ホンダ アコード のみんなの質問

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シングルカムエンジンとツインカムエンジンでは 走りは どのように違うのですか? ホンダの車はほとんどシングルカムエンジンなのはなぜですか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

SOHCとDOHCですが,「可変動弁」ではないばあい,1気筒あたりのバルブ数によりエンジンの特性が決まってきます。カムシャフト本数(つまりSOHCやDOHCか)はあまり重要ではありません。以下に説明いたします。

●世の中にある可変動弁とは
下記の4種類があります。

★可変バルブタイミング(VVT=Variable Valve Timinmg)
もっとも一般的。多くのクルマで採用

★多段階可変バルブタイミング・リフト(VVL)
ホンダが実施(VTEC)。ホンダはこの後,VVTの要素をいれたi-VTECに

★可変バルブ作動角(VET)
96年にローバーが採用。採用例は少ない

★連続可変バルブリフト制御
2001年にBMWが採用(バルブトロニック)。2007年にトヨタ,日産が追随。ホンダなども追随予定。

●可変動弁とVTECとSOHC
VVTやVTECなどの可変動弁機構では,一般に吸気側のバルブタイミングを可変できます。また最近の可変動弁機構には,排気側も可変にするものがあります。

SOHCでは,吸気側と排気側のバルブタイミングは同じですから,吸気側だけ変えたり,吸排気それぞれのタイミングを変更できません。低回転域では,バルブのオーバーラップ量をほぼなくし,高回転域ではオーバーラップ量を拡大することで,低回転域から高回転域まで出力・効率・エミッションを改善できます。

しかしVTECのようにリフト量を多段階(連続ではなく)で制御するならSOHCでも可能です。

これが最近の車両でSOHCが選ばれない最大の理由です。

●バルブ数
一般にSOHCには1気筒あたり2バルブ,DOHCには4バルブが使われますが,これはSOHCやDOHCとは関係ありません。DOHCだって2弁も可能ですし,SOHCでも5弁が可能です。

では1気筒あたりのバルブ数により何が変わるのでしょうか?

2弁を4弁にすると,約35%くらいバルブ面積が広がります。これにより次の変化があります。

(1) 最高出力 … 4弁の方が,最高回転側で吸入抵抗が下がり,吸入空気量が増えるので,最高出力(最高馬力)が増える

(2) 街乗り時の効率 … 街乗りのようにエンジン負荷やエンジン回転数が低い条件では,吸入空気量は多くありません。少ない吸入空気では,吸入空気抵抗より,エンジン燃焼室内の空気と燃料の混合が問題になります。つまりゆっくりした吸気では,十分,燃料と空気が混合しないし,燃焼時間が長いのです。

燃焼室内にスワールなどの渦を上手におこせば良いのですが,一般にピストン頭頂部にへこみなどをもうける必要があり,冷却損失が増えます。

いちばん簡単な解決方法は,吸入弁を絞り(吸入弁2弁のうち1弁を閉じるでも良い),燃焼室への吸入空気の流入速度を上げることです。これにより,燃料と空気の混合や燃料の霧化は促進され,トルクが増え,出力(馬力)と効率(燃費)が改善します。

このためホンダはロゴや初代フィットに2弁を使っていました。

●ホンダの場合
ホンダは,SOHCにこだわってきたメーカです。たとえば初代フィットに使ったi-DSIエンジンでは,

SOHC
2弁
2プラグ
可変動弁

という内容でした。しかし2代目は,

SOHC
4弁 (一般的)
1プラグ (一般的)
可変動弁

という,より一般的な方式に戻りました。この理由は下記2点でしょう。

(1) コスト … 2プラグは急速燃焼による効率アップ(耐ノック性改善+時間損失軽減)というメリットがありますが,コストが高い
(2) 最高出力アップ … 走行性能改善のため,出力アップが必要。そうなると高回転側の充填効率改善が必要

これは,非常に異様な開発形態です。一般にエンジンのような設備産業は,あまり形式を変えず,すこしずつ改善し,10~15年に一度,大きな改良をするのが一般的です。モデルチェンジのたびに,大きな変更(方針変更)をするのは,めずらしいことです。よほど2代目フィットはコスト低減が主課題だったのでしょう。

●VTEC
新しいVTECは,よく知りませんが,10年前のVTECは,高速側での加速が素晴らしく,本当にホンダは高回転までよく回るエンジンをつくる会社だと感心したことがあります。その後のVTEC(アコードなどに採用)は,どちらかといえば燃費指向になり,素晴らしい燃費に感心するものの,あまりおもしろくありません。

ホンダも連続可変リフトに挑戦していますので,いずれバルブトロニックを上回る技術を出してくるでしょう。しかしSOHCはもう採用されないでしょう。

簡単ですが,ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2010.3.5 21:53

丁寧 なおかつ詳しく解説してもらえって参考になりました。 ありがとうございました(^O^)

その他の回答 (4件)

  • 現在のエンジンラインナップでは、シングルカムとツインカムの走りの違いを体感することはできません。

    その昔、ツインカムが一般的な市販車に搭載されはじめた頃は、シングルカムのエンジンの大部分を流用して、ヘッドだけをツインカムにしたような成り立ちのエンジンがたくさんありました。その頃であれば、同じエンジンでヘッドだけが違い、搭載している車も同じという条件を満たすことができたので比較ができました。しかし現代ではエンジンは個性を主張するかのように、それぞれ違いますし、搭載する車によって同じエンジンでも味付けを変えてあったりする場合もありますので、比較はほぼ困難であると思います。

    現代では実はシングルカムかツインカムかというバルブ駆動の形式の違いだけでどちらがどんな性格であるとか、どちらの方が優れているとかいうことは語れなくなってきています。昔であればシングルカムで高回転、高出力なエンジンを造ることができなかったのが、ツインカムにすることで比較的簡単に作り出せるということで、それを売りにしてツインカムだけ不当に高く売っているということもあったかと思いますが、現在は高回転であればいい、高出力であればいいという性能だけの時代ではなく、環境のことも考えなければなりません。そういう意味では難しい時代になっているといえます。しかし技術的にはかなり進歩しており、カムシャフトの本数に大きく左右されず、性能や環境を考えたエンジンを造ることができるようになっています。

    ホンダは確かにシングルカムのエンジンが最近は多くなっていますが、それはあくまでトレンドであったり、設計、生産上の都合の良さであったり、様々なことが考えられるでしょう。決してシングルカムの方が安価に出来るとして、利益を上げるためにそうしているというわけではないはずです。ホンダが昔からV型エンジンでシングルカムにする理由としてよくあげるのが、エンジン高の低減ですね。ホンダは昔からボンネットが低いことが美徳であるという考えがあり、そのためにシングルカムにして数センチでもエンジン高を低くする、またV6でもバンク角を60度にせず、90度にすることで幅は広がるが、エンジン高はおさえられるというような手法を使っています。ホンダはスタイルをよくするためには、常識を破ってでも、走りを犠牲にしてでもそんな技術を使うという傾向にあります。

  • ツインカムが出だした当時は高回転向けのエンジンに採用されました。
    高回転では吸気バルブ側と排気バルブ側を分けてリフト量を変える
    事が出来たため、高回転には向いています。
    現在ではバルブの制御技術の向上から両者の区別は市販車レベルでは
    わかりにくいです。
    ホンダ車はバルブのリフト量をi-VTECで制御するため、構造をシンプルにする事で
    コストの軽減とエンジン重量の軽量化をしていますが、
    今でもスポーツ志向のエンジンは高回転域で使用するためツインカムです。
    SOHCもDOHCもエンジン制御技術によって差が埋まってきているので
    構造はシンプルにした方が、コストと動力性能のバランスでは良くなります。

    寂しい話ですが、これからスポーツ車はさらに減少するでしょう。
    気軽に楽しめるスポーツ志向の車は無くなり、スーパースポーツは
    開発を進めますが、それ以外はドンドン、ハイブリッド化していきます。
    新しいカテゴリーでハイブリッドスポーツのCR-Zが発売になりました。
    世界初のハイブリッドエンジンと6MTの組み合わせですが、
    まだ市販化はしても様子見の段階でしょう。
    出なきゃ4人乗りとはいうものの実際には2人が限界等の車は
    発売しないからです。
    多分、ユーザーがつかなければ、モデルチェンジなしで絶版車に
    なりますよ。

  • 通常はツインカムの方が吹けあがりがいいといわれています
    ホンダはVテックがあるからだと思いますたとえばインテグラタイプRなどのVテックエンジンは可変カムといわれ約6000回転でカムが変わりパワーが出るようになっています。
    なのでシングルの方が都合がいいのではないでしょうか?

  • 今の技術だと100%そうとは言い難いのですが、一般的な知識として。

    シングルカムエンジン(SOHC)は低回転向けで、ツインカム(DOHC)は高回転向けです。これは、SOHCだとバルブが大きいのを少しだけ付けるのとロッカーアームがあるので、動く部品が重く、高回転までエンジンが回せず最高出力が出ないという弱点があります。

    対してDOHCは、多バルブ化しやすくバルブを小さく出来るのとロッカーアームが不要で直接バルブを動かすことが出来ます。この為動く部品の軽量化が出来て高回転まで回すことが出来、その分パワーを稼ぎ出すことが出来ます。また理想的な燃焼室構造であるペントルーフ型に出来てなおかつ燃焼室直上に点火プラグを設置することが出来るので、ノッキング対策や燃費にも有利になります。

    当然ホンダもこれぐらいはよく知ってることなのですが、最近のホンダは屈指のミニバンメーカーになってしまいました。ミニバンは車重が重いので低回転向けのエンジンが適しています。DOHCにしたところでブン回して加速させるのはミニバンという性格からしたら、適していないですし、「カタログ馬力はあるのに加速が悪い」と思われてしまいます。つまり、ブン回さないからSOHCが良いでしょ?という考えです。当然S2000のような生粋のスポーツカーはちゃんとDOHCにしています。

    進化の流れとしては、サイドバルブ→OHV→OHC(SOHC)→DOHCと進化しているので一見するとSOHCのほうが古いように思われますが、決してそうではなく、SOHCでもマルチバルブ化(4気筒で8バルブではなく16バルブや20バルブ)している場合もありますし、SOHCはシングルカムなのでDOHCよりも働かすためのエネルギーが少なくて済む、カムが1本なので安く済むという特徴もあります。

    まぁでもしかし、ホンダだけ割と特殊な進化を続けてますね。気筒休止やi-DSIなど色々なチャレンジをしては、消えて亡くなったり、また復活したり(^^; 技術屋が見ていても面白いメーカーなのは間違いありません。

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