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日産SUVが下克上で「キックス」に軍配! かつてのSUV王者「エクストレイル」への影響は?

掲載 更新 33
日産SUVが下克上で「キックス」に軍配! かつてのSUV王者「エクストレイル」への影響は?

■わずか2車種のみ!? 日産のSUV事情とは

 SUVがブームとなっている昨今、どのメーカーもSUVに力をいれており、さまざまなモデルが登場しています。

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 国産メーカーではトヨタが豊富なSUVラインナップを展開。現在の7車種に加えて、2021年には新たなSUVとしてタイで販売されている「カローラクロス」の国内導入も予定しているといいます。

 また、そもそものモデル数が少ないマツダやスバル、三菱でもSUVがかなりの割合を占めるなど、SUVを中心としたモデル展開をおこなっているメーカーも存在します。

 一方、かつてSUVを多く販売していた日産は、現在はミドルサイズの「エクストレイル」とコンパクトサイズの「キックス」の2車種のみとなっています。

 さらにここにきて、かつてSUVナンバー1として人気を博したエクストレイルよりも、あとから追加されたキックスの勢いが増しているようです。日産のSUV事情はどうなっているのでしょうか。

 日本自動車販売協会連合が発表する月別登録台数ランキング(50位まで)によると、キックスは2020年6月が1836台(27位)、7月がランク外、8月が1178台(38位)とそこまで多く売れている感じではありません。

 しかし、9月が3493台(19位)、10月が3542台(17位)、11月が4292台(15位)、12月が3529台(20位)、2021年1月はこれまで最高の4667台(15位)と、発売当初の2倍を上回る勢いで販売を伸ばしていることがわかります。

 一方のエクストレイルは、6月が1384台(35位)、7月が1812台(30位)とキックスよりも多く販売していましたが、8月は1056台(39位)でキックスがわずかに逆転。

 それ以降のエクストレイルは、もっとも販売台数が多かった11月に1869台(28位)を記録しましたが、いずれの月も2000台に届くことはなく、キックスに差をつけられた形になっています。

 2000年に初代モデルが登場したエクストレイルですが、現行モデルは2013年にフルモデルチェンジした3代目です。

 タフギアなイメージだった初代・2代目とは異なり、現行モデルはスタイリッシュなSUVに刷新されましたが、防水シートや防止仕様のラゲッジルームなど、アウトドアなどにも対応できるワイルドな一面も持ち合わせています。

 さらに、安全・運転支援面については「プロパイロット」や、車体の振動を低減する「インテリジェント・ライドコントロール」、上空から自車を見ているような映像をナビ画面などに映し出す「インテリジェント・アラウンドビューモニター」など機能を搭載。

 パワートレインは、2リッターガソリンと同ハイブリッドを用意するほか、2列シート5人に加えて3列シート7人乗りも設定されており、幅広いニーズに応える仕様が設定されています。

 日産の販売店スタッフは、エクストレイルについて次のようにコメントしています。

「2019年にトヨタ『RAV4』が出てきたことでユーザーがそちらに流れている印象があります。

 また、エクストレイルの兄弟車である『ローグ』の新型モデルがアメリカで発表され、新型エクストレイルの登場を待つというお客さまも増えていて、以前よりは販売に勢いがない状況です」

※ ※ ※

 エクストレイルのアメリカでの兄弟車となるローグは、2020年10月にフルモデルチェンジして新型モデルが発売されました。

 大胆で力強いエクステリアは力強さと上質さを兼ね備え、フローティングルーフや進化したVモーショングリルなど、日産を代表するデザイン要素を採用しています。

 インテリアでは家族が快適に過ごせる洗練されたデザインを実現。12.3インチのデジタルダッシュボードゲージクラスター、9.0インチの大型フローティングタッチスクリーンディスプレイなどを備えて、質感の高い内装としました。

 また、進化した「プロパイロット」が搭載されており、ナビゲーションの地図情報を活用して高速道路のカーブや分岐などで適切な車速に調整する新機能を備え、渋滞や長距離移動する際など、高速道路におけるドライブのストレスを軽減。

 さらに、日産の最新技術を数多く搭載するとともに、北米ではパワフルな2.5リッター4気筒エンジンや新開発のビークルモーションコントロール(車両制御技術)を採用しました。

 日本で発売される新型エクストレイルには「e-POWER」が搭載されるという噂がありますが、パワートレインなどの詳細はもとより、発売時期についても明らかになっていません。

 新型エクストレイルの購入を検討している人にとっては、早く次期モデルの詳細を知りたいという状況ではないでしょうか。

■コンパクトで燃費の良いキックスが売れ筋になる訳

 対するキックスは、アジアや南米など海外で展開されていましたが、2020年6月に日本に導入。

 日本市場向けには10年ぶりのブランニューモデルとなり、それまでの「ジューク」に代わるコンパクトSUVとして発売されました。

 外観は大きなVモーショングリルを装着したダイナミックなデザインで、コンパクトSUVながら迫力のあるスタイルを実現しています。

 タイで生産されるキックスですが、日本だけの仕様として、「プロパイロット」や「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」が標準装備されました。

 日産の販売店スタッフは「エクストレイルよりもキックスのほうが小さく、都市部では取り回しのしやすいサイズが好まれていることから、キックスのほうが売れ筋になっている」と説明。

 さらに、エクストレイルはハイブリッド車があるものの、燃費や静粛性ではe-POWER並とはいえず、燃費を重視する人にはおすすめしづらいという話もあり、エクストレイルのボディサイズや登場から8年目という設計の古さにより、ユーザーがキックスに流れているようです。

 キックスのパワートレインは1.2リッターハイブリッド(e-POWER)、駆動方式は2WDのみで4WDは設定されていません。

 とくにここへきて勢力を拡大しているコンパクトSUVはスタイルを重視したモデルが多く、街乗りだけであれば4WDの必要はなく、2WDのみというものも増えています。

「SUV=オフロード性能」という構図が崩れつつあるなか、エクストレイルに代わって、都会派のキックスが日産の新たな売れ筋SUVとなっているようです。

※ ※ ※

 日産は海外では多様なSUVをラインナップしています。北米では、前述のローグに加えて、かつて日本でも販売されていた「ムラーノ」や、ミドルサイズで3列の「パスファインダー」、全長5mという大型の「アルマダ」をラインナップ。

 アジアではフレームSUVの「テラ」や中東では「サファリ」の後継となる「パトロール」、インドやアフリカ諸国などでは1リッターターボエンジンを搭載した小型の「マグナイト」も登場しました。

 また、かつて日本で販売されていたジュークは2代目へとフルモデルチェンジし、欧州を中心に販売されています。

 数々な魅力的なSUVがあるものの、日本では2車種のみという状況ですが、2021年にはクロスオーバーEVとして新型「アリア」が投入されることになりそうです。

 国内だけでなくグローバルで人気のSUVというカテゴリにおいて、日産がどのような戦略をとるのか注目されます。

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みんなのコメント

33件
  • これが日産だよな。ブランディングがめちゃめちゃ。
    フラッグシップのフーガなんてスカイラインの装備からしたら十年遅れてるし。エルグラもセレナからしたら商業者並みのしょぼい性能だし… 
    さらにはキックスに四駆が無くてノートに四駆があるってなんやねん
  • エクストレイルがもう古いからだよ。単純に。
    わざわざ話題にする事じゃねぇ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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