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雨のF1開幕戦で浮き彫りとなった、エンジニアとのコンビネーションの重要性。ストロールの6位がそれを物語っている!

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雨のF1開幕戦で浮き彫りとなった、エンジニアとのコンビネーションの重要性。ストロールの6位がそれを物語っている!

F1開幕戦オーストラリアGPでは、今季からフェラーリに加入したルイス・ハミルトンと、新たにコンビを組むエンジニアのリカルド・アダミとのギクシャクしたやり取りが注目を集めた。しかし、メルボルンで初レースを迎えたドライバーとエンジニアのコンビは彼らだけではなかった。

今季は移籍やルーキーの参戦が多かったこともあり、多くのドライバーが新しいエンジニアと組むことになった。しかし、実は残留組にも新エンジニアになったドライバーがいる。そのひとりがアストンマーティンのランス・ストロール。彼は元ハースのゲイリー・ギャノンをパートナーに迎えた。

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そして開幕戦では、ストロールとギャノンが最も良い連携を見せていたと言える。

メルボルンのレースで全ドライバーにとって最も重要だったのは、2回目のセーフティカーラン後、再び雨が降り出したタイミングでピットインするどうかの判断だった。この時点でアストンマーティンはアロンソがリタイアしており、チームの希望はストロールの手に委ねられていた。

結果的に多くのマシンがピットに駆け込むこととなる44周目の時点でギャノンは「あと1周待ってからインターミディエイトタイヤに戻すのがベスト」とストロールに伝えていた。しかし、ターン12でマクラーレン勢がグラベルに飛び出し、ターン11の出口でシャルル・ルクレール(フェラーリ)がスピンしたところで、ギャノンは「ターン12が非常に滑りやすい」と警告し、続けて決定的な戦略指示を下した――「ボックス、今だ、ランス!」

ストロールは滑りやすい路面の中でかろうじてピットレーンに入ることに成功。雨用のインターミディエイトタイヤに交換し、ステイアウトしたマシンがスピンやクラッシュに見舞われる中、11番手から6番手までポジションを上げた。

ストロールはアウトラップでタイヤを適温まで持っていく必要があったが、その間もギャノンは「コース上に留まること」を繰り返しリマインドし続けた。ギャノンが冷静な口調を崩さず、的確な指示を送り続けたことは、ふたりの関係がすでに良好であることを物語っていた。

フィニッシュ直後、ストロールは「素晴らしいスタートだったね!」と声を弾ませ、エンジニアの働きへの満足感をこう表現した。

「一緒に良い初戦にできて本当に嬉しいよ!」

もちろん、シーズンはまだ始まったばかりだが、ストロールとタッグを組むギャノンの働きは、ドライバーとエンジニアの関係全体を考える上で非常に重要だ。ギャノンはストロールにとってレーシングポイント時代も含めると同チームで4人目のエンジニアであるが、これがうまくかみ合えば、大きな成功に繋がる可能性がある。

F1においてレースエンジニアの交代が大きな影響を与えるということは、実際にはそれほど一般的なことではない。チームは通常、ドライバーのレースエンジニアを交代することを1度は許容するが、それ以上になると、コックピットの中にいるドライバーへの信頼が揺らぎ始める。

現在、レースエンジニアはF1チームのスタッフの中でも最も注目される存在のひとつであり、その仕事ぶりや個性は世界中の観客に放送されている。頻繁にレースエンジニアを交代させているのは、あまり印象が良くない。エンジニアが伝え、管理しているデータは嘘をつかない……そのデータが、ドライバー側の問題を浮き彫りにすることさえある。

しかし、この情報を処理するシステムは非常に複雑で、チームごとに独自のものだ。さらに現代のF1ではテストの機会が非常に制限されているため、ウイリアムズのカルロス・サインツJr.が「新しい手順に慣れるためにチームのシミュレータに費やされている資金を、より多くのテストに充てるべきだ」と提案しているのも無理はない。

サインツJr.は現在、メルセデスパワーユニットとそのシステムを学んでいる最中。彼はセーフティカーラン中のスピンで戦列を離れたが、セーフティカーモード下でのエンジンマッピングでトルクをどのように伝達するかについて、まだ適応する必要があるようだ。そしてハミルトンも、去年そのサインツJr.を担当し、かつてはセバスチャン・ベッテルとも仕事をしたアダミと協力して、フェラーリのシステムを学ぼうとしている。

先日の開幕戦で、ハミルトンがオーバーテイクモードやDRSに関するアダミの提案を何度も拒否したことは、ふたつの重要な事実を浮き彫りにした。

ひとつは、7度のF1世界王者が新しいマシンにどれほど適応しなければならないかということ。もうひとつは、彼にとってメルセデスでの習慣がどれほど自然なものになっていたかということだ。

ハミルトンはメルセデス時代、エンジニアのピーター・ボニントンと歴史を刻んだ。しかし今、ボニントンはルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリを指導しており、無線のトーンはハミルトンと交わしていた親しみやすい雰囲気とは打って変わって、より父親的で優しいものになっている。メルボルンでボニントンはアントネッリに対し、セーフティカー中に守る必要があるデルタタイムについて頻繁に注意を促していた。

ハミルトンの隣にあるフェラーリのガレージでも、レースエンジニアの交代による変化が感じ取れる。ルクレールは昨年、シャビ・マルコス(現キャデラックスポーツカー部門テクニカルディレクター)からブライアン・ボッツィにエンジニアを交代したが、以前のような「確認中だ」といった曖昧でぎこちない無線が減っており、まるでレッドブルのマックス・フェルスタッペンとジャンピエロ・ランビアーゼのコンビのような活発で明確なやり取りに変わっている。

ただフェルスタッペンと“GP”のそれとは違い、叱咤するのはルクレールの方であることが多いようだ。先日のグランプリでシートが水浸しになっていた際、やや頓珍漢な回答をしていたボッツィにルクレールが放った「これも名言リストに入れておこう」という皮肉は、既にF1界隈でミーム化されてしまっている。

しかし、彼らは組んですぐに結果を出している。昨年のモナコGPの勝利もその一例だ。もちろん、これは単なるエンジニア交代だけの成果ではなく、フェラーリのマシン性能や戦略プロセスの向上も大きく関係している。しかし、赤旗後に1セットのタイヤでレースを走りきるという緊迫した状況を、ルクレールとボッツィは見事に乗り切った。

アダミも実績確かなエンジニアだ。彼が優秀なエンジニアでなかったら、ベッテル時代から所属する彼は今頃チームから追われているだろう。とはいえハミルトンとのパートナーシップの出だしは厳しいものだった。F1チームにとって“イメージ”は非常に重要であり、フェラーリがこの状態を長く続けたくないと考えるのは想像に難くない。

もちろん、アダミの立場がすぐに危うくなると言うつもりはない。しかし、もし将来的に変更が必要になった場合、ハミルトンにとってはルクレールが今もチーム内で最速のドライバーであるという状況の中、彼を庇ってくれる人は少なくなるかもしれない。

鍵を握っているのは時間。だからこそ、サインツJr.がテストについて提起した意見は重要であり、ギャノンとストロールが良いスタートを切ったことの意義も大きい。

もしあの雨による波乱がなければ、ハミルトンのフェラーリ初戦は、FP1でルクレールに0.6秒遅れていた状態から予選では0.1秒差まで挽回したという、ポジティブな物語になっていたはずだ。しかしF1での成功には人間関係も重要である。全てデータで決まるわけではない。だからこそ、ストロールとギャノンの順調なスタートは、2025年シーズンの物語の中で大きな意味を持つのだ。

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