現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > オデッセイ復活……の前に終了したことがあり得ない! ホンダがおかした3つの失敗とは

ここから本文です

オデッセイ復活……の前に終了したことがあり得ない! ホンダがおかした3つの失敗とは

掲載 120
オデッセイ復活……の前に終了したことがあり得ない! ホンダがおかした3つの失敗とは

 この記事をまとめると

■まもなくオデッセイの販売が再開されるが、なぜ一度終了したオデッセイが復活するのか?

かつてはオデッセイやウィッシュがバカ売れしたのにナゼ? 「非スライドドア」ミニバンが消えたワケ

■工場を閉鎖するから商品の販売を終了するというロジックはありえない

■オデッセイの終了と復活はホンダの場当たり的な戦略を象徴している

 なんだか釈然としないオデッセイの復活

 ミニバンのオデッセイは、1994年に初代モデルを発売したホンダの主力車種だ。2021年に、5代目の生産を一度終えたが、2023年に中国製を再び輸入販売すると発表された。国内販売を一度終えたオデッセイが、なぜ復活するのか。

 オデッセイを終了した理由は、生産を行っていた狭山工場が、2021年に閉鎖されたからだ。同工場で生産されていたレジェンドやクラリティも終了したが、ステップワゴンは、寄居の埼玉製作所に移管されて生産を続けている。

 そして2021年に、オデッセイの国内販売終了を発表した時点で、ホンダの社内からは「オデッセイの終了に反対する意見も根強い。今後、中国製を輸入するなど、復活させる可能性がある」という話が聞かれた。

 また、販売店も「いまのホンダでは、軽自動車のN-BOXなどの低価格車が売れ筋だ。オデッセイは堅調に売れる唯一の高価格車だから、販売会社の経営的にも終了されては困る」と述べていた。

 このようにオデッセイは、メーカーと販売会社の両方に、存続を望む意見が多かった。それなのにステップワゴンと違って国内生産を続けずに終了したから、いまになって中国製の輸入販売が発表されている。つまり、2021年におけるオデッセイの終了は、誤った判断だったといえる。

 オデッセイの終了と復活で露呈したホンダの3つの失敗

 生産終了に至った問題点を具体的に挙げると、まずひとつ目として、「狭山工場を閉鎖するからオデッセイも終了する」という判断が理屈に合わない。車両が生産を終えるから、それに伴って工場を閉めるなら理解できるが、逆は成り立たない。工場はクルマを生産するために存在しており、工場があるからクルマを作っているわけではないのだ。

 ふたつ目の問題点は、オデッセイの売れ行きだ。「売れないから終了した」と思われているが、そんなことはない。オデッセイは生産を終える約1年前の2020年11月に、フロントマスクまで刷新する規模の大きな改良を実施して、2021年1~6月の1カ月平均登録台数は約1800台、つまり前年同期の2倍以上も売れていたからだ。

 この販売実績は、ミニバンでは安定的に高い人気を得ているデリカD:5を上まわり、売れ筋価格帯が350~450万円の高価格車では立派なものだ。そのために、販売店も「オデッセイは堅調に売られる唯一の高価格車だから、終了されては困る」と反対した。そもそも多額のコストを費やして規模の大きな改良を行い、売れ行きが上向いた半年後に国内販売を終了するのは、どう考えても判断を誤っている。

 3つ目の問題は、2022年にフルモデルチェンジを行ったステップワゴンに、スパーダプレミアムラインという最上級グレードを設定して、オデッセイからの乗り替えを狙ったことだ。スパーダプレミアムラインには、スエード調表皮のシート生地などが使われて装備も充実するが、開発者によると「オデッセイから乗り替えるお客様は、狙ったほど多くなかった」という。

 これも当然で、オデッセイは、トヨタのアルファードやヴェルファイアに相当するホンダの最上級ミニバンだ。ステップワゴンはノア&ヴォクシーと同様のミドルサイズだから、乗り替えればダウンサイジングになってしまう。日産もセレナにプロパイロット2.0などを搭載する最上級のe-POWERルキシオンを設定したが、設計の古くなったエルグランドからの乗り替えは少ない。オデッセイを終了して、そのユーザーをステップワゴンに引き継ぐ目論見も間違えていた。

 以上のようにオデッセイの終了と復活は、日本のユーザーと向き合わず、戦略も立てられず、商品を場当たり的に扱うために生じている。2022年におけるホンダの世界生産台数の内、日本国内の販売比率は15%だった。日本を軽視する根底には、海外市場への依存度が高まったことも影響している。

こんな記事も読まれています

レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
カー・アンド・ドライバー
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
くるまのニュース
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
くるまのニュース
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
Merkmal
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
AUTOSPORT web
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
AUTOSPORT web
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
ベストカーWeb
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

120件
  • 二兎を追うものは一兎も得ず。
    オデッセイとエリシオン統合が失敗。昔のオデッセイみたいにロー&ワイドなスポーツミニバンではないし、アルベルのような華やかさと見た目の威圧感も無い。
    HONDAファン以外には中途半端なミニバンにしか見えない。
    アルベルが新型に変わったから尚更、魅力無し。 
  • ホンダは昔からキープコンセプトって言葉がないからね。w
    前型がどれだけ人気でも平気で形を変えて大コケする車種が多すぎる。
    オデッセイも毎回大きさや排気量が変わり買い替えユーザーが離れて行った。
    Nボがコケたらホンダは終わる。
    ホンダの上層部ってアホなのか?って思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0516.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.9544.0万円

中古車を検索
オデッセイの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0516.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.9544.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村