BMW i3 「BMWが初めて導入した量産型の4人乗りEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
4
燃費
4
価格
3

BMWが初めて導入した量産型の4人乗りEV

2022.1.17

年式
2014年4月〜モデル
総評
取材した2014年当時、日産のリーフががんばっていたもののEV化に対する世界の眼は未だ冷静だった。それが欧州でのディーゼル不正問題(2015年9月)を皮切りに駒を進めたように感じる。EVに限らず電動化社会にはバッテリー、インバーター、モーターなどの昇華が不可欠。さらに今、そのバッテリーの原料を巡る競争が勃発。注視する必要がある。
満足している点
EVらしさとは何かをデザインやクルマ造りの上から表現されていること、ここがi3の最良点だ。また、内燃機関全盛のBMWにあって、2013年にドイツ本国にてiブランドを早々に立ち上げたことも良かった。電動化社会に対してブランドではっきりと分類しながら、社会が電動化になるに従いBMW各モデルにも電動化をスムースに導入。先見の明があった。
不満な点
i3のマイナス点というよりかは、この先、BMW各モデルが電動化、EV化していくなか、iブランドをどのように育んでいくのか、個人的にはそこが知りたい。ソフトウェアカンパニー時代に対し、車両そのものからEVの使い方までをワンパックにしたブランドとして推進する、そんなメーカーもあるなか、立役者ともいえるiブランドの行く末に興味津々だ。
デザイン

5

見るからに奇抜なデザイン。国内へ導入された2014年当時、EVであることを誇張するにはこれくらい必要だという意見も多かった。その奇抜なボディは、パワートレーンやバッテリーを収めたアルミ製のドライブモジュールと、CFRP製の乗員が乗り込むパッセンジャーセルであるライフモジュールで構成される。腰高感を上手く押さえ込んだ秀逸なデザインだ。
走行性能

4

通常のEVモデルのi3に加えて、発電用のエンジン(並列2気筒647ccで38PS)を搭載したi3レンジエクステンダーをラインアップしている。2014年当時、両モデルともにバッテリー総容量は同じ21.8kWhだった。現在、42.2kWhまで増加し充電一回あたりの走行可能距離は360㎞まで伸ばしている。
乗り心地

4

直進安定性を高めたり、電費効率を上げるためi3専用の極細タイヤを採用。乗り味は独特だ。幅は狭いが大径であるため縦方向の接地面積が広くカーブでも粘る。i3は前後 155/70R19(5J) で、i3レンジエクステンダーの場合は前155/70 R19、後175/60 R19(5.5J)と異形サイズだ。車体後部に発電用エンジンが搭載されるため太い。
積載性

4

ラゲッジルームの容量はエンジンをフロア下に搭載するレンジエクステンダーの場合でも割と大きく5:5分割可倒式のリヤシートを倒すと最大1100lまで増える。ただ発電時はエンジンが始動するため振動や若干の発熱も見られる。観音開きドアを採用することで乗降性は高く、各部の収納ポケットも使いやすい。
燃費

4

42.2kWhのリチウムイオンバッテリーへの充電で360㎞走行できる(WLTC値)なので、8.53㎞/kWhとなるが実際には乗り方で大きく変動するのがi3の特徴だ。パワフルな出力特性をもつバッテリーやインバーター制御が行なわれるため、元気よく走らせると電費の落ち方が他のEVより早め。一方、回生でのエネルギー受入量も多いという利点も。
価格

3

505万円〜レンジエクステンダーの上級モデルで616万円。EVの価格はバッテリー容量(i3は42.2kWh)にも影響を受ける。リーフの40kWh版は332.64万円だから単純に考えればi3は高い。だたし、高価なアルミやCFRPを多用し、コストのかかるリサイクル素材をインテリア各所に使っていることから、価格としては高いが、妥当であると考える。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
BMW i3 新型・現行モデル

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