運営元:旧車王
著者 :増田 真吾
メルセデス・ベンツ 190SLは廉価版と侮れない影の立役者だ!
SR20型エンジンは、日産製の直列4気筒エンジンでシルビアや180SXなどさまざまな車種に搭載されてきました。このエンジンは今でも多くのファンに愛され、熱い要望によって2022年9月には30機限定で新品エンジンの再販が決定したほどです。そこまで愛されるSR20型エンジンとは、どのようなエンジンなのでしょうか。今回はSR20型エンジンの歴史とその魅力を紹介します。
SR20型エンジンを記憶に残る名機押し上げたシルビア&180SXSR20型エンジンは、パルサー GTI-R(RNN14型)や初代エクストレイル(T30型)などの高出力モデル、さらにセレナやアベニール、ブルーバードなど、日産車に幅広く採用されてきました。まさに日産の主力エンジンといえるでしょう。
そのなかでもSR20型エンジンを一躍有名にした車種といえば、多くのスポーツカー好きに愛されるシルビア&180SXです。S13シルビアには通称S13と呼ばれる5代目の後期(PS13型)以降、180SXは中期以降(RPS13型)に、SR20型エンジンが搭載されています。
そこで、まずはシルビア&180SXの歴史を振り返るとともにSR20型エンジンについて紹介します。
デートカーとして開発されるもスポーツカーとしてヒットしたS13型シルビアS13型シルビアが発売された1988年といえば、デートカー全盛の時代です。中でも一際高い人気を博したプレリュードの牙城を崩すべく、S13型シルビアもデートカーとして開発が進められました。
FF車のプレリュードに対し、日産はフロントエンジン後輪駆動のFRを採用。S13型シルビアがデビューした頃は、トヨタのカローラレビン/スプリンタートレノ(AE86)が生産中止となり、コンパクトでスポーティなFR車が存在しない時期でした。その結果、当初はデートカーとしての開発されたS13型シルビアでしたが、日産の思惑とは裏腹にコンパクトFRスポーツカーとしての人気を伸ばします。
CA18型エンジンからSR20型エンジンへ発売当初、S13型シルビアにはCA18型という1,800ccのエンジンが採用されていました。しかし、1991年のマイナーチェンジで2,000ccのSR20型へ変更されます。
ターボ仕様のCA18型エンジンは最高出力175psを発生し、当時としては十分なパワーをもっていましたが、設計自体が古く鋳鉄製で重量があるという点が問題視されていました。そこで、CA18型エンジンに代わって採用されたのがSR20型エンジンです。アルミブロック製で軽量コンパクト、出力もターボ仕様で205psと大幅なパワーアップを果たしました。
S14型・S15型シルビアのSR20型エンジンS14型シルビアのターボモデルで最高出力は220ps、さらに1999年に発売されたS15型シルビアではSR20型エンジンの最高点とも言える250psに到達しました。
S14型シルビアに比べてコンパクトなS15型シルビアは、走り好きなドライバーには評価されましたが、当時のミニバンブームに押されて販売台数が伸び悩みました。流通台数の少ないS15型シルビアに搭載されたSR20型エンジンは、現在は大変希少なエンジンといわれています。
SR20型エンジンの特徴とウィークポイント発売当初から走りにこだわるドライバーに支持されたSR20型エンジンですが、発売終了から20年経った今でもその人気は衰えていません。
快適な街乗りを叶えるだけではなく、峠やサーキットでの爽快なドリフト走行でも活躍するSR20型エンジン。ここからはさらに詳しく魅力を紹介するとともに、弱点についても解説します。
チューニングベースとして優秀なSR20型エンジンシルビアと180SXのヒットにより、SR20型エンジンのチューニングパーツが多く出回りました。こうした背景があり、チューニングベースのエンジンとして確かな地位を手に入れます。
ターボであるSR20DET型は、マフラーやエアクリーナーを交換するだけで比較的簡単にパワーアップでき、さまざまなチューニングメニューがラインナップされています。エンジン内部にまで手を入れれば、500㎰以上を狙うことも不可能ではありません。
ライトにチューニングを楽しみたいドライバーから、とことんパワーにこだわるドライバーまで幅広い層が楽しめるという点もSR20型エンジンの魅力の一つです。
また、S13型からS15型まで仕様は違うものの、FRレイアウトでターボモデルというパッケージ自体は変わりません。カスタムパーツの開発が長い期間続けられたことも、チューニングベースとして人気を集める理由です。
SR20型エンジンのウィークポイント軽量コンパクトを狙ったアルミ製エンジンブロックなので、鋳鉄製のブロックに比べると強度や耐久性が劣ります。流通量の多いSR20型エンジンですが、中には手荒に使用されてきた個体も多く、中古のエンジンを使用する場合は注意しましょう。
また、ロッカーアームを介してカムを駆動しているため、直打式に比べ高回転に不向きです。さらに、「ロッカーアーム飛び」という高回転高負荷時にロッカーアームが外れる(破損する)SR20型エンジンならではの不具合も発生しやすくなっています。特にドリフトなど過酷な条件で使用されたエンジンは、アイドリングの安定性や異音など、注意深く確認する必要があるでしょう。
SR20エンジンが30機限定で再販決定!八王子のチューニング&中古車販売を行うマーキュリーが、2022年9月にSR20型エンジンを再販しました。これはマーキュリーの代表が2年に渡り日産と交渉を続け、再販を依頼したこと。そして、再販を希望する多くのファンの声が届いたこともあり、台数限定で再生産されることになりました。
再販が決まったのはSR20DET型です。S15型シルビア用のターボエンジンで30機限定で販売されます。価格はで133万円(税抜)です。販売元はマーキュリー富士森店で、2022年9月26日10時~から予約を開始し11月から納品開始予定となっています。しかし、販売される台数も少なく、かなりの人気が予想されるため、気になる方はすぐに問い合わせてみましょう。
まとめSR20型エンジンはさまざまなカスタマイズやチューニングが可能で、自分好みに仕上げる楽しみがあります。そんなSR20型エンジンを搭載しているからこそ、シルビアと180SXが人気車になったといっても過言ではないでしょう。人気は未だに衰えず、ファンの熱い要望にメーカーが動かされ再販にも繋がりました。
省燃費性能をはじめとして、今は環境性能が求められる時代です。今後、純粋な内燃機関のスポーツエンジンが登場する可能性は低いといえます。純粋なスポーツエンジンを楽しみたいならSR20型エンジンを搭載した中古車を探しましょう。昨今シルビアや180SXの中古車価格は高騰し続けているため、今が購入のラストチャンスかもしれません。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
出力を上げやすかったのはその後の日産及びチューナーの工夫あってこそですね。
現代ではいろいろ計算づくで設計するからこのようなエンジンは出にくく、まさに90年台を象徴するエンジンだと思います。
ハチロクと4AGの組み合わせと一緒です。
ネガティブ要素は軽くしか触れられてないようですが、SR20はシルビアに載ってたから、パーツメーカーが懸命に開発し、チューナー達が死ぬほど考え、頑張って組み上げて、セッティングして初めて名機になる。そんなエンジンです。ベースエンジンとしても、ノーマルのSR20が名機なんてはありえません。本当に500psを狙うんであれば、かなりの出費を覚悟しなければなりません。
ハチロクと4AGのように、車自体が魅力的で人気があるから、エンジンが名機と勘違いされるのかもしれません。