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ポルシェ・マカン・エレクトリック 詳細データテスト クラス最速レベル ブレーキとシャシーに疑問符

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ポルシェ・マカン・エレクトリック 詳細データテスト クラス最速レベル ブレーキとシャシーに疑問符

はじめに

ポルシェはその歴史を通して、フォルクスワーゲンやアウディのプラットフォームやコンポーネンツをもとに、誰にも真似のできない魔法をかけるようなクルマづくりをして見せてきた。元祖ポルシェの356は、ルーツをたどればビートルだし、968クラブスポーツは、フォルクスワーゲンとアウディのために開発した924の発展形で、エンジンはアウディ由来だ。

【画像】写真で見るポルシェ・マカン・エレクトリックとライバル 全7枚

初代マカンは、ツッフェンハウゼンにおける商業的な成功作のひとつに数えられる。アウディQ5がベースと言えるクルマでありながら、Q5では到底望めないようなレベルのドライバーズカーに仕上げられていた。BEV専用となった新型マカンは、アウディと共同開発したプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)に不可欠なクルマだ。

初代との生産期間が重なるのは短期間に過ぎず、急いで引き継ぎを済ませなくてはならない2代目は、厄介な役目を背負い込んだといえる。ICEの初代ほどの成功を維持することは、どう考えても大きな困難だ。

おそらく、それはセールスに表れるだろう。われわれが探るべきは、これが本当にポルシェだと言えるクルマなのか、兄弟関係と言えるアウディQ6 E-トロンとは差別化できているのか、という点だ。テスト車は、最上級グレードのマカン・ターボだ。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

フォルクスワーゲンのゴルフとID3のように、ポルシェもICEとBEVを並立させて保険をかけることができたはずだ。ところがマカンは、来年にもガソリン車の生産が終わると、BEVのみになってしまうのだ。

今のところは初代のガソリン車を生産しているが、もはや欧州では新規注文できない。ただし、タイカンの売れ行き低迷を目の当たりにして、ポルシェは再考するのではないか、という憶測も聞かれる。

不確実な情報はともかく、大胆な方針をとったポルシェは、大胆な新プラットフォームを用意した。新世代EVの土台とするべくアウディと共同開発したPPEは、ユーザーが望む長い航続距離を提供するべく、かなり大容量のバッテリーパックと、最大270kWもの急速充電に対応する800Vシステムを盛り込んだ。

まだ多くの充電器が400Vなので、PPEはバンクチャージングで対応する。100kWhのバッテリーを50kWhずつに二分し、135kWずつで充電するのだ。

そのほかにも、ポルシェのインテグレーテッドパワーボックスを採用。車載ACチャージャーと高電圧ヒーター、12VのDC-DCコンバーターを19kgのパッケージにまとめ上げ、リアシートとその下のバッテリーとの間に詰め込むことで、フロントにラゲッジスペースを設けた。

ポルシェによれば、リペア性も重視したという。BEVの関心が高まっている問題点だ。バッテリーは12モジュールで構成し、必要とあればそれらとほかの重要なコンポーネンツを個別に交換できる構造としている。

デザイン要素は空冷911から拝借してきたいかにもポルシェらしいものだが、短いボンネットとフロントの限られたエアインテークは、BEVに適している。ヘッドライトからフロンドウインドウに至るトンネルのような盛り上がりも健在で、運転席からボンネットのエッジが確認できる。そのため、Q6 E-トロンと同じような寸法でも、車両感覚はこちらのほうがつかみやすい。

内装 ★★★★★★★★☆☆

プラットフォームを共用すると、違うクルマでもインテリアの見た目やフィールがガッカリするほど似通ってしまう。フォルクスワーゲンのMEBファミリーやステランティスの各モデルを見ればわかるだろう。そこで、ポルシェとアウディは明らかに、そこを避けようとしている。

鵜の目鷹の目で観察すれば、コラムレバーをはじめ、ペダルとその配置、ドライビングポジションなどに共通性を見出すだろうが、せいぜいその程度だ。

ディスプレイの総面積はQ6と同じくらいあるが、ドライバーの前とセンターへのディスプレイ配置はまったく同じではない。センターのインフォテインメントディスプレイはダッシュボードの上ではなくパネル面に埋め込まれている。その下には、実体スイッチを設置したパネルがある。温度と風量を調整するローレット加工のロッカースイッチはフィールがよい。しかし、シートヒーターなどのボタンを押すと、グロスブラックのパネル全体が動き、指紋も付く。

全体的な質感は、いいところと悪いところがごちゃ混ぜだ。オプションも含めてレザーで覆われた部分とウインドウスイッチ、シフトセレクターやステアリングホイール周辺はまずまずハイクオリティ。

ところが、センターコンソールのプラスティックパーツには、とても10万ポンド(約1920万円)級の価格に見合うとは思えないものもちらほら。そして、助手席前の広範囲を占めるグロスブラックのプラスティックは味気ない。オプションのディスプレイが入る場所だとしても、これではあんまりだ。

ポルシェの常で、パーソナライズメニューはふんだんに用意されている。より明るい色合いやウッドトリム、つまらないプラスティックを覆い隠すレザーの追加、異なるタイプのシートやステアリングホイールなど、予算が許すなら選び放題だ。

もうひとつポルシェらしいのが、エルゴノミクスと使い勝手を入念に仕上げていること。当然ながらもっとボタンはあるほうがいいのだが、マカンはうまくバランスをとっている。文句なく機能してくれる最新のデジタルデバイスと、ADASの切り替えなど頻繁に使う機能に割り当てた実体コントロールを兼ね備えている。ドライビングポジションもすばらしい。ステリングコラムと座面高の調整幅も広い。

室内のスペースは、Q6にやや劣る。レッグルームはジェネシスGV60並みで、ポールスター3にはやや届かない。とはいえ、後席乗員からも不満は出ないだろう。着座姿勢も快適だ。ここでもオプションは豊富だが、この価格のクルマでゾーン分割エアコンやシートヒーターも追い金が必要なのはいかがなものか。

荷室のスペースはクラス平均といったところだが、形状はスクエアで、フックやレバーも揃っている。フロントには充電ケーブルと小さなバッグくらいは収まるフランクがあり、キーのボタンで開くことができる。

マルチメディア ★★★★★★★★★☆

マカンのインフォテインメントシステムは、アウディと共有。ルノーやボルボでも使われるAndroid Automotiveがベースだ。ただし、パッと見ではわからないだろう。フレキシブルなアーキテクチャーで、ちょっとした違いを除けば、マカンのインターフェースはタイカンのポルシェ専用システムのようだ。

素早く機能し、ショートカットバーは常駐で、Apple CarPlayやAndroid Autoとナビの連携も上々。スマートフォンアプリはフルに揃っていて、直観的に使える。テスト車は中級スペックのボーズ製ハイファイシステムを装備していたが、音の分割は並外れてクリアで、みごとなオーディオだ。

Googleベースのナビはわかりやすく、交通情報も充実。ルートのカスタマイズもできる。急速充電器を経由するルート設定も可能だが、それをオンにすると、充電のために止まることを明確に示してくれないし、EV慣れしていれば避けるような信頼性の低い充電スポットを選ぶこともある。

走り ★★★★★★★★☆☆

ポルシェは昔から、少ない力で奥のことを得てきたが、それはBEVのマカン・ターボにもいえることだ。通常時で581ps、ローンチコントロールを使えば639psに達するが、ヒョンデアイオニック5Nはオーバーブースト使用時で650ps、メルセデスAMG EQE53SUVなら通常でも626psを発生する。

それでも、英国で最速の電動SUVを手に入れたいなら、そして左ハンドルのみのテスラモデルXプレイドを避けるなら、選ぶべきはポルシェとなる。

寒い中でのテストだったが、ゼロスタートは3秒ジャストで97km/hに達した。これは、アイオニック5Nより0.5秒速い。それはアウトバーンの速度域でも衰えることなく、260km/hでリミッターに当たるまでリードを保つ。おかしいのは、数字が示すほどとてつもない速さに感じられないことだが、それは加速の勢いが足りないのではなく、文句ないコントロールのおかげだ。

バッテリー残量が10%を切ると、パフォーマンスが大幅に低下するのも驚きだ。残り6%でのフル加速では、0-97km/hが3秒も遅くなる。そこで4%になり、すると亀のマークが表示され、さらにコンマ2秒落ちる。130km/hに達するにも苦戦するほどだ。

ポルシェは、回生ブレーキについても揺るがぬ信念がある。ワンペダル運転には信用を置いていない。それに同意するなら、マカンのドライビングはじつに直観的だとわかるはずだ。

というのも、基本的にスロットルペダルから足を離すとフリーに転がり、高回生モードでもかなりマイルド。しかしながら、ブレーキのペダルフィールにはガッカリする。タイカンよりはマシだが、安心感のある硬さはなく、よくできたEVほど予測が効かない。もちろん、ワンペダル運転をしたいドライバーは蚊帳の外だ。

操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆

今回ほど、タイヤの重要性が明らかになったテストはめったにない。コンディションは、理想的とはいえなかった。気温は5℃以下の凍えるような気候で、冷えた路面には湿ったところもあった。しかし、英国ポルシェが用意したマカンには、サマータイヤのピレリPゼロPZ4が履かされていた。しかし、それでもクルマの挙動が予想どおりなら、グリップ不足は評価に入れない。

路面が完全ドライでなければ、乗り心地もハンドリングも、せいぜいこれまでのポルシェの標準程度。低いグリップの悪影響を増幅するのが、オプションの過敏な後輪操舵システムと、トルク配分が予期しづらい四輪駆動。そのせいで、自信を持って運転できないのだ。

ステアリングフィールはポルシェらしく、破綻のないスムースなものだが、普段のポルシェにあるようなフィードバックはない。いっぽうで後輪操舵は、中速域でカウンターステアが大きすぎる傾向で、結果としてレスポンスがややナーバスになる。ステアリングのフィードバックの欠如と合わさると、前輪のキャパシティをすぐに超えて、アンダーステアに陥ってしまう。

有り余るパワーも、問題の解決にはつながらない。前後とも、容易にトラクションを失ってしまう。PSMことポルシェスタビリティマネージメントのおかげで、手に負えなくなることはない。しかし、自信を持って狙ったところを通すことができない。だいたいこの辺、といった走り方も難しい。

PSMを切ってウェットハンドリングコースを走ると、マカンは完全に予測不能になる。グリップしたり、オーバーステアが出たりするが、そうなる前にはっきり教えてくれることはない。ドライコースでなら状況が改善され、ハンドリングは予測できるようになり、ヘアピンでドリフトすることも可能になる。

しかしながら、アウディQ6 E-トロン・クワトロの標準モデルにもあるスイートなバランスが、このマカンにはない。また、コーナリング中は常に重量の大きさを感じさせる。

結局、このクルマをファントゥドライブだということはできない。乗り心地がよくないのも問題だ。アダプティブダンパーとエアスプリングを標準装備していながら、バンピーな道では過剰なピッチやヘッドトスが出る。まるで四輪が、まったく個別に動かないようだ。

セカンダリーライドは平均的。基本的に脚が硬い感じで、標準仕様より2インチ大きいテスト車の22インチタイヤは、路面の穴や波打ちでドシンドシンとショックを伝えてしまう。

こうした挙動は、ポルシェらしくない。もしかしたら使用による個体差かもしれないので、同じサイズのグッドイヤー・イーグルF1スーパースポーツか、ブリヂストン・ポテンザスポーツを履いたクルマが用意できないか、広報に問い合わせた。

そして、短時間ながらタイヤ銘柄の違う車両に試乗してみたのだが、事態は改善された。グリップレベルは明らかに上がり、より自信を持って走れるし、電子制御系の介入は穏やかになった。

サマータイヤに適さない環境は変えることができないので、グリップが限界に達することはあったが、唐突ではなく徐々に落ちていく感じになった。振幅が小さく、周波数の高い路面不整での乗り心地も、わずかながらよくなった。

基本的な問題はいくつか残った。プライマリーライドはタイヤで変わることはなく、後輪操舵と四輪駆動はベストなシステムにあるようなわかりやすさが欠如している。

同じピレリでも違うサイズを履き、スティールスプリングとアダプティブダンパー、通常のステアリングを備えるマカン4に試乗したこともあるが、今回のターボよりはるかに運転に熱中できた。ステアリングには、もっとコミュニケーションがあった。ハンドリングバランスは予想しやすく、たいていの場合は足取りがしっかりしているが、攻めてみるとスロットルでのアジャストもそこそこ効く。より小径のタイヤは、セカンダリーライドを改善したが、プライマリーライドが忙しないのは同じだった。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

マカンにはシングルモーターの素のマカンのほか、デュアルモーター3車種が設定されるという。4、4S、ターボだ。おそらく今後は、GTSやターボSといった追加車種が登場するだろう。パワートレインのバリエーションと、ポルシェお得意の数限りないオプションによって、最廉価仕様と最上級仕様の価格差はとてつもなく大きくなるはずだ。本体価格を見ると、シングルモーターのマカンは6万8500ポンド(約1315万円)、ターボは9万6900ポンド(約1860万円)だ。

金に糸目をつけずオプションを選べば、あと3万ポンド(約576万円)は優に乗せられるだろう。大袈裟に見えるかもしれないが、ポルシェのパーソナライズメニューを考えればありうる話だ。標準仕様のマカンは装備が簡素だが、そのぶんライバルより安価だ。グレードは分かれていないので、好みのオプションを追加していかざるを得ない。

残念だったのは、マカン・ターボ・エレクトリックのエネルギー効率だ。テスト中に4km/kWhを超えることはめったになかった。平均は3.7km/kWhで、冬だと352kmしか走れない。

いっぽう、充電は早い。Q6 E-トロンと同じバッテリーと最大充電能力であることを考えると、スペック表の数字は理想論に近いと思っていた。ところが、かなり長い間200kW以上を維持し、これまでのテスト車で3番手につけた。ちなみに、上位2台はどちらもタイカンだ。

スペック

パワートレイン

駆動方式:前後横置き四輪駆動
形式:永久磁石同期式、2基
最高出力:639ps(ローンチコントロール使用時)
最大トルク:115.2kg-m(ローンチコントロール使用時)
最大回生能力:240kW
駆動用バッテリー:リチウムイオン(ニッケル・マンガン・コバルト)・800V・100.0kWh(トータル値)/95.0kWh(実用値)
馬力荷重比:243ps/t(継続出力あたり)
トルク荷重比:46.6kg-m/t(継続トルクあたり)

ボディ/シャシー

全長:4784mm
ホイールベース:2893mm
オーバーハング(前):945mm
オーバーハング(後):946mm

全幅(ミラー含む):2152mm
全幅(両ドア開き):3600mm

全高:1621mm
全高:(テールゲート開放時):2186mm

足元長さ(前席):最大1120mm
足元長さ(後席):760mm
座面~天井(前席):最大1070mm
座面~天井(後席):930mm

積載容量:480-1288L

構造:スティールモノコック
車両重量:2405kg(公称値)/-kg(実測値)
前後重量配分:-
抗力係数:0.25
ホイール前/後:7.5Jx22/10.0Jx22
タイヤ前/後:255/40 R22 103Y XL/295/35R22 108Y XL
ピレリPゼロPZ4エレクトNE0
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:1速リダクションギア
ギア比
減速比前/後:9.2:1/9.0:1
1000rpm時速度:15.6km/h/15.9km/h
70/80マイル/時(113km/h/129km/h)モーター回転数・前/後:7194/8222rpm/7038/8043rpm

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:3.7km/kWh
ツーリング:3.4km/kWh
日常走行:4.8km/kWh
動力性能計測時:1.6km/kWh

メーカー公表値:消費率
混合:6.9km/kWh

公称航続距離:547km
現実的な航続距離:352km(平均)/322km(ツーリング)/459km(日常走行)
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:マルチリンク/2気室エアスプリング、アダプティブダンパー、スタビライザー
後:マルチリンク/2気室エアスプリング、アダプティブダンパー、スタビライザー

ステアリング

形式:可変レシオ電動機械式、ラック&ピニオン、後輪操舵
ロック・トゥ・ロック:2.3回転
最小回転直径:11.1m

ブレーキ

前:400mm通気冷却式ディスク、6ポット
後:350mm通気冷却式ディスク、1ポット
ハンドブレーキ:電動、スイッチ式

静粛性

アイドリング:-dBA
全開時(145km/h):75dBA
48km/h走行時:57dBA
80km/h走行時:62dBA
113km/h走行時:68dBA

安全装備

Euro N CAP:5つ星(2025年)
乗員保護性能:成人90%/子供90%
交通弱者保護性能:83%
安全補助装置性能:78%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温3℃(充電残量10%以下時)
0-30マイル/時(48km/h):1.3秒(1.8秒)
0-40(64):1.8秒
0-50(80):2.4秒
0-60(97):3.0秒(6.1秒)
0-70(113):3.9秒
0-80(129):4.8秒
0-90(145):6.0秒
0-100(161):7.3秒(18.9秒)
0-110(177):8.8秒
0-120(193):10.5秒
0-130(209):12.6秒
0-140(225):15.0秒
0-150(241):17.9秒
0-402m発進加速:11.3秒(到達速度:199.4km/h)
0-1000m発進加速:20.6秒(到達速度:254.3km/h)
48-113km/h加速:2.5秒
80-129km/h加速(4速):2.6秒
0-62マイル/時(0-100km/h):3.2秒

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ヒョンデ・アイオニック5N(2024年)
テスト条件:乾燥路面/気温22℃
0-30マイル/時(48km/h):1.6秒
0-40(64):2.2秒
0-50(80):2.8秒
0-60(97):3.5秒
0-70(113):4.3秒
0-80(129):5.3秒
0-90(145):6.5秒
0-100(161):7.8秒
0-110(177):9.4秒
0-120(193):11.3秒
0-130(209):13.7秒
0-140(225):16.7秒
0-150(241):20.8秒
0-402m発進加速:11.7秒(到達速度:196.3km/h)
0-1000m発進加速:21.4秒(到達速度:243.7km/h)
48-113km/h加速:2.7秒
80-129km/h加速(4速):2.6秒
0-62マイル/時(0-100km/h):-秒

ドライ制動距離

30-0マイル/時(48km/h):8.9m
50-0マイル/時(64km/h):23.6m
70-0マイル/時(80km/h):48.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.78秒

ウェット制動距離30-0マイル/時(48km/h):10.6m
50-0マイル/時(64km/h):30.1m
70-0マイル/時(80km/h):61.1m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.49秒

結論 ★★★★★★★☆☆☆

1点を除けば、テスト結果はトップグレードのマカン・ターボ・エレクトリックより、マカン4のほうが出来のいいクルマだと思わせる。マカンは全車とも、魅力的なキャビンや素早い充電能力、有り余るパフォーマンスを持ち合わせている。しかし廉価なモデルほど、ハンドリングと航続距離に光るところがある。

それ自体は、さほど驚くような結論ではない。いまのところ、量産EVのスポーティバージョンで、独自のセールスポイントが明確なのはヒョンデくらいのものだ。

しかしながら、マカンのグレード差がこれほど大きいとは思わなかった。ターボのパフォーマンスはみごとだが、公道ではほとんど無意味だ。しかも、エネルギー効率や航続距離に問題があり、それは走りのおもしろみで埋め合わせできるものではない。

いっぽう、エアサスペンションや四輪操舵は取り立てて利点があるわけではなく、乗り心地やハンドリングバランスにも問題を引き起こしている。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラートポルシェほどスペックに左右されるクルマも珍しいが、マカンはとくにそうだ。コイルスプリングにアダプティブダンパーを備え、後輪操舵は持たないシングルモーターのマカン、もしくはマカン4が、スポーティな電動SUVとしては魅力的だと思われる。ただし、寒い時期はオールシーズンか冬タイヤがほしい。

リチャード・レーンEVにとって、合成音は楽しみをもたらしてくれる発明だと思う。しかし、スポーツモードで自動的にオンになるポルシェのスポーツサウンドは、やりすぎな感じだ。

改善してほしいポイント

・後輪操舵を、ほかのポルシェのようにもっとわかりやすく。
・エネルギー効率と航続距離の改善を。
・エアサスペンションをもっとしなやかに、もしくはアクティブライドシステムの設定を。

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みんなのコメント

1件
  • **********
    現状じゃ売れないだろうな、コレは。
    タイカンの二の舞になる、間違いなく。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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