ダイハツ ロッキーハイブリッド 「ダイハツが大きなチャレンジをしたパワーユニット」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
3
走行性能
2
乗り心地
2
積載性
5
燃費
5
価格
3

ダイハツが大きなチャレンジをしたパワーユニット

2022.6.20

年式
2021年11月〜モデル
総評
マイナーチェンジで新開発のパワーユニットを搭載した点は大きなチャレンジと言えるが、このパワーユニット自体がダイハツにとっては大きなチャレンジだろう。ハイブリッドになってもガソリンモデル同様の使い勝手と容量に優れたラゲッジスペースがあるのはとても嬉しい。ガソリンモデルオンリーの頃もSUVトップレベルに経済性に優れたモデルであったが、ハイブリッドの登場でその強みはより一層大きくなったと言える。
満足している点
優れた燃費性能とコンパクトなボディサイズ、そしてラゲッジスペースの広さがこのクルマの魅力だ。ダイハツとトヨタのノウハウを上手く組み合わせたパッケージになっていると感じる。長距離移動が多いという人にはあまりオススメ出来ないが、日々の買い物やちょっとしたアウトドアシーンで使い勝手と経済性に優れるクルマが欲しいという人にはオススメと言える。また、取り回しもしやすくスクエア基調のボディかつ着座位置が高いため、車両感覚もつかみやすいので、初めての1台としても勧めやすい要素が詰まった1台だ。
不満な点
気になる点はロッキーと同じだ。このクラスのクルマに求めてはいけないかもしれないが、走りの質感があまり高くないのが気になる。足のバタつき感やロールの不快感はもう少し改善されるのが望ましい。価格の面でも述べたがもう少し出せば質感の高いコンパクトカーのハイブリッドの上級グレードが射程圏内ということを考えると、ハイブリッドは少し購入を控えてしまうユーザーも多いのではないかと思う。
デザイン

3

スクエア基調のデザインはSUVらしさを演出しているが、5ナンバーサイズに収めようとすると少し無理があるというか、コンパクトハッチに近い雰囲気になってしまうのは否めない。そういった制約の中では上手くできたデザインだと思う。灯火類も上手くLEDなどを所々に使用し、現代的な印象を持たせている。また、もう少し姉妹車のライズとの差異を着けてほしかったという印象はある。ロッキーらしい独自のデザインをもう少し持たせてほしい
走行性能

2

ライズと同じような意見になってしまうが、ガソリンモデル登場時も同じように思ったように動力性能に関しては車体が軽量であるため全く不満がない。しかし、コーナリングなどはどこか落ち着きがないという印象を受ける。5ナンバーサイズで背の高いSUVとなっているため、基本的なディメンションから来る仕方がない基本特性なのかもしれない。新しいパワーユニットは新開発のシステムということを考えると、とてもよく出来ていると思う。ダイハツの未来を担うパワーユニットの第一歩となるはずだ。
乗り心地

2

どこか落ち着きのない印象があり、それが乗り心地の悪化や運転時の疲労感に繋がっているという感じを受ける。入力に対する収束のしなやかさも今一つと感じるし、全高に対してトレッドがナローなためかロール感も多い、正直疲れやすいかもという印象。ただ、基本的な車体寸法などを考えれば十分な性能があるという見方もできる。パワーユニットに関してはガソリンに比べて静かかつシームレスになった。この点を考えるとガソリンモデルよりは間違いなく乗り心地は優れている。
積載性

5

これはガソリンモデルやライズと共通する部分ではあるが、コンパクトな5ナンバーサイズということを考えると積載性はとても高い。369Lというラゲッジスペース容量はクラストップレベルであることはもちろん、場合によっては1クラス上のモデル並みを誇る容量である。またデッキボード下の収納スペース容量もガソリンに比べると小さいが実用性のあるスペースとなっている。ハイブリッドになってもラゲッジスペースがさほど犠牲になってないのが良点。
燃費

5

トヨタのハイブリッドシステムとは異なり、エンジンは発電用に使用するというハイブリッドシステムを採用したライズとロッキー、燃費性能はとても高いと言える。これは最大40%という熱効率を実現した新開発発電用エンジンのたまものであるが、軽量な車体も大きく寄与しているだろう。この新しいシステムはトヨタのためというよりは、ダイハツの今後のためという意味合い強いと言える。今後の進化にも期待したいシステムだ。
価格

3

価格設定に関してはハイブリッドのグレードが2つとライズとさほど変わっていない。ガソリンモデルはコストパフォーマンスに優れたモデルであり、それはこのハイブリッドでも変わらないのだが、上級グレードの値段にプラス20万弱出せばより質感の高いコンパクトカーのハイブリッド上級グレードに手が届くかも…という価格設定を見るとあまりお買い得感がないのも事実。燃費性能や街中の取り回しはこちらの方が優れているが、各種質感は断然ヤリスクロスの方が上と言える。新開発のパワーユニットがもっと広く普及すれば状況は変わるかもしれない。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
ダイハツ ロッキーハイブリッド 新型・現行モデル

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