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EV普及の鍵を握るのは「充電速度」! ニッポンもついに規制緩和で「超急速充電」が可能になるも対応している国産EVがない!!

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EV普及の鍵を握るのは「充電速度」! ニッポンもついに規制緩和で「超急速充電」が可能になるも対応している国産EVがない!!

規制緩和でEVライフはどう変わる?

日本国内における急速充電器設置に関する規制が緩和され、ついに800V級の急速充電器を容易に設置することが可能となりました。これにより、今後150kWを超える超急速充電器の普及が進む可能性を解説します。

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現在、日本国内では150kW級の急速充電器の設置がようやくスタートしているものの、海外を見渡すと350kW級であったり、中国では1MW(1000kW)級という超急速充電器の設置がスタートしています。それではなぜ、これまで日本国内で超急速充電器が設置されてこなかったのかといえば、高電圧対応ができなかったことが理由として挙げられます。

というのも、日本国内で450V以上の電圧に対応する急速充電器を設置する場合、保安要件が例示されていなかったことで、充電器を設置する事業者側が自主的に設置を行わなかったという背景が存在します。

ところが、今回ついに、経済産業省が電気自動車用の急速充電器の保安要件をアップデート。結論としては、1500V以下の急速充電器に対する保安要件が追加されたことで、事業者が不安なく450V以上の急速充電器を設置、運用することが可能となったわけです。

そして、今回の急速充電器設置の要件緩和によって、大きくふたつの意味で間違いなく日本国内の電気自動車シフトの転換点となると考えられます。第一に、当然ながら、いよいよ800V級の超急速充電器が日本国内でも設置、運用がスタートすることになるという点です。

じつは、いくつかの充電サービスプロバイダーがすでに設置している急速充電器は、最大1000Vに対応する冗長性を備えており、システムのアップデートを行うだけで、既設の充電器でも高電圧充電を行うことが可能です。

とくにテンフィールズファクトリーの急速充電器FLASHは、チャデモ規格では750V、テスラのNACS規格では1000Vでの充電が可能となっています。よって、もしチャデモ規格において800V程度の電圧で充電できるEVが登場した場合、理論上、750Vと最大電流値の400Aをかけあわせた300kW程度という充電出力でも充電が可能。NACS規格では、1000Vと最大電流値の600Aをかけあわせた、600kW級での充電が理論上可能となります。

さらに、イーモビリティパワー、通称eMPも、2025年に設置を予定する次世代急速充電器では、最大電圧1000V、最大電流値350A、最大出力350kWを発揮可能な急速充電器の設置、運用をスタートするとアナウンス済みです。

とくにeMPは今後、一般の乗用車だけではなく商用車のEVシフトも見据える必要があり、大容量バッテリーを搭載する商用EVでは1000V級の超急速充電はマストです。海外では最大1000kW(1MW)以上というメガワット充電の運用も間もなくスタートしていくことから、今後は商用EV向けに、350kWを超える超急速充電器も開発されることになるでしょう。

そして重要なポイントは、これまで450V以上の急速充電器の設置を自主規制してきたことによって、日本の充電器メーカーの国際競争力が低下してしまっていたという点でしょう。海外では800V級の急速充電器が設置できるのは当然であったため、充電器メーカーは高電圧充電器を開発して大量生産化。現在はABBやTritium、シーメンスや台湾のPhihongなど、多くの充電器メーカーが開発競争を続けています。

ところが日本では、独自の450V自主規制が存在したことによって、日本の急速充電メーカーは、800Vの急速充電器を開発したとしても主要マーケットである日本国内の充電プロバイダーには商品を売ることができず、800V級の高電圧急速充電器を開発するメリットがなかったわけです。こうなると、超急速充電器の開発競争においてガラパゴスとなってしまい、海外に売れる急速充電器を開発する競争力が失われてしまっていたわけです。

日本メーカーのEVは800Vシステムを採用していない

また、2点目の転換点が、充電器側ではなく電気自動車側にあります。これまで日本国内では、450V以上での高電圧充電ができなかったことで、じつは日本メーカーは、EV側の高電圧対応で後手後手にまわっていたのではないかと見ています。

実際に2024年末になっても、トヨタホンダ日産は揃って800VシステムのEVを1車種も発売することができていません。それに対して、ドイツ・フォルクスワーゲングループ、韓国・ヒョンデ、そして中国勢は800Vシステムを採用するEVをラインアップ済みです。とくにタイカンとe-tron GTという高性能EVをラインアップするフォルクスワーゲングループでは、2019年からタイカンの生産をスタート。さらにヒョンデは普及価格帯のIONIQ5に対して800Vシステムを採用して、2021年から生産をスタート。ちなみにトヨタは800Vシステムの導入について、レクサスが2026年末までに生産をスタートする見込みの中大型セダン「LF-ZC」の市販車モデルに初採用する公算です。

そして、EVの販売台数という観点を見ると、同じミッドサイズSUVセグメントで、先に発売をスタートしているIONIQ 5が、あと出しのアリアbZ4Xよりもグローバル全体では好調な状況です。800Vシステムによる超急速充電への対応という付加価値が、IONIQ 5の魅力のひとつになっており、その上で、ヒョンデグループ全体で800Vシステムの量産規模を拡大することによって、800Vシステムを採用するEVの生産コストを抑制。今後のEVシフトにおける価格競争力で、これから量産体制を構築する日本勢よりも優位に立てるわけです。

つまり、今回の450V以下という自主制限の影響が、日本メーカー勢のEVの競争力を削いだという見方ができるのです。

とはいうものの、今回の要件緩和によって、ついに日本国内で発売されていく新型EVで800V級の超急速充電が可能となるわけです。その候補として、じつはすでに日本国内で発売中のポルシェ・タイカン、アウディe-tron GT、ヒョンデIONIQ 5、およびBYDシールは、システム電圧が550Vを超えていることから、800V級の高電圧充電器の恩恵を受けることが可能なポテンシャルを有しています。

その一方で、日本仕様のタイカンとe-tron GTの場合、海外仕様とは異なりDCDCコンバーターを搭載していないため、400V以上の急速充電には対応することはできません。今後のモデルチェンジでも対応に期待するしかありません。

しかしながら、IONIQ 5とシールの場合、モーターの巻線を使用した昇圧方法を採用しており、充電インレットの一部ハードの取り替えやソフトウェアアップデートは必須であるものの、どちらもモデルチェンジ時の対応が比較的容易であり、この保安要件の緩和によって、800Vシステム対応を行うもっとも早いメーカーとなる可能性が高いです。

なかでもBYDは、2025年の早い時期にミッドサイズSUVのSea Lion 07の発売の可能性が噂されています。このSea Lion 07にはe-platform 3.0 evoという最新プラットフォームが採用され、シールよりもシステム電圧が上がっているため、Sea Lion 07の性能を最大限活かすためにも、800Vシステムの対応はマストです。

もしかしたら日本国内で発売される初の800Vシステム採用EVはSea Lion 07になるかもしれません。

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みんなのコメント

69件
  • bla********
    何を勘違いしとるんだ。充電器の普及数でも時間でもない。家庭やアパートに普通充電器がつけられるかどうかだ。BEVは自宅充電が基本中の基本。急速充電は長距離旅行などで距離を伸ばしたいときにつかう臨時の手段であり、急速充電は頻繁にするとバッテリー寿命を早く縮めることになる。最近のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは劣化も少ないようだが、それでも充電は家庭で寝ている間にするのが普通だ。スマホも寝ている間にするだろうが。しっかり調べてから書け。
  • NAS********
    サムネは韓国の車だし
    国内はおろか世界的にもEV車の体たらくが判明して急減速してるし
    EVが売れて欲しい願望あらわのマスゴミて一体何を考えてるのか理解不能
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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