接遇を真似ることなのかと思ってしまいますが、形だけ真似て心が伴っていない印象です。(それとも私がレクサスに相応しくないと判断されて、とりあえず形だけやっといたのでしょうか(笑))
総評にも書いたのですが、接遇が慇懃無礼で居心地が悪いです。購入後もこのディーラーと付き合うのかと考えると気が重いです。
それとも、レクサス店の接遇の真価は、実際に購入した後でないと感じることができないのでしょうか。
こういったサービスは、自動車を購入することによっていい気分に浸りたいという方にはいいのかもしれませんが、洗車や喫茶など車の本質と関係ないものをサービスと捉えることは、私にとってはどちらでもよいことです。(高級ブランドとしては必要なことでしょうが)
・ユーザーが管理されている気がする
トヨタご自慢のG-Linkですが、私は田舎に住んでおり、シャッター付きの自宅車庫に入れる予定なので、ナビやG-Securityは必要ありませんが、レスオプションはないそうです。
G-Linkの総合的なシステムがレクサスのサービスという考え方なのでしょうが、私は別に高い金を出してトヨタのシステムの一部に組み込まれる気はありません。
自動車の自由を満喫できるBMWに対して、トヨタという巨大システムの掌の上にあるレクサスという印象です。
- デザイン
-
-
- 走行性能
-
-
- 乗り心地
-
-
- 積載性
-
-
- 燃費
-
-
- 価格
-
-
- 故障経験