シトロエン エグザンティア のみんなの質問

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自動車のサスペンションについての質問です。

ハイドロニューマチックサスペンションって高性能に聞こえるのですが、実力はどうなのでしょうか?最近では誰も使わないのでしょうか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

ハイドロニューマチック・サスペンションは、シトロエンが開発し、市販車に用いた技術です。
1955年に発売されたDSで本格的に導入され、2017年にC5が生産終了で、自動車からは失われた技術になったはず。
1970年代から1980年代にかけては、ロールス・ロイスやメルセデス・ベンツの最上級車にも、シトロエンのハイドロニューマチック・サスペンション技術が適用されていました。他に親会社であるプジョーも、市販車405に用いたことがあります。

ハイドロニューマチックが高性能と思われるのは、サスペンションの理想を具現化出来たからです。
1.非常に柔らかいスプリングを使って路面の凹凸を車体に伝えず、悪路でも良好な乗り心地を確保できたこと。
2.乗車人数や荷物が増減しても、車高を一定の高さに保つことが出来たこと。

1.は、気体(ニューマチック)を使ったバネで実現しています。シトロエンは窒素を封入したゴムボール(スフィアと呼ばれるもの)を用いて、気体のバネを自動車に取り入れました。
サスペンション・アームには、オイル(ハイドロ)を入れたピストンがつながっていて、ピストンが押されるとオイルがゴムボールを圧縮します。ゴムボールがどんなに圧縮されても、中の気体は理論的には体積0にならず、反力が無限大♾に大きくなります。スプリングとしては、非線形(プログレッシブ)のバネ定数を持ち、バネ定数が♾まで変化します。
このため常用域で柔らかいサスペンションでも、けっして底付きすることが無いのです。これは乗り心地のほか、操縦安定性にも貢献します。

2.は、上で書いたオイル(ハイドロ)を入れたピストンが実現しています。
サスペンションのピストンは、圧力を蓄えている油溜(アキュムレータ)と配管で接続されています。さらにアキュムレータは、エンジンが駆動するポンプにつながっています。
車体の車高変化に応じて、ピストンのストロークが変わりますが、ピストンがどの高さにあるか、脇にあるオイル経路の穴で検知し、車高が低ければ経路が開いてオイルを送り、高ければオイルを戻す、といった動作が自動で行われます。
さらに、車高を数段階、変えることが出来ました。悪路では車高を上げ、高速走行時は車高を下げる、といったことが可能でした。
これも空力に良い影響を与えます。

シトロエンはハイドロニューマチックの油圧をサスペンションだけでなく、パワーステアリング、サーボブレーキ、半自動変速機や、後になってヘッドライトの首振り機構にまで応用しました。ここまで進化した車は、DS登場時1955年には他に無く、10年進んだ技術を20年作り続けた訳です。
これらの機能を実現するために、車体の隅々までオイル経路が通されています。

ハイドロニューマチックが今では無くなってしまったのは、電子制御・センサ技術が発達して、複雑なハイドロニューマチックを使わなくても類似の技術が実現できるためです。シトロエンはこのように説明しています。
また高い加工精度が要求され、昔はトラブルが多かったために技術の主流になれなかったこともあります。

1990年代から、シトロエンのハイドロニューマチックは電子制御と組み合わされて、ハイドラクティブ・サスペンションを名乗ります。さらに1990年代末には、「エグザンティア・アクティバ 」という、F-1にあったセミアクティブ・サスペンションと同様にまで進化した市販車が生まれています。エグザンティア・アクティバは超絶コーナリング・マシーンであり、20年以上経った今でも、ダブルレーンチェンジテストで最速です。


ハイドロニューマチック技術の他の利用先としては、日本の74式、90式、10式戦車などいくつかの国の戦車で、姿勢制御装置として特許が用いられている、と言われています。

質問者からのお礼コメント

2021.2.18 14:10

回答ありがとうございます。勉強になりました。

その他の回答 (1件)

  • 今でも一部の高級車や航空機などにも使われていますよ。
    一般的なスプリング+ダンパーよりも機構が複雑な分、制御装置次第では最強のサスペンションになるかと思います。
    その分、コストが嵩みメンテにも金が掛かるので、コストより性能を重視する必要があるものへ採用されます。

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