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軽自動車とコンパクトカー、ひとりで使ってメリットがあるのはどっち?

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軽自動車とコンパクトカー、ひとりで使ってメリットがあるのはどっち?

 小さくて取り回し性がよく、維持費が安いクルマといえば、「コンパクトカー」と「軽自動車」が挙げられます。かつてはコンパクトカーよりも軽自動車の方が安価な場合が多かったのですが、最近では、軽自動車でも高額なクルマが増え、車両価格だけで比較するとコンパクトカーのほうが安いこともあります。

 ひとり暮らしの人が小さいクルマを購入・維持するときに、使い勝手やお得さは、どちらの方が優れているのでしょうか。

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軽自動車とコンパクトカーを徹底比較 軽自動車とコンパクトカーの使い勝手を比較したとき、軽自動車の最大のメリットは「取り回し性」の良さです。小さなボディを活かした運転のしやすさが特徴となっています。

 とくに全幅1.48m以下という寸法は、日本の住宅地に多い幅4mの公道でのすれ違いでも楽々です。コンパクトカーの場合、全幅は5ナンバーの規格値である1.7m前後となっていることが多いです。

 購入時にかかる諸経費でも軽自動車にメリットが存在し、軽自動車とコンパクトカーのなかのエントリーモデルに位置づけられる1リッターの車種を比較すると、数万円単位で差が発生することがわかります。

 2019年9月末までの軽自動車と1リッタークラスのコンパクトカーの購入時費用を比較すると、自動車取得税に関しては軽自動車が取引価額の2%である一方、コンパクトカーは3%となります。

 自動車取得税は2019年10月に廃止され、新たに「環境性能割」という税金が導入される予定ですが、この制度でも軽自動車の方が税率が低めとなっています。

 また、自動車税(1年)は軽自動車の1万800円(軽自動車税)に対し、コンパクトカーは2万9500円(2019年10月以降は2万5000円に改訂)、自動車重量税(3年)は軽自動車の9900円に対しコンパクトカーは3万6900円(車重1.5トン以下)、自賠責保険(37か月)は軽自動車の3万5610円に対しコンパクトカーは3万6780円です。

 比較した内容では、エコカー減税を考慮していないので、実際の費用は多少異なります。とはいえ、取得税以外の経費は車検を受けるたびに必要ですので、違いは明白といえるでしょう。

 クルマは所有するときにもさまざまな費用が必要ですが、ここでも自動車税(軽自動車の場合は『軽自動車税』)や自動車重量税などが異なるので、軽自動車とコンパクトカーでは差が出ます。

 そのほかにクルマの維持費として必要な費用は、車検費用、任意保険料、ガソリン代、有料道路料金、メンテナンス料などが必要となりますが、いずれも軽自動車は安い傾向にあります。

 購入時費用および所有維持費のふたつの面において、軽自動車にメリットがあるのは間違いありません。

 次に、クルマの車両価格(消費税8%込、以下同様)や性能面で軽自動車とコンパクトカーを比較します。

 コンパクトカーの一例を挙げると、トヨタ「パッソ」のベースグレード「X」が117万7200円。排気量は1リッターで最高出力は69馬力です。JC08モード燃費は28.0km/Lとなっています。

 一方、軽自動車で最高のカタログ燃費を誇るベーシックカーの代表、スズキ「アルト」の中間グレード「S」は106万1640円で、最高出力は52馬力、JC08モード燃費37.0km/Lです。

 両車を「ひとりで片道20km程度の通勤などに使う」、という用途に当てはめると、車両価格と維持費が安く燃費も良いアルトに軍配が上がります。

 しかし、通勤路に高速道路やちょっとした山道がある場合には、軽自動車は微妙な選択です。Sグレードに搭載されている自然吸気エンジン仕様のアルトの場合、高速道路の合流や追い越し加速、峠道などでアクセルを床まで深く踏み込むシーンが多くなり、燃費が一気に落ち込みます。

 こういったシーンを避けるために、軽自動車の多くはターボモデルをラインナップすることが多いのですが、アルトのターボモデルは「アルトワークス」という特別なスポーツモデルとなり、車両価格も150万9840円からと、非常に高価になってしまいます。

 軽自動車の自然吸気エンジンでは余力のなさを感じるシーンでも、コンパクトカーのエンジンであればある程度のトルクを発揮することから、あまり問題になりません。

 軽自動車とコンパクトカーはどちらが得か、という質問については、軽自動車の価格が上がってきたとはいえ、純粋に購入費用や維持費の安さを追求するのであれば相変わらず軽自動車の方が得だといえます。

 しかし、走りの面でストレスを感じたくないというのであれば、コンパクトカーを選択するのが無難といえるでしょう。

海外にない「軽自動車」ここまで支持を拡大した経緯とは そもそも、税制面で優遇されている軽自動車という規格は、世界的に見ても珍しい存在です。なぜこういった日本独自規格が生まれたのでしょうか。

軽自動車の売れ筋モデルであるホンダ「N-BOX」 軽自動車規格は、その発足当時と現在では制限される内容がずいぶんと異なります。

 日本で初めて軽自動車の規格ができたのは1949年7月のことでした。当時の規定内容は、エンジンの排気量がわずか150cc(4サイクルエンジン)に制限されるなど、実現不可能な規格だったといえます。

 その後、規則改変を経て1951年に実質的な軽自動車の規格ができました。ボディサイズは全長3m×全幅1.3m×全高2m以下、エンジン排気量は360cc以下(4サイクルエンジン)/240cc以下(2サイクルエンジン)という内容でした(2輪の制限内容は別に存在)。

 しかし、この段階でも量産車の登場は実現しません。

 状況が変わったのは1954年のことです。4サイクルエンジン/2サイクルエンジンの区別が撤廃され、ボディ寸法はそのままにエンジンの仕様を問わず排気量を360cc以下に設定。同時に当時の通産省が掲げた「国民車構想」が後押ししました。

 この規定に基づいて生まれたのが、1958年にデビューした「スバル360」です。その後、マツダ「R360クーペ」、スズキ「フロンテTLA」、三菱「ミニカ」などが発売され、第一次軽自動車ブームを迎えました。

 真打ちは1966年にリリースされたホンダ「N360」です。2輪用の高出力な空冷2気筒エンジンで前輪を駆動するFF車として、若者たちに受けいれられ大ヒット作となりました。

 日本独特の軽自動車というカテゴリーが、マーケットに支持されることとなったのです。

 その軽自動車が大きく変貌したのは1976年。高速性能強化への対応、排ガス規制、安全性の要求から、排気量が550cc以下、ボディサイズが全長3.2m×全幅1.4m×全高2m以下に拡大されます。

 結果、1973年のオイルショックで低迷していた軽自動車販売に再度火が付きました。

 その後、税制改定や安全性などの要求から、2度の改変を経て現在の規格になったのです。

 現在の規格は、1998年10月以降に発表された軽自動車に適用された規格で、ボディサイズは全長3.4m×全幅×1.48m×全高2m以下、排気量は660cc以下、乗車定員は4名以下となっています。

 近年の軽自動車は、コンパクトカーに迫る室内空間を持つことが特徴で、とくに頭上空間の広さが特徴的な車種が多いです。

 室内の広さに定評のある軽自動車として、近年ではホンダ「N-BOX」がとくに人気です。N-BOXについて、ホンダは「お客様の声として、先代から室内の広さを好評頂いています」と話します。

 ※ ※ ※

 一見、似ているクルマのように見える軽自動車とコンパクトカーですが、維持費や走りの面では違いがあります。

 各ユーザーの使い方や重視する要素にあわせて、クルマ選びをすることが重要です。

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