ホンダ ヴェゼルハイブリッド 「肌触りのいいクルマ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

肌触りのいいクルマ

2021.9.30

年式

2021年4月〜モデル

総評

クリーンでシンプルで洗練されたデザインの印象と、実際にクルマに触ってみた手触りがぴったり一致する気持ちがいいモデル。ハイブリッドは、電気自動車のようにモーターで走るスムーズさとエンジンの力強さを両方とも楽しめるように設計されているので、運転が心地良い。荷室もたくさん入るし、燃費もいいし、ヴェゼルと出かけることにストレスを感じる場面が少ないから、様々な場所へ出かけたくなりそうなモデルだと思った。

満足している点

見た目が変わっただけではなく、しっかり中からも進化しており、全体的にとてもバランスのとれたクルマだと感じた。e:HEVモデルは、特にその進化が顕著に感じられる。街中など低速で走行するシーンではモーター駆動が多くなり、高速道路など高速で走行するシーンではエンジンのみで走行するなど、モーターとエンジンのバランスがうまくとれている。シリーズ式のハイブリッドだが、エンジンがいかにも発電機のように使われることはなく、きちんとアクセル開度やトルクに合わせてエンジンが回転するところも◯。

不満な点

個人的には好きな方向性に変化したヴェゼル。しかし、唐突にエコでクリーンなイメージになったため、これまでのホンダ車や先代のヴェゼルが好きだった人たちは、少し寂しい思いをしている気がする。時代の変化に合わせて進化しなければいけないこともあるかもしれないが、これまでホンダ車が培ってきたアクティブでスポーティでわくわくさせてくれるクルマづくりは続いていって欲しい。

デザイン

5

2代目となったヴェゼルは、デザインがガラリと変わって、シンプルで洗練された大人な印象になった。このデザインについては賛否両論あるかもしれないが、個人的にはスタイリッシュで誰が乗っても素敵なモデルだと感じる。エクステリアだけでなく、インテリアもすっきりと上質にまとめられていて、ひとつクラス上のモデルかのように感じられるところも◯。

走行性能

4

ホンダ最新のハイブリッド技術を詰め込んだ「e:HEV」は、電気自動車の滑らかさと、エンジンの力強さを効率的に楽しむことができる。ハンドリングもとても素直なので、どんな人でも運転しやすく感じるはず。また、静粛性が高く、運転していて疲れも感じにくい。ただ、先代のようなキビキビとした軽快感溢れるスポーティな走りというよりは、新型はしっとりとした大人な乗り味になっているので、先代のような運転性能を求める方は違和感を覚える人もいるかもしれない。

乗り心地

4

車重のおかげもあって、大きなセダンのようにどっしりとした重厚感のある乗り心地が◯。静かで上質な空間とゆったりとした乗り心地のバランスが良く、長距離乗っても疲れにくそうだと感じた。

積載性

5

後席を立てた状態でも機内持ち込みサイズのスーツケースが4つ入る。ホンダ独自のセンタータンクレイアウトによって、後席を倒した時に荷室はほぼフラットになり、使い勝手もいい。また、後席の座面が跳ね上げられるので、様々な使い方ができる。グレード別の設定になるが、足をクルマの下に差し入れるだけでリアゲートを開けられる機能もあるので、荷物がたくさんある時なども便利だ。

燃費

5

燃費は、20.0〜25.0km/L（WLTCモード）と、このサイズのSUVとしては良好な数値。さらにすごいのは、WLTCのモードで市街地、郊外、高速道路どのシーンでも、燃費が20km/L以上になっていること。e:HEVの特性上、低速時にモーター走行になりやすいため、一般道での燃費が良いので、買い物や通勤などもっとも日常的に使用するシーンで役立つところが◎。

価格

4

価格は、約227〜329万円。同じサイズのコンパクトSUVの中では、少し割高な価格帯になるかもしれないが、クラスを超えた全体の雰囲気や安全装備のHonda SENSINGが標準装備されていると考えると、ちょうど良い価格設定だと思う。