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スバルの象徴、買うならラストチャンス──レガシィ アウトバックBlack Selection試乗記

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スバルの象徴、買うならラストチャンス──レガシィ アウトバックBlack Selection試乗記

まもなく販売終了するスバルレガシィ アウトバックBlack Selection」に、小川フミオが試乗した。

徹底的に“ブラック”

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ファンの多いスバルのクロスオーバー、レガシィ アウトバックに設定された特別仕様車Black Selection。2024年9月の発売以来、着実に売り上げを伸ばしている。アウトドアテイストもありつつ、大人っぽい雰囲気が魅力的なモデルだ。

レガシィ アウトバックBlack Selectionは、Limited EXをベースとした特別仕様。特徴は下記のようになる。

・ダークメタリック塗装の18インチアルミホイール
・クロスバービルトインタイプのルーフレール(ブラック塗装)
・ブラックおよびラスターブラック塗装のフロントグリル
・ブラック塗装のフロントバンパーガード
・ブラック塗装加飾つきのフロントフォグランプカバー
・ブラック塗装のリアバンパーガード
・ラスターブラック塗装のリアオーナメント
・ブラック塗装アウトサイドミラー
・ブラックナッパレザーのシート(ベンチレーション機構つき)
・シルバーステッチの内装トリム

要するに、徹底的に“ブラック”だ。サイドウインドウのクロームトリミングが、アクセントとなっている。レガシィ アウトバックは車体色が豊富で、レッド、ブルー、ゴールド、グリーンなど魅力的な色が揃っている。そこにあって、Black Selectionはよりマッシブな雰囲気で存在感を強調した。

レガシィ アウトバックBlack Selectionの美点は、ベースモデルと同様、走りの良さを感じさせるところだ。ひとことであらわすなら、しっかりした乗り味。操舵感、足まわり、それにエンジントルクの出方がうまくバランスとれていて、パワーを感じさせつつ、浮ついた感じのないドライブフィールをもっている。

エンジンは、1795cc水平対向4気筒ガソリンターボ。130kWの最高出力と300Nmの最大トルクを発生。リニアトロニック変速機を(CVT)介して前後輪を駆動する。スバル言うところのシンメトリカルAWDだ。

実際の走りは、スムーズなトルク感が印象的で、外観から想像するより、いい意味での落ち着きが感じられた。特に、ドライブモードを、ややエンジン回転を高めに保つ「Sモード」にしておくと、より素早く加速に移ってくれるし、リニアトロニック変速機独特の金属音も抑えられる。

無段変速機であるリニアトロニックは、簡単にいうと、円錐の上をベルトが上下することで、一般的な有段変速機の大小ギアのようなトルク伝達機能を果たす。燃費のためもあり、通常は、円錐上の径が小さめのところにベルトが留まるため、すばやい加速をしようとすると、多少時間がかかるのと、金属音が大きくなる傾向にある。

そこでスバルでは、径が大きめのところ、つまりトルクがより多めに出るところに動力伝達のためのベルトを留まらせる、マニュアルモードを採用。特にドライブモードで「S」あるいは「S#(エスシャープ)」を選択すると、高めのエンジン回転を保っていてくれるのだ。おまけとして、変速機の作動音も低めになる。

スバル車のなかでも、排気量が小さめのモデルでは、とくにSモードを使うのが、上記の理由で、私は好きだ。でも、レガシィ アウトバックはエンジントルクが大きめなので、少しだけ丁寧にアクセルペダルを踏むことを気にかけていれば、燃費重視のI(アイ)モードでも気持ちよく加速する。

もうひとつ、レガシィ アウトバックの美点は、乗り心地だ。サスペンションシステムの設定が上手い。あいにくというか、試乗車はウインタータイヤ装着だったので、カーブを曲がるときや、ちょっとステアリングホイールを動かしたときのフィールが、サマータイヤの場合とかなり違っていたが、雪道での動きもよさそうだ。

レガシィ アウトバックは、ステーションワゴンをベースにした車型なので、荷室は容量561Lと大きいうえに、車体の重心高が低めで動きが安定していて、路面状況にかかわらず、乗員のからだが揺さぶられにくい。

いっぽうで、最低地上高が213mmとってあり、悪路走破性の高さも謳う。高速道路を快適に走って、山道を通ってデイキャンプ……なんていうドライブでも実力を発揮しそうだ。

車内カメラを使ったドライバーモニタリングシステムもスバルが得意とする機能。レガシィアウトバックBlack Selectionでも、カメラを通じてコンピューターがドライバーを認識すると、シート位置やアウトサイドミラーの角度などを自動で登録した位置に調整する。いろいろ便利な機能も多いのだ。

価格的にはトヨタハリアー」(ガソリンエンジンかハイブリッド)が近い。違いはまずボディサイズ。レガシィ アウトバックのほうが全長で130mm長く(4870mm)、全高で50mm高く(1675mm)、ホイールベースは55mm長い(2745mm)。たしかに車内は広々感が強い。

もうひとつ大きな違いは4WDシステムで、ハリアー(ハイブリッド)では後輪を電気モーターで駆動するが、レガシィ アウトバックはプロペラシャフトを使った機械式駆動。どうせクルマに乗るなら、作るひとのこだわりを感じたいというひとは、レガシィ アウトバックBlack Selectionに乗ってもらいたい。

なお、レガシィ アウトバックは本モデルで国内販売終了が決定した。レガシィの名が与えられたモデルもこれが最後。かつてスバルが、危機的状況に陥った窮地を救った初代レガシィ登場から約36年……時の流れ、そして時代の変化を大いに感じたのだった。

文・小川フミオ 写真・小塚大樹 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

9件
  • hid********
    最後くらいストロングハイブリッドの2.4L出せば良いのにね。
  • yui********
    >リニアトロニック変速機独特の金属音
    感じたことがない。
    壊れてるのでは?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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