■ウェルカムスペースから気分を盛り上げてくれるディスプレイ
1966年に開業し、日本のモータースポーツ発展に寄与してきたサーキット「富士スピードウェイ」内に、ラグジュアリーホテル「富士スピードウェイホテル」が開業しました。
“モータースポーツとホスピタリティの融合”というコンセプトの下、建物内には歴史的なレーシングカーがズラリと並んだ「富士モータースポーツミュージアム」を併設。
さらに、ホテル客室やカフェからはサーキットを一望できるほか、館内の絵画やオブジェもレースシーンをモチーフとするなど、モータースポーツの醍醐味を余すところなく味わえます。
【画像】これで行った気分になれる! ホテル&ミュージアムを網羅! 写真で世界観を体感する!
ホテルとミュージアム共通のエントランスでは、クルマのパーツとレース用語のレタリングがあしらわれたアート作品がお出迎え。
そしてドアをくぐった先には、レースへ実戦投入されることのなかった1970年代の幻のマシン「トヨタ7ターボ」がフロアに対して垂直にディスプレイされているのが目に飛び込んできます。
トヨタ7ターボ自体はレプリカだといいますが、エンジンとトランスミッションには当時のスペアだった本物のパーツを使用。
また、裏に回ればフロア面もチェックできるなど、ウェルカムスペースから気分を盛り上げてくれます。
ホテルやカフェで向かう場合は、正面のエスカレーターでそのまま3階へ。
ミュージアムへ向かう場合は、エントランスの左の受付へと向かいます。
建物の1階から3階に併設されるミュージアムのコンセプトは“モータースポーツがクルマを鍛え、進化させた熱い歴史をたどる”。
モータースポーツファンのすそ野を広げ、文化の醸成に寄与するとともに地域振興も目指すといいます。
そんな同ミュージアムは、モータースポーツシーンにフォーカスした世界でも珍しい施設です。
ホテルを利用しなくとも入館料を支払えば見学可能(現在は予約優先制)で、国内外の自動車メーカー10社の連携により、さまざまなモータースポーツで活躍したレーシングカーやラリーカーが40台ほど展示されています。
各マシンの展示は、愛知県長久手市にある「トヨタ博物館」が監修。
モータースポーツの黎明期、発展期、未来といった時代ごとや、ミッレ・ミリアやル・マン24時間耐久レース、ラリー、GTなどのレースカテゴリーなど、テーマに合わせてゾーン別にディスプレイされ、マシンの進化やレースの発展を体系的に把握できるようになっています。
ミュージアム入口を入ると、1899年製「パナールエ・ルバッソール」など、モータースポーツ黎明期に活躍したマシンが鎮座し、その右のエリアでは、第二次世界大戦前につくられたピュアレーシングカー「ブガッティT35B」や「メルセデス・ベンツW25」が並びます。
その先には、日本のレーシングカーの姿が鎮座。ホンダがF1で初優勝したマシン「RA272」、“レースを通じての技術の向上”を目指して1951年に製作された「トヨペットレーサー」、そして、1958年の第6回豪州ラリーで4位完走を果たした「ダットサン210さくら号」を見ることができます。
さらに1階の一番奥では、1960年代の日本グランプリで活躍した「日産R382」と「トヨタ7」、そして「日野コンテッサ900」が並んでいました。
ミュージアム内のエレベーターで2階へ上がると、ドイツのポルシェミュージアムから移送されてきたポルシェ「904カレラGTS」が! 同マシンは1964年のタルガ・フローリオでクラス優勝した実車だといいます。
ミッレ・ミリアに出場した「チシタリア202C」、三菱に世界ラリー初優勝をもたらした「ランサー1600GSR」、日本車で初めて、1993年のWRC(世界ラリー選手権)でメーカー、ドライバー両タイトルを獲得したトヨタの「セリカGT-FOUR」などを見ながら奥へ進んでいくと、ル・マン24時間耐久レースのコーナーが存在。
1991年のル・マンを制した「マツダ787B」、1999年に2位入賞を果たした「トヨタGT-One」が並んでディスプレイされています。
その先には、2002?2009年にF1へ参戦したトヨタのF1マシン「TF109」、富士スピードウェイを湧かせた全日本ツーリングカー選手権の「スープラ ターボA」(1990年)と全日本GT選手権の「ペンズオイルNISMOスカイラインGT-R」(1998年)、さらに、1966年の「トヨタ2000GT スピードトライアル」が並びます。
さらにその奥の最終エリアには、日本発祥のモータースポーツであるドリフト競技用の「GRスープラ」や、アメリカンモータースポーツの花形であるNASCAR、CARTのマシンをディスプレイ。
さらに今後は、未来のモータースポーツシーンを彩る水素エンジン搭載マシンなども展示予定と、ミュージアムは最初から最後まで目が離せません。
エントランス正面のエスカレーターやミュージアム内のエレベーターでアクセスできる3階は、宿泊者以外も利用可能なロビーラウンジとなっています。
ホテルのフロントやレストラン、バー、サーキットを間近に臨めるショップ&カフェが用意されています。
■最終コーナーを間近に臨む“サーキットビュー”ルーム
一方、“アンバウンドコレクション by Hyatt”としてハイアットが展開する「富士スピードウェイホテル」は、サーキットと富士山の両方を近くに感じられる、唯一無二のテーマやストーリーを感じられるホテルです。
スイートルームと専用ガレージつきヴィラを含む全120の客室は、“サーキットビュー”と“富士山ビュー”の2通りに大別されています。
前者の部屋からは「富士スピードウェイ」の最終コーナーを間近に臨むことができ、コースを走るマシンの迫力ある排気音などがダイレクトに耳へ飛び込んできます。
クルマ好き、モータースポーツファンにはたまらない空間といえるでしょう。
ちなみに、音が気になる人向けに、耳栓をアメニティとして用意。
それらアメニティの収納部は、世界的に知られるプラモデルの生産地である静岡県に誕生したホテルらしく、プラモデルのランナーをイメージしたデザインとなっています。
対する後者の部屋からは、霊峰富士の雄大な姿を臨むことができます。そのほかヴィラは、ホテル棟から離れた場所に5室を用意。
ホテルフロントの奥には、開放的なロビーラウンジ「TROFEO Lounge」と、オープンキッチンを備えたイタリアンレストラン「TROFEO Italian Cuisine」があり、双方の店内やテラス席からは富士山を臨むことができるほか、炉端レストラン「Robata OYAMA」も併設されます。
このほかホテル内には「BAR 4563」を用意。バーの壁面にはモデルカーをディスプレイするなど、同ホテルならではのインテリアとなっています。
さらに専用通路でアクセスするウエルネス棟には、宿泊者専用の温泉施設やスパトリートメント、レーシングシミュレーターを配置したアスレチックジム、屋内プールなどが用意されます。
富士山の絶景を臨むルーフトップテラスでは宿泊者向けのヨガレッスンを開催。
また、敷地内からわき出る「富士大御神温泉」は美肌効果のある硫酸塩泉が特徴で、サウナも併設されているため心身ともにリラックスできます。
※ ※ ※
「富士スピードウェイホテル」の総支配人・吉川源太氏は「当ホテルでこれまでにない経験を味わっていただき、また戻ってきたいと思っていただけるホテルを目指したい」と話します。
宿泊やミュージアムの観覧、カフェやラウンジでのリラックスタイムを通じてモータースポーツの魅力や醍醐味を経験・体験できる「富士スピードウェイホテル」。
「富士スピードウェイ」と並び、モータースポーツファンのすそ野を広げる注目のスポットとなりそうです。
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