諸般の事情からほとんどのメーカーが電動化を進めているが、ことにスバルはそこまでの勢いは……というイメージ。むしろ走り重視のSTIスポーツグレードをどんどん追加している状況で、まさに我が道を!! といった感じ。スバルはこのままでいいのか!? 電動化が進んでもスバルらしさは残せるの!?
文:永田恵一/写真:ベストカーWeb編集部
STIスポーツ祭りだけど……スバルの電動化は大丈夫なのか!?
■フルモデルチェンジのスバル祭りだが……燃費向上と電動化が急務
フォレスターやレヴォーグなどほとんどのモデルに用意されているSTIスポーツモデル。人気なのだが、電動化が進むとどうなるのか!?
スバルの販売や業績は、日本やスバル全体の70%近くが売れる北米を中心に現在堅調。しかも今年は新型クロストレックと新型インプレッサのフルモデルチェンジという明るい話題もある。
さらにこの2年でBRZとWRX S4というスポーツモデルのフルモデルチェンジに加え、日本ではSTIスポーツグレードが拡充されるなど、華やかさも感じられる。
しかし、その中でスバル最大の課題は燃費の向上と、ハイブリッドカーや電気自動車という電動化である。燃費の向上と電動化はすでにほとんどのメーカーにとって急務となっている死活問題だけに、ここではスバルの電動化をスバルが発表したロードマップを含め考察してみた。
■スバルの最高燃費は16.4km/L!! リッター20超えは未だなし
現行ラインアップでもっとも低燃費なのはFFの新型クロストレック。リッター20km超えのモデルは未だなし……
筆者は現行BRZを発売直後購入し、全体的には大満足している。燃費に関してもだいたい12km/L程度と、個人的には不満はない。ただ、この燃費は燃費のいい輸入車と比べると「うーん」と感じたのも事実だ。
そう感じたのは、仕事で自宅から約90km先の箱根ターンパイクにBRZに近い存在となるBMW220iクーペ(184馬力の2リッターターボ+8速AT)で向かったときのこと。この道のり、自分のBRZだと燃費は暖機運転含め14km/L台といったところ。対し300kg近く重い220iクーペの燃費は同じように走ってなんと18km/L台と完敗だった。
近年のスバル車の燃費は簡易なハイブリッドとなるe-BOXER含め似た印象で、少なくともここ数年スバル車に乗って「燃費いいなあ」と感じた記憶は残念ながらない。
それもそのはずで、自社製のスバル車で現在燃費が一番いいのはFFのクロストレックFF車のWLTCモード16.4km/Lなのだ。ライバルのカローラクロスハイブリッド4WDがWLTCモード24.0km/L、実用燃費でも20.0km/Lが期待できるのを考えたら、BRZとBMW220iクーペ同様クロストレックも燃費で完敗なのは当然で、スバル車の燃費はこういった傾向のケースが多い。
スバル車の燃費に関しては、現時点でも「燃費でスバル車が購入候補車から外した」と聞くことはあるが、現状は堅調に売れているだけに譲歩できるユーザーも少なくないのだろう。
■燃費規制は超痛手……切り札のソルテラも鳴かず飛ばずに
トヨタ bZ4xと兄弟車のソルテラはかなり厳しい状態となっており、今後の電動化戦略に期待がかかっている
しかし、すでにCAFÉ(企業別平均燃費基準)というクリアしないと経営に大きく関わる課題が始まっている。
CAFÉは欧州と日本で本格的に始まっており、CAFÉの基準は日本がJC08モード燃費20.3km/L、欧州24.8km/L&1kmあたりのCO2排出量95gと、現行スバル車でクリアしているモデルは1台もないほど厳しい。
こちらは企業別平均なので、クリアし余裕があればトヨタのGRブランドのように燃費では芳しくないスポーツモデルも造れるという意味では公平なものでもある。
しかし、クリアできないと欧州だと1kmあたりのCO2排出1g超過につき95ユーロ(約1万4300円)の罰則金が課せられる。罰則金は当然メーカー、ユーザーいずれかの負担となり、価格に転嫁されるか利益の減少となるだけにクリアできない痛手は大きい。
スバルにとって欧州市場は大きくない市場なので、残念だけど最悪撤退するという選択肢も考えられる。また、日本もクリアできなくとも、現状はスポーツモデルのような燃費が芳しくないモデルが出しにくくなるといった程度となるため、今のところ不利益はそれほど大きくない可能性も。
しかし、アメリカもトランプ政権からバイデン政権への移行で、2025年に販売される2026年モデルのCAFÉは20.7km/Lと一気に厳しくなり、罰則金が欧州のように高額だと北米をメインマーケットとするスバルにとっては深刻だ。いずれにしてもスバルにとっても燃費の向上、電動化は急務である。
その切り札と期待されていたのが、トヨタbZ4Xとの共同開発車となるSUVの電気自動車であるソルテラだった。だが、ソルテラは日産 アリアやヒュンデ アイオニック5といったライバル車に対し強い武器に欠けるのに加え、発売直後にあったリコールによるつまずきもあり、販売は日本、アメリカともに伸び悩んでる状態である。
要するにスバルにとって重要だったソルテラによるCAFÉ対応は、アテが外れてしまったというのが現状だ。
■インプレッサEVから本格展開か!? トヨタ製ハイブリッドで巻き返しを
まもなく国内投入予定の新型インプレッサ。電気自動車版が追加される可能性も
スバルにとっての打開策も他社同様ハイブリッドと電気自動車という電動化だ。
スバルが発行する統合レポート2022には、スバルは2020年代中盤以降(2025年か2026年か?)、日本国内の工場の生産でトヨタのTHSを使った次世代e-BOXERを投入し、ガソリン車との混流生産で自社製電気自動車を生産開始すると記載されている。
具体的に予想すると、次世代e-BOXERはそれなりに大きなモーターを組み込むことを想定していると考える。現行スバルの2リッターと2.4リッターとなるFA&FB型エンジンに対し格段に短いCB型エンジン(現状はレヴォーグなどに搭載される1.8リッターターボ)を適正な排気量にして使うはずだ。
また、北米仕様の旧クロストレックにはTHSを使ったPHEVもあるだけに、その展開も十分考えられる。
電気自動車は現在スバルのほとんどが使うSGP(スバルグローバルプラットホーム)が電気自動車化も想定されているだけに、「インプレッサの電気自動車版」といった置き換えからはじまり、電気自動車専用車の登場もあるかもしれない。
■電気になっても大丈夫!! スバルらしい味付けの4駆は残るハズ
電気自動車となってもスバルらしい4駆技術に期待!!
ここで気になるのが、「電動化しながらどのようにスバルの特徴、個性を出していくか」ということだろう。
個人的にはハイブリッドの4WDであれば、電動車には古典的なのかもしれないが、リアはモーター駆動ではなくプロペラシャフトを残したスバルらしい強さを感じるものとする。
電気自動車であれば、現行スバル車の武器である水平対向エンジンによる重心の低さを、バッテリーが床下に搭載されることを生かしさらに極める、モーターのレスポンスを生かしより緻密な四輪の制御を行う。
航続距離に関しては前身が中島飛行機となるスバルらしい空気抵抗の低減、数段のトランスミッションを使うことで電費を向上させ、バッテリー搭載量をそれほど多くせずに航続距離を伸ばすといったことが思い浮かぶ。
スバルの電動化が順調に進み、CAFEをクリアした暁には、夢物語のようかつエンジン禁止までの残り時間との兼ね合いもあるにせよ、アメリカで「当面投入されることはない」と発表されたWRX STIの奇跡の復活といったことも期待したい。
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みんなのコメント
マツダなんかどうするんだろうね
スカイアクティブXとか見向きもされとらんし