かつては輸入車販売も手掛けていたスズキ
みなさんはスズキが自社生産の乗用車をシボレーブランドで販売していたことを覚えているでしょうか。
憧れの“外車”が安価に買え、しかも国産車の信頼性と経済性を持っていたことから一時は人気を博していました。今回はなかでも「ワゴンR+」をベースにしたシボレー「MW」について見てみましょう。
軽自動車の販売で国内トップシェアを誇るスズキは、かつてプジョーやシボレーなどの輸入車の販売も手掛けていました。
スズキは1980年代に独自に輸入販売権を得て、「205」や「405」などのプジョー車を販売する一方、1981年にGM(ゼネラルモーターズ)と提携を結び、北米市場でシボレーやジオブランドで販売する小型車をOEM提供するようになりました。このことがきっかけで、1988年にシボレー「ベレッタ」や「コルシカ」、ポンティアック「グランダム」などを独自に輸入し、日本国内で販売するようになります。
軽自動車や安価な小型車を販売の中心に据えているスズキにとって、これらの輸入車は商圏を上方に拡大させるものとして当初は期待していました。しかし、スズキの販売店ではこれまで輸入車を取り扱った経験がなく、サービス面や販売面で専業の輸入車ディーラーに太刀打ちすることができずにいました。
また、高価な輸入車と安価な軽自動車・国産小型車では購買層がまるで異なり、これらの輸入車販売はスズキの目論見通りにはうまくいかず、2003年に導入したシボレー「オプトラ」(GM大宇製のセダン/ステーションワゴン)を最後に、海外メーカーから供給されたクルマの販売を中止します。
「ワゴンR+」と「MW」の違いはバッジだけ?
2000年にシボレー車の輸入販売権が、それまでのヤナセから日本GMへと移管されましたが、それと前後してスズキはGMとの提携を強化。これにより、スズキは自社ディーラー網での販売を考慮しつつ、日本国内で新規に立ち上げられた「GMオートワールド店」(2003年に「GMシボレー店」へ改名)で販売する車種をシボレーと共同開発することにします。
こうして2000年に誕生したのがシボレーブランドの小型車「MW」(ミニワゴンの意味)です。翌2001年にはシボレーとのコラボ第2弾として「クルーズ」もデビューしました。
とはいえ、これらはGMとの共同開発をうたいつつも、「MW」は「ワゴンR+」(のちの「ソリオ」)、「クルーズ」は初代「スイフト」をベースに内外装の化粧替えをした実質的なOEMモデルでした。
シボレー「MW」のベースとなったスズキ「ワゴンR+」は、軽自動車の「ワゴンR」のボディパネルを流用しつつ、全長や全幅をひと回り拡大し排気量1000ccのエンジンを搭載した小型乗用車です。前身は1997年に登場した「ワゴンRワイド」で、1999年のフルモデルチェンジ時に小型車用に設計された新プラットフォームを採用して「ワゴンR+(プラス)」と改名。さらに2000年12月に改良を受けた際に名称を「ワゴンRソリオ」へと再変更し、2005年には車名から「ワゴンR」が取れて現在の「ソリオ」となっています。
シボレー「MW」のベースとなったのは「ワゴンR+」に設定された1リッター・ターボエンジンを積む「XT」グレード(のちに「1.3」グレードも追加)です。「ワゴンR+」との外観上の違いはフロントグリル内に輝くシボレーの象徴「ボウタイ」エンブレムだけでした。
しかし、ベースとなった「ワゴンR+」のヘッドランプは、シボレーのSUVやミニバンに見られた分割線の入った上下二連タイプを採用したこともあり、「MW」はコンパクトなシボレー「アストロ」といった雰囲気が漂っていました。
スズキがGMグループを離れたことで消滅
インテリアはデザインこそ「ワゴンR+」のものがそのまま流用されていましたが、内装色をグレーからベージュへと変更。本革シートと木目トリムの採用、オーディオの高級化など装備の充実化が図られ、「ワゴンR+」との差別化が図られていました。
シボレー「MW」は2004年1月にいったん生産が停止したものの、その2年後の2006年1月から一部改良したうえで販売を再開。このときからスズキディーラーの「スズキアリーナ店」でも販売を始めています。翌2007年からは「スズキ店」でも取り扱いをスタートさせ、販路が拡大したことにより「ソリオ」の高級バージョンとしてシボレー「MW」は好調に売り上げを伸ばしていきました。
その後も適時改良を加えられながらシボレー「MW」の販売は続きますが、GMの財務体質が急速に悪化し、2008年に保有するスズキ株式をすべて手放したことでスズキはGMグループを離れます。「MW」はその後もしばらく生産が続きましたが、ベースとなった「ソリオ」フルモデルチェンジのタイミングで生産を終了。1代限りで姿を消しました。
最近は街中でシボレー「MW」を見かける機会がめっきり減りましたが、憧れの輸入車ブランドを手ごろな価格で買え、しかも中身は信頼性と経済性の高い日本車というコンセプトは、輸入車に憧れているが価格面で手が届かない、外国車への不安から購入に踏み切れないというユーザーにとっては、なかなか良い選択肢だったのではないでしょうか。
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