現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クラウンは4WDモデルだけ不正認定に…エアバッグのタイマー点火はなにが問題なのか?

ここから本文です

クラウンは4WDモデルだけ不正認定に…エアバッグのタイマー点火はなにが問題なのか?

掲載 23
クラウンは4WDモデルだけ不正認定に…エアバッグのタイマー点火はなにが問題なのか?

連日報道されているトヨタホンダマツダスズキなどの不正問題。なかでもユーザーが気にしているのが「エアバッグのタイマー点火問題」である。万一の時のことを考えると、不安になるのも納得で、いくら安全性の問題なしと言われても……と思っている人も多いハズ。その不安解消します。そもそもなにが問題で、どういうことなのか!? をわかりやすくお届け!!!

文:国沢光宏/写真:ベストカーWeb編集部

クラウンは4WDモデルだけ不正認定に…エアバッグのタイマー点火はなにが問題なのか?

■ユーザーの不利益はなし!! 一連の騒動とダイハツ問題はそもそも別モノ

認証不正発覚後、ベストカーWebで「不正」と認定された内容についての解説をしてきたけれど、多くの人から「安全性を考えたら一番やっちゃダメでしょ!」と思われているのは、エアバッグのタイマー点火のようだ。私はトヨタの説明を聞いて「問題ない」と判断したのだけれど、皆さんエアバッグについて知らないらしく理解できていない。しっかり説明する。

衝撃センサーが一定以上のGを検出した際、エアバッグが展開するかどうかについて言えば、すでに30年前に決着している。エアバッグの基本技術、戦闘機の非常脱出シートと同じ。99.99%以上の確度を持つ。したがって専用のシステムと配線を使うことで展開しないということは事実上無い(世の中に100%は存在しない考える)。問題となってくるのは展開タイミング。

ダイハツの不正は開発途中のクルマであり、展開タイミングさえ決まっていない時点で試験を行なっている。当然ながら衝撃感知センサーとの連携も出来ておらず、タイマーで展開させないといかんともしがたかった。ちなみに市販モデルでは適切なタイミングで展開することが確認されたため、認証取り消しになっていない。悪質ながら、ユーザーへの不利益はなかった。



記事リンク















前の記事





より厳しい基準で検査が不正扱い……トヨタの検査に隠された衝撃事実! そして不正が多発する意外なワケ















次の記事





ヤリスクロスカローラフィールダー/アクシオは6月いっぱい生産停止、マツダ2とロードスターRFも停止し再開未定















アイシスはマイチェンでシートベルト変更!! それがそもそもの発端も問題なし

今思えばかなりのロングセラーであったアイシス。マイチェンでシートベルトの変更を行ったのがそもそもの発端のようだ

今回指摘されたトヨタのタイマー展開を調べてみた。対象車種はアイシスとクラウンの2車種。アイシスから。クルマそのものの認証に使う試験はフルラップ衝突50km/h。オフセット衝突56km/hという国交省の指定通り行われ、余裕で規定値をクリア出来ている。さらにJNCAP用のフルラップ55km/h。オフセット64km/hという、国交省の認証より大幅に厳しい試験も行い、クリア。

問題になったのはマイナーチェンジモデルだ。シートベルトの設計変更を行ったそうな。マイナーチェンジの認証を取るため、新しいシートベルトで試験をする。その際、シートベルトの性能をチェックすべく、エアバッグの展開タイミングをタイマー使い適切なタイミングより遅らせた。エアバックの正式名称は『SRSエアバッグ』で、SRSとは補助的という意味。

衝突時の衝撃は基本的に車体構造とシートベルトで受け止め、エアバッグを補助として使う。だからこそエアバッグだけじゃ危険なのだ。アイシスはエアバッグの効果を落として衝突試験行い新しいシートベルトの性能をチェック。国交省の基準をクリアしただけでなく、JNCAPの厳しい基準も満たしている。その時の数値を認証で使ったため「不正」と判定された。



記事リンク















前の記事





より厳しい基準で検査が不正扱い……トヨタの検査に隠された衝撃事実! そして不正が多発する意外なワケ















次の記事





ヤリスクロスとカローラフィールダー/アクシオは6月いっぱい生産停止、マツダ2とロードスターRFも停止し再開未定















■クラウンまさかの4WDモデルだけ不正認定…構造一緒なのだから無問題な気も

対象となったのはクラウンの210系、しかも4WD仕様のみ

クラウンの場合、さらに興味深い。不正認定されたのは4WDモデル。2WDモデルについていえば正規の認証試験を行いクリア済。厳しいJNCAPの試験も余裕でクリア出来ていた。本来、4WDもキャビン構造が同じのため、2WDのデータを使い認証に使って問題なし。ところが4WDの認証データとして、認証試験でなく開発試験のために使ったデータを記載した。

開発試験はデータ取りのため条件を同じにすべく、タイマーを使い2WDと全く同じ展開タイミングにした。このデータ、本来なら開発試験なので使わない。なのに認証用のデータとして提出している。なぜ2WD用のデータを記載しなかったのか? 10年前のことなので解らないと言う。そういった書類が残っていたので不正という扱いにしたようだ。国交省側にも説明済みとのこと。

ちなみに2WDのデータは前述の通り国交省の指定速度の衝突試験をクリアしている上、一段と厳しいJNCAPも余裕。これまた市販車の安全性に問題ないと考えていい。いずれにしろ認証に必要な国交省の試験内容はアイシスもクラウンもクリア出来ている。特にクラウンの4WDについては国交省に不正案件として提出する必要も無かったんじゃないかと考えます。

世界の流れを見ると、自動車は基幹産業。アメリカ、ドイツ、フランス、韓国、中国いずれも国を挙げてバックアップしている。日本も自動車産業無ければ赤字国になってしまう。なのに政府もメディアも自動車産業の足を引っ張ることに腐心している。このままだと自動車産業も衰退しかねない。忖度する必要などないが、いがみあうことも建設的じゃないと考える。

【画像ギャラリー】もしやさらに納期伸びる!? 出荷停止中のヤリスクロスを一挙に(6枚)

投稿 クラウンは4WDモデルだけ不正認定に…エアバッグのタイマー点火はなにが問題なのか? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ピアストリ、0.01秒差でポールに届かず予選2番手「これが自分のベストだったと思うから満足だ」
ピアストリ、0.01秒差でポールに届かず予選2番手「これが自分のベストだったと思うから満足だ」
AUTOSPORT web
東風風神のPHEV『L7』新型、約175万円でEVモード航続205kmを実現
東風風神のPHEV『L7』新型、約175万円でEVモード航続205kmを実現
レスポンス
サウジ予選でローソン自信復活!? 僅差でQ3逃し悔しさも「日に日に快適になっている。これまでの週末でベスト」
サウジ予選でローソン自信復活!? 僅差でQ3逃し悔しさも「日に日に快適になっている。これまでの週末でベスト」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

23件
  • ran********
    この方超がつくトヨタ贔屓のかた、雑誌の記事でもトヨタベタ褒めが多いような•••?がつく車でもね
  • kus********
    「アイシスはエアバッグの効果を落として衝突試験行い新しいシートベルトの性能をチェック。国交省の基準をクリアしただけでなく・・・その時の数値を認証で使ったため「不正」と判定された。」
    つまり、認証試験は出しとけ。社内規格が上だって論法なら、日産の最終試験の無資格検査員も車自体は工程内保証で流れてくるから、形式的なもの。
    海外向けは不要でも国内法への不適合。
    日産が叩かれたけど、トヨタの考え方がおかしくない論拠を示して欲しいね。
    国さんよ。
    法は法。
    衝突安全性試験費用は億単位。
    そのために実車試験の前にスレッド試験などのプレテスト検証は十分行い実車のフルラップを迎えるから余裕で通るだろう。部品レベルではSRSの信頼性は99.99程度じゃ無いCPK2.0を遙かに超える安全率を採る。
    IATF16949の自動車国際規格のPPAPではこんな理屈は通用しないはずだけどねえ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509 . 9万円 575 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49 . 1万円 850 . 0万円

中古車を検索
トヨタ クラウンの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509 . 9万円 575 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49 . 1万円 850 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村

ガソリン軽油割引中