■イバン・エスピノーサ 新CEOの英断に期待!
経営改革真っ只中の日産は、売り上げ回復の切り札としてグローバル市場向けのEV(電気自動車)に代表される電動モデルのニューモデル計画が明らかにされていますが、一方で日本向けモデルの話はあまり聞こえてきていません。
国内でのシェア回復のためには、どういったモデルが必要なのでしょうか。
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日本自動車販売協会連合会(自販連)調べによる、軽を除いた乗用車販売ランキングを見てみると、昨年2024年の1年間に最も売れたのはトヨタ「カローラ」(16万6956台)で、2位はトヨタ「ヤリス」(16万6162台)でした。
ともにSUVやハッチバックなど複数のボディタイプを有する各シリーズを合算したものですが、続く3位のトヨタ「シエンタ」(11万1090台)は、ミニバンの単一車種という点で注目されます。
シエンタは、トヨタミニバンラインナップのなかでも最も小さな「コンパクトミニバン」カテゴリーに属します。
現行型のシエンタは、2022年8月に登場した3代目です。
ボディサイズは、全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mm。ホイールベースは2750mm。後席には両側スライドドアを備え、コンパクトながら良好な使い勝手を特徴としています。
3代目では、先代モデルと変わらぬ全長と全幅でコンパクトな5ナンバーサイズを維持しながら、土台となるプラットフォームを全面刷新し、とくに2列目シートの空間を拡大しました。
また走行性能や乗り心地、燃費や先進運転支援機能も大きく進化を遂げています。
パワートレインは1.5リッターガソリン車と、1.5リッターハイブリッド車の2タイプで、室内レイアウトも3列・7人乗り仕様と2列・5人乗り仕様を用意するなど、幅広い選択肢を用意している点も支持を集める理由でしょう。
さらに価格も200万円台前半から用意されており、比較的手ごろなのも魅力です。
また前出の自販連調べによる2024年の年間ランキングでは、5位にホンダ「フリード」(8万5368台)がランクインしています。
こちらもコンパクトミニバンカテゴリーに属しており、国内でほぼ唯一のシエンタ対抗モデルといえます。
つまりシエンタとフリードだけで、年間約20万台に及ぶ市場規模を2モデルで独占していることになります。
しかし日産は、直接対抗できるコンパクトミニバンを用意しておらず、みすみす有望な市場を逃しているのです。
例えば、国内市場の貴重な売れ筋モデルであるミドルクラスミニバンの日産「セレナ」をぎゅっと縮めたような、いわば「セレナ“ミニ”」といったイメージのモデルを一刻も早く導入するべきでしょう。
それは、かつてラインナップされていたコンパクトミニバン「ラフェスタ」がイメージに近いかもしれません。
現行型のシエンタやフリードは、兄貴分となる各ミドルクラスミニバンよりも優しくかわいらしいイメージの内外装を備えることで、コンパクトミニバンの主要ユーザーであるファミリー層にアピールしています。
かつてのラフェスタも同様に、直線基調の箱型フォルムながら各部に曲線をあしらったスタイリングで、そういった意味でもシエンタやフリードのイメージに合致します。
※ ※ ※
2024年3月に公開された日産の中期経営計画「The Arc」や、その後発表されたターンアラウンド(経営改革)の計画には、残念ながらセレナ“ミニ”と思われる車種に関する情報は見られません。
そんななか、2025年3月11日には、日産の新たな経営トップとしてイバン・エスピノーサ氏の起用が明らかにされました。
まだ40代というエスピノーサ氏は、これまで商品企画のトップを務めてきましたが、その手腕で、国内向けモデルの大胆かつ早急な改革にも乗り出して欲しいところです。
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みんなのコメント
この分野はプレーリーで先駆者だったのに…
以前は、エルグランドで開拓した購買層をアルファードに持っていかれ、
セレナで開拓した層はノアボクに持っていかれ・・・
手放したラフェスタ・キューブの層は、見事にフリード、シエンタに取られ・・・