稀少な左MT正規輸入モデル
E36クーペ318isが99年2月最終入船、それを新車で購入8年乗ってきました。購入当初はスペックだけをみると3年もすれ
2007.4.1
- 総評
- 稀少な左MT正規輸入モデル
E36クーペ318isが99年2月最終入船、それを新車で購入8年乗ってきました。購入当初はスペックだけをみると3年もすればエンジンスペックに優れるM3や330などに乗り換えたくなるだろう思っていました。しかし、気がつけばまだまだこれを超える車が見つかりません。パワー140ps(6000rpm)トルクも180Nm/18.3kgm(4300rpm)。とかくスペックだけでエンジンを表現すると国産モデル1600ccクラスよりも劣っています。我々消費者は数字だけで比較するしかないし、試乗しても同じ条件で乗り比べでもしない限り分からないのでこの様なユーザーの意見が重要になるわけです。購入前に同モデルに試乗するチャンスがあったのですが、乗ればわかるというのはこのことです。エンジン特性表をみますがトルクカーブがリニアでピーク(4300rpm)を過ぎてからはパワーの立ち上がりがさらに急峻になっている。まさに気持ちが良いエンジンです。車重1280kgもあいまって。実際体感できるトルクはTypeRが付いているホンダ車と同等に感じます(公道/サーキットでの検証)。残念ながらピークパワーは負けます、でも一車身は差がでません(筑波の最終コーナー手前までで)、つまりはコーナリングに優れる318isは抜けないのです。ちなみにTypeRは200ps超えていますがトルクの出方が回転の上の方なのでこれも頷ける結果です。
それと、なんといっても、本国設定と同じ仕様のマニュアルトランスミッションで左ハンドルです。ATは信頼性の良い日本製が組み込まれておますが、明らかに開発段階で十分に熟成されてない感があります(高速巡航と停止を繰り返すとAT油音が上がってしまうなど)。どこの市場をターゲットにしたかでその車の完成度が伺えます。BMWは縦置きにエンジンを置く訳ですが右と左だとステアリングロットがある関係でエキゾーストマニホールドの形状が微妙に変わったりします。右ハンドルにするためにエンジン性能を犠牲にしているのです。純正でありながらステンレスの等長タコ足が採用されているので是非左ハンドルを選びたいところです。
現在正規輸入できるBMWで左MTがチョイスできるのは800万円を超えるMモデルだけです。Mモデルと同じシャシーでエンジンも気持ちが良い、この車は知る人ぞ知る絶版車。E36(318i/320i/M3)は世界ツーリングカー選手権で活躍しました。チューニングのベースとしても最適ということになります。
- 満足している点
- 車体はM3と同じ(細かい補強部分で違いますが)ということもあり、F10Kg/R12Kgのスプリングに交換していますが全くガタがきません。多くのM3純正部品が流用できます。サスペンションはシンプルでありながら、ジオメトリー設計は本当に良く考えられています。まずはノーマルの車高で十分にその性能を堪能できます。フロントはノーマルでありながらピロを多用してる。しかしボディー取り付け部はゴムを使用し逃げを確保しておりその部分のチューニングで如何様にも味付けが可能。リアはロールしても接地し続ける設計。車高を落とすとノーマルの思想と異なるため十分に検討した上で実施する必要があります。318isは3シリーズで一番50:50に近いボディーバランスをもっています雨や雪の走行ではその威力は絶大です、滑ったり流れたりの挙動がすべて想定どおり、車を操る楽しさを味わえます。エンジンはものすごく丈夫です。レブリミッターは500rpmは低く設定されているように感じます。サーキットでもガンガン回しています、何度もレブに当てております。が、今までヘッドカバーシールを交換しただけでエンジン部品の交換はありません。当時のBMWの数字だけのスペックに拘らない信頼性重視の姿勢にも好感がもてます。
スタイルはツーリングカー選手権で採用された純正のスポイラー(フロントリップ/リアウィング)を装着できます。効果もすばらしいですフロントは特に高速走行時のにダウンフォースを感じフワフワ全くしません。リアウィングは装着していないので分かりませんが高速コーナでのダウンフォースは十分に期待ができます(見た目もGT Wingっぽくなくて良い)。サンルーフ付はオープン時の開放感はすばらしいです(ボディー剛性を犠牲にしても付けたいですね)。UpgradabilityもすばらしくE36のほとんどが非球面レンズを採用したH1バルブのヘッドライトを採用していますので後付HIDがほとんどボルトオンできます。
良いものを長く使うに適した車だと思います。数字だけのスペックには翻弄されず、良い物を惜しみなく採用する。交換部品代が高いのはなぜか納得してしまいます、というかお金を掛けたくなる車かもしれません。(完全に思い込みです)それと、エアコンONとOFFでパワーロスの差が分かりづらく以外に冷房も良く効きます。
- 不満な点
- オーディオの音。特に低音はダメですね、明らかに最近の車はいい音で鳴ります。エアコン風量は、室内の内気導入フィルターの性能が良すぎるためか、よく詰まって風量が減ります衛生面でも定期交換が必要になります。外装のゴム部品の劣化が早い(見た目が悪くなりがち)。ガソリン給油時のガス抜きが良くないのでセルフ用の給油ノズルでは満タンにするのに時間が掛かる。これも、ガソリンタンクの重量バランスを考えて設計されている為、給油口側が少しでも低いとタンク内でのガスが上手く抜けない様である(走りの性能重視ということで我慢するか有人スタンドで入れる)
最後に大きな短所があります。これだけ走りにフォーカスしておきながらLSDが純正装着できない。ASCなる空転した車輪を制御して空転していない車輪に駆動を伝える機能がついています。安全方向の装置なのでコーナーでの駆動力確保難しくなります。サーキットで楽しく走るためには社外物のLSDを装着する必要があります。E30時代のMテクは標準であったがイニシャルトルクが低いので効果があまりないということを考えると、ユーザーのニーズに合わせてアフターパーツを選択できるといるメリットと考えることもありかと。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験