■室内長600mmも異なる「シエンタ」と「セレナ」が同価格帯にクロスする
2022年は各社から3列シートミニバンのフルモデルチェンジが相次いでおこなわれましたが、そのなかでもコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」と、日産のミディアムクラスミニバン「セレナ」は、価格帯の一部が重なります。
どちらを選ぶべきか、サイズの異なる2つの新型ミニバンについて比較します。
【画像】「どっちが好み!?」 新型ミニバン「シエンタ」と「セレナ」を写真で見る(38枚)
新型シエンタは、街中でも扱いやすいサイズのなかに3列シートをレイアウトし、7人乗りを実現させたコンパクトクラスのミニバンです。
2022年8月にフルモデルチェンジした新型で3代目。スポーティなフォルムを特徴とした先代に比べ、四角さを増したスタイリングを特徴とし、サイズを拡大しないまま空間効率も高めているほか、親しみやすさも増したデザインも好評です。
消費税込みの販売価格は、195万円から310万8000円まで。同クラスのライバルとしては、ホンダの「フリード」が挙げられます。
対する新型セレナは、2022年11月に発表された現行モデルで6代目。1991年登場の初代以来、歴代モデルで一貫して「広く使い勝手の良い室内空間」を特徴とし、ファミリー層を中心に長年支持を集め続けています。
ライバルは、トヨタ「ノア/ヴォクシー」やホンダ「ステップワゴン」で、共に2022年にフルモデルチェンジしたことでも話題となりました。
新型セレナでは、日産独自のハイブリッドシステム「e-POWER」モデルに加え、2リッターガソリンエンジンモデルを用意し、幅広い価格帯で選ぶことができます。
なかでもガソリンモデルは、最も安い「X」(2WD/8人乗り)が276万8700円から用意され、新型シエンタの購入予算で比較することも可能となっています。
なおe-POWER版の「X」(2WD/8人乗り)は319万8800円で、ガソリン車に比べ約43万円高です。
首都圏近郊の日産販売店では次のように説明します。
「日産には現在、シエンタやフリードのようなコンパクトミニバンがラインナップされていません。
そこでセレナのガソリンモデルを『同じ予算でもっと広くて大きなモデルが買えますよ』と提案することで、お客様の比較検討に加えてもらうことができるのです」
新型シエンタのボディサイズは、5ナンバーの規格に収まる全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mm。
室内長(インパネからサードシートまでの距離)は2545mm、室内高は1300mm(7人乗り仕様:トヨタ社内測定値)です。
これに対し新型セレナ(標準タイプ)のボディサイズは、全長4690mm×全幅1695mm×全高1895mmで、こちらも5ナンバー枠に収まるものですが、全長、全高ともにかなり大きなサイズへ広がります。
室内長は3145mm、室内高は1400mm(8人乗り/オーディオレス仕様:日産社内測定値)です。
室内長などの計測方法はメーカーにより細部で異なるといいますが、いずれにしても長さで600mmの差は少なくありません。
実際に2モデルの室内を乗り比べてみると、3列シート各席前後の足元空間の余裕はかなり異なります。
とくに頻繁に多人数乗車をし、3列目席も多用する場合には、見逃せない差となりそうです。
※ ※ ※
同価格帯でシエンタとセレナを見た場合、シエンタでは両側電動スライドドアが標準装備される中・上級グレードを選べるのに対し、新型セレナでは後席左側の電動スライドドアがオプションとなるXグレードが該当するなど、装備面で差がでるため、単純な比較はできません。
とはいえ、周辺道路や駐車場に制約があるケース以外では、同価格帯でサイズ感や成り立ちが大きく異なる2モデルを選択できるので、比較検討してみるのもよいでしょう。
その際には、セレナのライバル車の見積もりも取得し、半導体不足などの影響で遅れが続く納期についても慎重に確認しながら、総合的に購入の決断を下すことが望まれます。
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みんなのコメント
しかしメーターからの寸法なので無意味な数値であり、実際に乗って確かめるのが正解。
そもそもフリードやシエンタを買う層の9割はMクラスミニバンを必要としないし、あの大きさが本当に丁度良いから購入している。
よって、どっちがいいとか比べる必要がない。