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日産の「斬新2ドアワゴン」がスゴい! 「ワゴン→クーペ」の“トランスフォーム”も可能!? 画期的だけど「認可」されなかった“超・迷モデル”「EXA」とは

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日産の「斬新2ドアワゴン」がスゴい! 「ワゴン→クーペ」の“トランスフォーム”も可能!? 画期的だけど「認可」されなかった“超・迷モデル”「EXA」とは

■脱着式ルーフで「着せ替え」が可能!?

その日の気持ちなどによって、クルマで“着せ替え”ができたらいいなあ、と思う人もいるかもしれませんが、実はこれまでもいくつか着せ替え可能なクルマが出現しています。

過去には何例かコンセプトカーが発表されているほか、2014年に登場した2代目のダイハツコペン」では、外装一式を交換可能として2種類の外観を生み出せる「ドレスフォーメーション」を採用しています。

でも日本にはかつて、“着せ替え”ができる「設計」の市販車があったのです。

【画像】超カッコイイ! これが日産の「斬新ワゴン」です!(39枚)

それこそが、日産が1986年に発売した2代目「エクサ(EXA)」です。初代エクサは、1982年登場の2代目「パルサー」に設定された2ドアクーペで、リトラクタブルヘッドライトと切り立ったCピラーを特徴としていました。

これに替わって誕生した2代目エクサは、2+2のスペシャリティクーペという性格を引き継ぎつつも、パルサーの名を外した独立車名に発展。

しかし実質的にはパルサー(3代目)の兄弟車のままであり、アメリカでは「パルサーNX」という車名が与えられました。

日本仕様のエンジンは、パルサーにも搭載された最高出力120psをマークする1.6リッター直列4気筒DOHC「CA16DE型」のみでしたが、北米などの海外市場では1.6リッターのSOHC版や、1.8リッター版も設定。駆動方式は初代同様にFFを採用していました。

カクカクしていて少々ぎこちない印象だった初代に対して、2代目では全体的にデザインをブラッシュアップ。

フラッシュサーフェス化が図られた「エアロフォーム」と称したデザインは余計な要素が少なく、丸みを帯びたカドの処理、なめらかなフェンダー、スタイリッシュなフォルムを特徴としています。

内装にはエクサ専用に、メーターパネル周辺にサテライトスイッチを備えたダッシュボードを用意して、パルサーとの違いを強調していました。

どことなく日本車らしくない雰囲気を漂わせる2代目エクサをデザインしたのは、1979年にカリフォルニアに設立された日産のデザインスタジオ「NDI(Nissan Design International、現(現:NDA/Nissan Design America)」です。

ちなみに同スタジオでは、初代「テラノ」、「NXクーペ」、3代目「レパード(レパード Jフェリー)」なども手がけています。初代テラノと2代目エクサのサイドウィンドウに、共通のデザインテーマが感じられるのもそのためです。

2代目エクサの特徴は、まさに“着せ替え”が可能だったことです。

標準形態は、ハッチバック車ながらもノッチバックスタイルの「クーペ」でしたが、ハッチドアを脱着可能としただけでなく、箱型形状の部位に交換することで、「キャノピー」と称したシューティングブレーク風の2ドアステーションワゴンに変身できました。

特にキャノピーは、リトラクタブルヘッドライトを持つ低いノーズと垂直気味に切り落とされたリアの対比が鮮やかです。洗練されたグラフィカルなデザインも含め、現代の視点から見ても斬新に映ります。

2代目エクサでは「Tバールーフ」が全車標準装備でしたが、これを外すだけでなく、さらに脱着機能を生かしてハッチドアを取り去ってしまえば、オープンカー顔負けのオープン・エア・クルージングを楽しめました。

なお、ハッチドアを脱着した状態で雨が降っても対応できる後部用の「幌」もちゃんと用意されていました。

このように日産の開発陣が「誰もやらなかったクルマを作りたかった」と意気込んで開発した2代目エクサですが、日本では肝心の“着せ替え”に運輸省(現:国土交通省)が難色を示し、認可が下りないという悲劇が襲ったのです。

そのため、クーペとキャノピーを別車種として販売することが決定。また、もしクーペを買ってからキャノピー部を別に入手しても、互換性がない(交換ができない)構造にされていたといいます。

といっても、実際には日本の住環境・駐車場環境では、外したハッチドアの保管場所確保が難しい場合が多く、2代目エクサの斬新な着せ替えコンセプトを生かしきれない事情がありました。

また、リトラクタブルヘッドライトを採用したスタイリッシュなクーペでも、高性能なスポーツカーではなくスペシャリティカーであることも影響し、日本での販売は低空飛行が続きます。

直接的な後継車種は1990年デビューのNXクーペで、Tバールーフは受け継がれたものの、着せ替えボディはさすがに未採用となりました。

※ ※ ※

斬新すぎるコンセプトのクルマは、後年に再評価を受けるケースは数多くあります。

残念ながら迷モデルとなってしまった2代目エクサも、残存数が少ないという希少性も加わって話題となることが多く、中古車市場では300万円以上の値がつくことも。

二度と生まれ得ないクルマだけに、今後もますます注目が集まるのではないでしょうか。

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みんなのコメント

6件
  • NAS********
    日本の頭の硬い小役人相手では前例以外認められないだろうね
    国交相も宗教団体の呪縛から絶対に逃れられない状態だし
  • zab********
    アイデアやコンセプトは「画期的」「斬新」だったけど…
    果たして、取り外したリアシェルを「何処に置いて置く?」って事になり、日本では厳しかったね
    あと…運輸省の認可が…車検証に「クーペ」なのか「ワゴン」なのかって記載も難しい(役人は面倒な仕事はしない)かったと思うし、「1台2役」っては言うけど、リアシェルの置き場所、あと…取り外し、取り付けも重くて面倒くさそうなので、交換可能だったアメリカでも、結局買った状態のまんまで廃車まで乗る人がほとんどだったとか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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