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電気自動車の「民主化」へ貢献? リープモーターT03へ試乗 背後にステランティスあり

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電気自動車の「民主化」へ貢献? リープモーターT03へ試乗 背後にステランティスあり

サイズ感は幅が狭く背の高いスズキ・イグニス

中国の自動車メーカーが、次々と欧州市場へ挑んでいる。だが、最近流行りのAI技術を利用してデザインされたような、個性の薄いクロスオーバーばかり。以前にご紹介したリープモーターのC10も、そんなステレオタイプに当てはまるだろう。

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ただし、このリープモーターは他社と大きく異なる強みがある。最大の株主が、プジョーシトロエンなどを傘下に収める、ステランティス・グループだという事実だ。

そのため、既に欧州市場にはディーラー・ネットワークが整っている。物流などのスケールメリットを活用できる。ステランティスが背景にあると知れば、顧客は他の中国ブランドより安心感を抱けるであろうことも、有利な点だろう。

リープモーターがクルマ作りで重視しているのが、お手頃な価格と、日常生活を快適にする最先端の技術力。今回ご紹介するコンパクト・ハッチバック、T03は、まさにそのど真ん中にあるモデルといっていい。

欧州市場は、日本と同様に小さなクルマの需要が高い。しかし安全性の強化や電動化技術の導入により、安価に提供しつつ、充分な利益を上げることは難しくなっている。近年の選択肢は、大幅に狭まっているのが現状だ。

そこへ投入されるのが、英国価格1万5995ポンド(約312万円)からのT03。全長は3620mm、全幅が1577mm、全高が1652mmという小ささで、幅が狭く背の高いスズキイグニスといったサイズ感にある。

最高出力95ps 航続距離265km タッチモニター搭載

スタイリングの印象は、人それぞれだと思うが、魅力に長けた見た目とは表現しにくいだろう。とはいえ背の高いプロポーションで、身長が180cmを超える大人でも4名が問題なく座れる車内空間を内包する。

衝突安全性能を測る、ユーロNCAPの結果は出ていない。だが、ボディの68%は高強度鋼で構成されるとのこと。衝突時の衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンも備わり、エアバックは6基実装されている。

駆動用モーターはフロント側にマウントされ、最高出力は95ps。駆動用バッテリーの容量は37.3kWhあり、航続距離は265kmがうたわれる。市街地中心なら394km走れると、リープモーターは主張する。充電には、最大45kWまで対応している。

ダッシュボード上には、8.0インチのメーター用モニターと、10.0インチのインフォテインメント用タッチモニター。カーナビとデジタルラジオを利用できるものの、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには非対応だ。

エアコンの操作画面はタッチモニター内にあり、正直操作しにくい。運転支援システムを切る場合は、一度停車する必要がある。これ以外の機能の操作性は、悪くないだろう。

奥行きがあるものの、開口部が狭い荷室の容量は210L。充電用ケーブルが、大部分の面積を専有しているが。

発進は活発 高速道路での追い越しも可能

デフォルトのドライブモードは、スタンダード。活発に発進し、試乗したイタリアの急勾配でもスルスルと登ってみせた。最高速度は130km/h。イタリアの高速道路、3車線のアウトストラーダで追い越しをかけることも可能だった。

スポーツ・モードへ切り替えると、パワーの立ち上がりが鋭くなる。実際は、細いタイヤのスキール音を立てる頻度を増やすだけだが。

T03の売り文句として、リープモーターは「機敏」や「スポーティ」といった表現を用いている。だが、これには疑問が残る。

確かに、イタリアの狭い旧市街地を軽快に巡れるものの、ヘアピンカーブを颯爽と駆け抜けられるわけではない。アンダーステアでガードレールを突き破らないよう、速度に注意して侵入したいところだ。

ステアリングホイールの感触は、3段階から選べる。コンフォート・モードは、信じられないくらい軽い。スタンダード・モードとスポーツ・モード時は、少し手応えが増すものの、それでも軽いと感じた。

乗り心地は、不思議なほどしなやか。柔らかすぎず硬すぎず、傷んだアスファルトの上を印象的な滑らかさで進む。ただし、平滑な高速道路では若干の浮遊感を伴った。

同クラスの中で優れていると表現できる

ステランティス・グループが背後にあるだけあって、旧来的な技術のままの、価格重視のマイクロカーとは異なるT03。リープモーターを、過度に怪しむ必要はないだろう。

そもそも、多くの中国メーカーのバッテリーEVは、欧州ブランドのライバルへ大きく劣るわけではない。本当に手軽な価格の小さな電気自動車だと捉えれば、T03は同クラスの中で優れていると表現しても良いだろう。

見た目は冴えないかもしれないが、動的な基本性能は低くない。電気自動車の民主化を、推し進める1台になる可能性はある。

◯:短いホイールベースで動きが機敏 大人が快適に過ごせる車内空間 市街地だけでなく高速道路でも充分な動力性能
△:タッチモニターに操作が集約された車載機能 運転支援システムをオフにするのが面倒 高速域でやや不安定な乗り心地

リープモーターT03(欧州仕様)のスペック

英国価格:1万5995ポンド(約312万円)
全長:3620mm
全幅:1577mm
全高:1652mm
最高速度:130km/h
0-100km/h加速:12.7秒
航続距離:265km
電費:6.1km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1175kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:37.3kWh
急速充電能力:45kW
最高出力:95ps
最大トルク:16.1kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

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みんなのコメント

10件
  • put********
    中国本土の価格の1.7倍くらいか。(本土では180万くらい)
    ただこうしたコンパクトサイズよりLEEPMOTORならモーターショーに出すC10のほうが脅威だろう。
    T03の1.5倍程度の価格でミドルSUVクラスだから関税入っても450万前後になるはず。
    それで電動車なのに欧州製エンジン車SUVよりもずっと安く、見た目も電動車っぽく仕上がっている。
    中華EVは価格が圧倒的に安過ぎて、他国メーカが太刀打ちできる芽が現状見えない。
  • yyy********
    背後にステランティスありというので期待したら、10年前の中国車のようなデザインで残念だ。チンクチェントのようにはならんのだな。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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