自分の人生を幸せにする道具である。車が好きで、車を人生の一部かつ自己主張の道具と思って所有する人にはとても良い車である。周囲の人達から、「えっ、あんた
2010.4.1
- 総評
- 自分の人生を幸せにする道具である。車が好きで、車を人生の一部かつ自己主張の道具と思って所有する人にはとても良い車である。周囲の人達から、「えっ、あんた、NSXに乗っているの」と言われてご機嫌になって良し。乗って良し。回して良し。装備を充実させて良し。他人に見られて喜んでまた良し。
- 満足している点
- スタイルには古さが感じられるようになってきており、賛否両論であるが、日本の真面目な会社員が真面目にデザイン・設計した車という気がする。また、街で見かけて「あっ、あの車だ!格好良い!」と思って振り返ることのできる国産車は少ないと思うが、NSX、フェアレディSR311、ハコスカGTRなどは、振り返ることのできる数少ない車であると思う。
NSXに良いインテリアを求める気はない。車両がNSXであるから、インテリアはこの程度で許されると思う。ステージアより、フロントガラスが目の前に来るような圧迫感はない。
装備も、車両がNSXであることを考えれば特に不満はない。実際には、前のオーナーがCDの聴けるオーディオ、DVDナビ、ディスチャージドヘッドライトを装着しておいてくれたので、それをそのまま使えるし、購入時に販売店で装着していただいた、バックモニター、イモビライザー、ETCもあるため、装備については納得している。
走行性能に関してであるが、低速ではあまり速くない。レガシィGT-Bやステージアのターボ、ハリアー/クルーガーのハイブリッドの方が速いような気がする。しかし、中高速での加速は良いので運転が面白く、「NSXは回せば速い」、「自然吸気エンジンは愉しい」と思わせてくれる。コーナーリングの安定感も良い。ホンダのディーラーで聞いた「NSXのエンジンは、ターボ的自然吸気で、ハイカムに入ると愉しい」という言葉は本当である。
初期型のNA1でも、長時間かけて探せば、程度の非常に良いものが見つかる。しかも、400万円以内で何とか購入できる。ただし、販売店を選ぶことが重要である。
エンジンは丈夫で調子が良いし、ボディなども意外に劣化しないので驚く。タイヤも、他の方のレポートになるほど急には減らないように思う。維持費は「普通の車より多少高い」程度。手間は、普通の国産車よりは多少かかるが、外国車と比較すればはるかに楽であり、むしろ「愉しい手間」である。
周囲からの視線については、「好きな人は喜んで指をさして凝視するし、興味のない人は見向きもしない」。自分のNSXを、周囲のカーマニアに見て喜んでもらって、それで自分は結構幸せな気分になる。このような自己満足も良いであろう。
- 不満な点
- ドアが巨大であり、大きくドアを開けないと乗降しにくい。このため、乗降時に意外なスペースを要する。乗車時にも、狭いスペースに頑張って乗り込むように乗る必要がある。ただし、乗車してしまえばあとは快適である。
ライト・ワイパーなどのスイッチ類の操作方法が、トヨタ・日産などのそれと大きく異なるため、「生理的に運転しにくい」と思うことがある。
低速ではあまり速くないし、軽快感も少ない。また、加速時にATがスムーズにシフトダウンせず、いつまでも「上のギヤで粘っている」ことがあるので、ストレスが溜まる。
ブレーキが非常に甘いので驚いた。また、信号待ちや渋滞時には、ブレーキをしっかりと踏んでいないと、かなりの速さでクリーピングするため、前車に追突しそうになる。
販売店(中古車センターや専門店)の質がかなり違う。程度の悪い車両を高額で販売する店もあるし、前もって電話して「この車両に興味がある」と伝えてから店を訪問しても、ろくな対応をしてくれない店もある。5年以上、同じ車両がバッテリーをはずされた状態で眠っている店もある。NSXを購入する場合、価格が高めでも、信頼できて、アフターケアをしてくれる店を選ぶべきである。
ホンダのディーラー(元ベルノ店、現在のホンダカーズ)でも、NSXを良く知らない店員が多い。中には、私が「NSXのオイル交換をして下さい」と言っただけで、“逃げたがる”店員すら存在する。私は、日産のディーラーの対応のあまりの悪さに呆れて日産党を辞めたが、ホンダのそれも良くない。ディーラーの対応の良さは、私の知る限り、トヨタ≒スバル≫マツダ≒ホンダ≫日産の順であろうか。NSXの整備に関しては、下手なディーラーよりも、優れた専門店の方がはるかに頼りになる。
燃費も、渋滞を走るとすぐに6km/L台に低下する。
NSXの初期型を購入するための予算があっても、実際には、家族の大反対、購入したNSXを置くスペースがあるか、などの点で大いに苦しむことになる。私自身、10年以上前からNSXの購入を企てていたが、家族からの猛反対と、「2台以上の車を置ける屋根付き車庫のある家を買いなさい」という、家族から突き付けられた条件をのむため、飲酒も喫煙もゴルフも賭け事も海外旅行もせずに、それはそれは必死で働いた。NSXを買うために生きる。そのようなつもりで必死に頑張る必要が大いにある。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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