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フツーがスゴい──ダイハツ・ミライース試乗記

掲載 3
フツーがスゴい──ダイハツ・ミライース試乗記

ダイハツのオールラインナップ試乗会が3月上旬、東京・お台場で行われた。改めて試乗した「ミライース」の印象はいかに? 今尾直樹がリポートする。

ミライースはとってもいーっす

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小型車専業メーカーのダイハツが2017年に発表した2代目ミラe:S(イース)に、筆者は今回、初試乗した。8年目の初体験。お台場からレインボーブリッジを渡って芝浦埠頭まで行って戻ってくるチョイ乗りではあったけれど、“ここでスパッと見切る”というクルマづくりはお見事だと感じた。目的に照準を定め、余分なことはしていない。デビュー7年目の2024年も年間4万2758台を販売し、軽自動車の販売台数ベスト10入りしているのは、やっぱり理由があるのだ。マジメがいちばんである。YouTubeで見られるテレビCMではこうアピールされている。

低価格でお財布にやさしく
低燃費で環境にやさしく
安全装備で人にやさしく
日々を支えるやさしさを

正直、ものすごくよいわけではない。でも、乗っていて不満があるわけでもない。普通に、平常心で、なかなか快適にドライブしていられる。それはそれでスゴイことだ。と、思い直した。確かにステアリングの中央付近の遊びというか不感帯は、最初は気になるものの、すぐに慣れるし、慣れてくると、660ccの3気筒エンジンはなかなか滑らかに回るし、静かで、全開にしても音質は悪くない。乗っているうちに、意外とイイ。と思えてくる。速くはない。でも遅くはない。元気に走れば、交通をリードすることだってできる。ちゃんと使える。それこそがダイハツ開発陣の狙いだったにちがいない。

車両価格を確認すると、むしろたまげた。昨2024年9月の小改良時に若干値上げされて、入口価格で¥992,200。最上級仕様の試乗車でも¥1,320,000。カー・ナビゲーションはオプションながら、消費税なしの本体価格は¥1,200,000。と、考えると、う~む。こりゃ安い。おまけにシートヒーターまで標準装備していて、取材当日は寒い日だったけれど、お尻はホットだった。

この1台があるとないとでは、生活は大違いである。ミライースは庶民の味方。だいたいあれだ、そりゃ贅沢はステキだけれど、毎日三つ星フレンチだのビーフステーキ300gだの、すき焼きだの、しゃぶしゃぶだの、寿司ざんまいだの、贅沢に慣れすぎちゃうのもいけないことだと筆者は思う。強欲もほどほどに。朝は納豆ごはんと味噌汁があればいい。というような目で見ると、ミライースはとってもいーっす。

見た目は、はっきり申し上げてパッとしない。自分が乗っている姿を見て、「ワオ!」と、ウットリするようなことはない。だけど、ミライースに乗る普通の人々の喜怒哀楽みたいなことは、わりと簡単に想像できる。たとえば、営業車として使っているひとが新しい契約を勝ち取って意気揚々と会社に戻る姿だとか、あるいは取り損ねて泣いている……とか。あるいは、老夫婦が近所のスーパーに一緒に買い物に行くのに使っている姿とか。それはごくフツウのありふれた風景だけれど、生活に根ざした、たとえば、映画『男はつらいよ』のタコ社長が乗っていそうな、あるいは前田吟と倍賞千恵子が演じる夫婦がそれを借りてどこかへ出かけているというような、そういう情景が浮かんでくる。

自動車趣味、エンスー的な見地から見ると、もうちょっとなんとかならないか、と、感じる点は多々ある。ステアリングは安定性重視のようで、小型車らしいキビキビ感に欠けるし、乗り心地はなるべく姿勢変化を起こさないように、やや硬めに仕立てられていて、ストローク量も小さめに感じる。軽量化とコスト低減のためにスタビライザーなしで一定レベルの走行性能を獲得するため、らしい。

それでも、まあ、イイか。と、思えるのは、155/65R14というトレッドの狭い、空気のたっぷり入ったタイヤが選ばれていることもあるし、軽量&高剛性ボディを実現していることもあるはずだ。車重は先代ミライース比で最大80kgものダイエットに成功しており、試乗車でも670kgしかない。ミライースの最軽量モデルは650kg、ライバルのスズキアルト」は680kgで、「軽量化の鬼はスズキだ」というのは筆者の思い込みにすぎず、その称号は8年前からダイハツのものだった。

658cc3気筒DOHCの自然吸気(NA)ユニットは最高出力49ps、最大トルク57Nmと、パワー&トルクを抑えつつ実用燃費に振っている。ちなみにダイハツの主力モデルの「タント」の3気筒NAエンジンは52psと60Nm。車重は最軽量モデルでも880kgもある。ミライースは徹底的な軽量化と高効率なエンジン、それにCVTの連携によって燃費を稼いでいる。低燃費であることはミライースの大いなるプライドで、試乗時も燃費計が刻々と数字を示し、それは19km/Lとハイブリッドの小型車並みだったりする。アイドリング・ストップ時には燃料を1cc節約したとかも教えてくれる。燃費エンスージアストなのだ。

これで味付けにエンスー風味が加われば、鬼に金棒。話題のミライースのラリー仕様が実際に発売となれば、ミライースの未来はますます明るい。ミラ・いーっす!

文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

3件
  • reg*******
    軽乗用車はスーパーハイト型ばかりが注目されがちだが、趣味性を求めず、街中で使う足車であればミライースとかアルトでも事足りるだろう。
    決して贅沢は言えないが、最低限の快適装備がついて低価格におさまり、軽自動車の本来あるべき姿といえる。
  • bay********
    >正直、ものすごくよいわけではない。

    首都高走ったら継ぎ目でドタバタする足回りがヤバイよなw
    代車で2日間借りたがまさにイイ車じゃ~ないねw
    安いから足車て割り切ったら不満も出ないw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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