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急発進事故 なぜプリウスが目立つのか 解決策ある? マニュアル車も視野に

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急発進事故 なぜプリウスが目立つのか 解決策ある? マニュアル車も視野に

もくじ

ー 保有台数が多いプリウス ユーザー層も幅広い
ー なぜこんなにもプリウス「だらけ」なのか
ー 万人にとって操作しやすいことも大切
ー 頻発する交通事故をいかに防ぐべきか
ー MT(マニュアルトランスミッション)推奨?

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保有台数が多いプリウス ユーザー層も幅広い

最近は痛ましい急発進事故や暴走事故が多発している。その加害者の運転する車両に、トヨタプリウスが該当していることが多い。「プリウスは交通事故を発生させやすいクルマ」という見方もされているようだ。

そこで損害保険料率算出機構による型式別料率クラスをチェックしてみたい。型式別料率クラスとは、保険料を決めるための車種別データだ。

保険を使った事故の実績により、対人賠償/対物賠償/搭乗者傷害/車両という具合に、項目別に9段階で評価されている。料率の数字が増えるほど、危険性も高く保険料が上昇する。

先代型の3代目プリウスの料率クラスはすべて5だ。ほかの車種は、トヨタアクアが4(最近の対物賠償は5)、トヨタヴォクシーが3~4、ランドクルーザープラドは4~6になる。プリウスの危険性が低いとはいえないが、特に高いわけでもない。

プリウスのユーザー層について、いくつかのトヨタ系販売店に尋ねると「プリウスは先代型の販売台数がきわめて多く、現行型も堅調に売れています。そのために街中で頻繁に見かけます。また法人を含めて、幅広いお客様に愛用されています。子育て世代のお客様が多いミニバン、比較的年齢層の若いSUVに比べると、プリウスは高齢のお客様に使われる割合も多いです」という。

なぜこんなにもプリウス「だらけ」なのか

トヨタの車種構成を見ると、高齢のユーザーに人気の高いミドルサイズセダンのプレミオアリオンは、発売から12年を経過して設計が古くなった。マークXも10年近くを経て、2019年の末に生産を終える。いずれも売れ行きが下がった。

そうなると子育てを終えた高齢のユーザーが、落ち着いた雰囲気のミドルサイズカーをトヨタ車から選ぶと、必然的にプリウスへ行き着く。

販売台数の多いクルマだから安心感があり、ハイブリッド車の代表とあって認知度も高い。低燃費だからガソリン代も安く、価格は250万円前後だからミドルサイズのハイブリッド車では求めやすい。これらの理由により、プリウスは高齢者からも積極的に選ばれている。

ちなみに先代型の3代目プリウスは、国内の登録台数が累計112万台に達した。2代目の累計40万台に比べると、3倍近く売れた。そのためにプリウスは保有台数も多く、街中で頻繁に見かけられ、交通事故の当事者になることも多い。

万人にとって操作しやすいことも大切

またプリウスのATレバーは個性的で、シフトされているのがD(ドライブ)レンジでも、R(リバース/後退)レンジでも、レバーは常に中立の位置にある。

操作しにくく感じることもあるが、このレバー形状は、2003年に発売された2世代前の2代目プリウスから採用されている。最近になって頻発する急発進事故や暴走事故の直接的な原因とするのは早計だ。

ただし一連の交通事故から離れた一般論としていえば、クルマの基本的な操作系やメーター類は、万人にとってわかりやすく見やすい方が好ましい。

トヨタスープラは日本車なのに方向指示機レバーが左側に装着され、設計の新しい日産車のハンドルは、直進状態で下側が平らになるD字型だ(ただしデイズは馴染みにくいために非採用)。

各操作系の配置やデザインによって運転中に違和感が生じると、集中力が削がれ、車両の周囲に潜む危険を発見するのが遅れたりする。

デザインの自由度を束縛すると、車両の進化を滞らせるから判断が難しいが、基本操作に違和感を生じさせない配慮は大切だ。

頻発する交通事故をいかに防ぐべきか

交通事故は、進行方向の異なる歩行者や車両が接近して交わることによって発生する。従って異質の移動物を「接近させないこと」が交通事故を防ぐ効果的な対策だ。

例えば交差点を歩行者が横断する時には、車両の信号は全方向を赤にする制御がある。この場合、車両が横断する時は、歩行者は全員が歩道に待機する。これなら歩行者と車両が接近して、進路が交わることはない。

また高速道路やバイパスの建設も交通事故防止に効果がある。街中を通過する車両の台数を抑えられるからだ。走行する車両が減れば、歩行者と車両が接近する回数も下がる。道路整備をさらに進めて歩行者と車両を完全分離に近づければ、交通事故を大幅に減らせる。

ただし一連の交通事故は、この定石から逸脱した面もある。信号無視や逆走などの暴走を行い、歩道に進入したケースまであるからだ。交通事故の当事者になった車両が歩道へ進入しないよう、段差を設けることは大切だが、横断歩道の部分はバリアフリーのためにスロープにせざるを得ない。

つまり一連の交通事故は、もちろんドライバーの過失によって生じたが、事故の被害はその範囲を超えている。アクセルペダルを故意に踏み込んだのと同様の状況だ。

この事故を防ぐには、まず車両側の安全装備が重要になる。衝突被害軽減ブレーキ(緊急自動ブレーキ)が、万全とはいえないが、有効に作用する。

低速用については、音波センサーを使った後付け安全装備も市販されている。トヨタが用意するタイプは、停車、あるいは車庫入れなどのために前/後方向に徐行している時、障害物に向けてアクセルペダルを深く踏み込むと、エンジン出力を自動的に抑える。後退については、障害物がなくても作動する。

この安全装備は、プリウスやポルテスペイドなどを対象に用意され、価格は5万5080円だ。これらの機能を65歳以上のドライバーが装着する時には、半額を交付するといった補助金制度を設けて良いだろう。今は電気自動車やプラグインハイブリッド車に補助金を交付しているが、安全装備を優先させるべきだ。

MT(マニュアルトランスミッション)推奨?

MT(マニュアルトランスミッション)車は、機能的に急発進が生じにくい。

AT車はレバーをDレンジに入れて、アクセルペダルを素早く、深く踏み込めば急発進するがMT車は違う。

急発進させるとしても、エンジン回転数を適切な回転域に合わせ(高すぎると過度なホイールスピンが生じて車両が進まない)、半クラッチを上手にコントロールする必要がある。そうしないと急発進できず、激しいショックと同時にエンジンが止まる。

そしてMT車ではギアチェンジの度にクラッチペダルによる駆動力の断続を行うから、車両の故障でエンジン回転が急上昇しても、即座にクラッチペダルを踏んで駆動力をカットできる。MT車は高度な技量を要するギアチェンジを自分で行うから、操作ミスも生じにくいのだ。

MT車の魅力は、ギアチェンジを含めて走りのすべてをドライバーがコントロールできることにあり、だからこそ、急発進など意思に反した車両挙動も抑えられる。

高齢ドライバーの事故を防ぐためにMT車を奨励するのは、非現実的な対策にも思えるが、今の交通事故は緊急事態だ。さまざまな対策を迅速に講じる必要があり、そのひとつにMT車の奨励を加えても良いだろう。

事故防止の対策として考えられることは、片っ端から実践していきたい。

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