2026年末までに6車種の新型EVを投入
トヨタが欧州市場において年次製品戦略イベントを開催し、最新のEV戦略を発表しました。2026年末までに、ランドクルーザーEVを含めた合計6車種のBEVを投入する方針を表明しながら、レクサスからもステアバイワイヤーなどの最新テクノロジーも発表されました。とくに注目するべきはトヨタブランドにおいて、2026年末までに6車種の新型BEVを投入する方針を表明した点です。
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まずはbZ4Xの2026年モデルとして、EV性能や装備内容を大幅にアップデートした改良モデルを投入します。現在、bZ4XはDセグメントの電動SUVというカテゴリーにおいて欧州トップ5の人気を誇っているものの、電費や冬場の充電性能などの問題点が指摘されていました。そこで新型bZ4Xでは、57.7kWhと73.1kWhのふたつを設定することで、さらにユーザーのニーズをカバーします。また、より高効率な炭化ケイ素インバーターを採用することで効率性だけでなく動力性能もアップ。AWDの場合、最高出力は252kWと、現行型の160kWと比較しても向上。よって欧州市場で重要視される牽引能力も、これまでの750kgから1500kgへと倍増されました。
さらに、エクステリアデザイン、とくにフロント部分が空力性能の最適化によって、より滑らかさを感じるデザインに変更。これによって航続距離はWLTPサイクルで最長573kmと、現行モデル比50km以上の延長を実現しました。
そして何といっても、ついに待望されていたバッテリーの温度調整システムが搭載されました。これは急速充電ステーションを目的地にセッティングすると、自動で電池ヒーターが作動して急速充電性能を最大化してくれるという機能です。さらに、手動での調整モードも用意。現行モデルで指摘されてきたEV性能の低さを改善してきた格好です。欧州市場では2025年夏頃に正式発売がスタートする予定ですが、日本国内でも導入されるはずなので期待です。
次に、bZ4Xよりもひとまわり小さいC-HR+というバッテリーEVを発表しました。C-HR+はbZ4Xと同様にe-TNGAプラットフォームを採用しながら、全長4520mm、全幅1800 mm前半、ホイールベースが2750 mmという欧州で人気のコンパクトSUVセグメントです。
電池容量について、エントリーグレードはbZ4Xと同じ55.7kWhを共有しながら、さらに77kWhのロングレンジグレードも追加し、最長で600kmの航続距離を確保。充電性能は最大150kW級に対応。
さらに、FWDだけでなくAWDもラインアップすることで、最高出力は252kWを発揮。よって時速100kmまで到達するのに5.2秒と、GRシリーズを除いてもっともパワフルなモデルになります。
C-HR+は2025年末までに欧州の一部地域において正式に発売スタートしながら、2026年にかけて欧州全土に投入されます。はたしてbZ4Xと比較してどれほど安価に発売できるのか。ハイブリッドモデルが3万3990ユーロ、PHEVモデルが3万8490ユーロで発売されていることから、3万7000ユーロあたりで発売されることが予想できるでしょう。
ランドクルーザーとハイラックスのEVも登場予定
次に、C-HR+よりもさらにひとまわり小さいコンパクトSUVセグメントに、アーバンクルーザーを投入しました。全長4285mm、全幅1800mm、全高1640mm、ホイールベースが2700mmという、コンパクトながら1ランク上のセグメントに匹敵するホイールベースを確保しています。このアーバンクルーザーはスズキのe VITARAとの兄弟車であり、インドで生産されて欧州に出荷されます。
電池容量について、エントリーグレードには49kWh、ロングレンジには61kWhを搭載。よって、アーバンクルーザーの最長航続距離は400kmに到達する見込みです。また、搭載バッテリーは中国BYD製のLFPバッテリーです。電池コストを抑制することが可能となり、三元系を採用するC-HR+と比較しても安価な価格に期待できるでしょう。
また、アーバンクルーザーにはFWDだけでなくAWDグレードも設定されます。雪国においても実用性の高い大衆EVとなるポテンシャルを秘めており、e VITARAとともに日本導入も待望されます。
はたして、2025年秋から発売されるアーバンクルーザーが欧州でどれほどの値段設定で発売されるのか。競合となるBYDドルフィンは2.8万ユーロ、Atto 2も2.8万ユーロ程度から発売されており、3万ユーロを切れるかどうかに注目です。ちなみに日本国内におけるスズキe VITARAの値段設定もどうなるのか。仮に380万円からスタートすることができると、補助金を含めて実質300万円程度で購入することが可能となり、かなり有用な選択肢となり得るでしょう。
そしてトヨタは、さらに2026年末までに追加で3車種のBEVを投入する方針も表明しました。とくに言及されているのはランドクルーザーのEVバージョンと、ハイラックスのEVバージョンです。また、トヨタはメルセデス・ベンツなどのように、EVならではの命名を取りやめて、すでにユーザーが馴染みのある車名から派生させていくという命名規則に方針転換。C-HR+とアーバンクルーザーはその命名規則を採用した格好です。これにより事実上、bZシリーズが廃止されることになった模様です。
さらに、高級ブランドのレクサスも欧州におけるEV戦略を発表しました。とくに注目したいのはRZのモデルチェンジバージョンの存在です。変更点として、初めてFスポーツグレードを採用し、550e Fスポーツという最上級グレードを設定しました。最高出力は300kWを実現しており、0-100km/h加速も5秒フラット程度を実現する見通しです。
そして、Fスポーツグレードのみ、仮想ギヤシフト機能であるインタラクティブ・マニュアルドライブを採用します。8速トランスミッションで構成され、パドルシフトによって出力をコントロールすることで擬似的なマニュアルドライブを再現。エンジン音なども含めて仮想ギヤシフトを再現可能です。この機能は韓国ヒョンデがIONIQ 5 Nにおいて導入した機能であることから、IONIQ 5 Nとの比較も楽しみです。
RZは550e Fスポーツとともに500eと350eもラインアップされ、全グレード77kWhバッテリー搭載と増量されます。さらに、パワートレインの改良によって、現行モデルと比較しても航続距離を最大100kmほど延長させることに成功しています。そして新型RZには、レクサス初となるステアバイワイヤーシステムが搭載されます。ロックトゥロックで200度を実現しており、ステアリングギヤ比をアクティブに調整することによって、正確な制御と簡単な取りまわしを両立することに成功。ステアリング形状を円形からヨーク型に変更され、ドライバーのさらなる視界確保に努めています。
レクサスは2025年秋から発売する予定のRZに加えて、今後12カ月以内に追加でふたつのBEVを欧州市場に投入する方針を表明しました。詳細は不明であるものの、現在噂されているのはフラグシップセダンであるLSのEVバージョンです。すでにドイツBBAもEQS、i7などとしてラインアップしており、フラグシップとして、800Vシステムの採用やステアバイワイヤーの採用などにも期待が集まります。
このように、トヨタはEVシフトが先行しながら、現在欧州メーカー勢のEVシフト後退戦略の隙を見て、ここぞとばかりに新型EVを矢継ぎ早に投入してきた格好です。トヨタが欧州市場においてプレゼンスをさらに高めていくことは間違いないでしょう。日本国内への新規EV投入にも期待しながらトヨタの最新EVシフト動向には今後も注目です。
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