日野自動車のエアループって何ですか。 詳しくわかりやすくお願いしますm(_ _)m

Answer 1

●エア･ループとは？
日野自動車が提唱している「ポスト新長期排出ガス規制（2009年～）」に対応した排出ガスの有害成分低減技術の名称です。「ループ」とは，「循環」を意味し，エンジンで消費した空気をきれいなままで戻すことを意味しています

●有害物質とは？
ここでは，法的に規制された「PM (Particulate Matter 粒子状物質：細かいスス）」と「NOx （窒素酸化物）」の2つをさします

●搭載技術とは？
下記の6つが主要な有害物質低減技術です。

(1) コモンレール
(2) ターボ・チャージャ
(3) EGRクーラ
(4) DPF
(5) SCR
(6) 触媒

●コモンレール
燃料に2000気圧くらいの高圧をかけて筒内（燃焼室内）に噴射すると，非常に小さな粒子になります。この粒子は，筒内の空気と良く混じり合い，燃料粒子の近くに酸素がいることで少ない未燃分で燃焼できます。また粒子が小さいので，貫通距離が短く，筒内壁まで到達できません。これも筒内の空気とよく混合できる理由になります

●ターボ・チャージャ
古いディーゼル車では，加速時や登坂走行で黒煙を良く出します。これは筒内の空気不足による未燃分の発生です。これを防ぐため，ターボ・チャージャで過給し，筒内の酸素濃度を高めます。ターボ・チャージャは排ガスの運動エネルギでタービンを駆動するため，エンジン高回転では十分な過給が可能です。ポイントは低回転域で十分過給できるかどうかです

●EGRクーラ
有害成分の中で低減が難しいのは，DPFで捕集できるPMではなく，NOxです。NOx低減には，酸素濃度を抑えるか，燃焼温度を2000K（ケルビン）以下にする必要があります。ところが，酸素濃度低減では，PMが増えるため，燃焼温度低減の方法しか選ぶことができません。
排ガス中には，CO2（二酸化炭素）やH2O（水）が含まれ，これらは三原子分子です。空気を構成するN2（窒素）やO2（酸素）のような二原子分子より，分子の自由度が高いため，三原子分子の比熱は高くなります（約28%）。このため同じ熱量があると，温度上昇幅は小さくなります。つまりCO2を含む排ガスを筒内に戻すと，燃焼温度が低減できるわけです。このやり方をEGR（Exhaust Gas Recirculation）といいます。筒内を出たばかりの排ガス温度は高いので，EGRクーラという熱交換器によりエンジン冷却水を使って排ガス温度を下げて，筒内に戻します

●DPF
排ガス中のPMを捕集するため，多孔質のセラミックスで粒子を濾しとります。しかしPMが捕集され，セラミックスの穴がふさがると，排ガスが流れなくなるため，時々，燃料を濃くして，この捕集したPMを燃焼させます。これをDPFの再生といいます

●SCR
NOxを低減するには，筒内から排出されにくくするのが一番ですが，それでも排出されます。このため，排出されたNOxをN2（窒素分子）に還元するためには2つの方法があります。ひとつはNOx触媒を使う方法で，もうひとつはSCRという尿素水を使う方法です。
NOx触媒は，触媒表面にNOxを吸着します。そして時々，燃料を濃くしてやると，排ガス中にH2やCOなどが出てきます。これらが触媒表面のNOxを還元します（＝酸素原子を奪います）。この方法では，時々，燃料を濃くする必要があり，燃費が約5％悪化します。このためトラックやバスでは，あまり使われません（部分的に使う場合はあります）。なお触媒には白金を使うため，非常に高価です。
一方，SCRは尿素水を排ガス中に吹き込みます。すると尿素からアンモニアが生成され，これがNOxを還元します。しかしNOxを処理できる以上のアンモニアを生成する必要があるため，余分のアンモニアが発生します（＝アンモニア･スリップ）。このため，この余剰アンモニアを処理する触媒が必要です。また尿素水を搭載するタンクとそれを吹き込むインジェクタも必要になり，高い後処理装置になります。トラック，バスそして欧州の乗用車には，このSCRがふつう使われます

●触媒
HCやCOや未燃分を処理する酸化触媒が通常使われます。この触媒はNOx触媒よりかなり安いコストなので，ほとんどのディーゼルエンジン車に使われています

●エア･ループの特徴とは？
比較データが無くて定量的な特徴を述べることができないのですが，尿素水（AdBlue）の消費量が少ないようです。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。

Answer 2

新しいディーゼル排ガス規制対応の燃焼システム（エンジン、排気システム）の名称です
詳しくはこっち↓
http://www.hino.co.jp/j/airloop/index.html