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【三菱だけじゃない】逆風に直面する日本メーカー 欧州で生き残る方法はあるか?

掲載 更新 25
【三菱だけじゃない】逆風に直面する日本メーカー 欧州で生き残る方法はあるか?

トヨタ以外は苦戦する欧州市場

text:AUTOCAR UK編集部

【画像】鍵を握るハイブリッド、EV、PHEV【欧州市場で重要な各モデルを見る】 全177枚

translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

7月に三菱自動車が欧州から撤退すると発表したことで、トヨタ以外の国内メーカーが現地で直面しているさまざまな問題が浮き彫りになった。

排出ガスをはじめとする環境規制がますます厳しくなっていることに加えて、欧州では高性能のコンパクトカーを求める声が高まっており、他の地域と比べてもはるかに厳しい市場となっている。

三菱は、ラインナップ上の現行モデルの生産が終了した後、収益性の高い東南アジア市場に集中するため、1975年に始まった欧州での事業に終止符を打つとしている。ダイハツも2013年に欧州から撤退した。

調査会社のジェイトー・ダイナミクスによると、スバルは今年、欧州における9月末までの9か月間の販売台数はわずか1万3359台にとどまる。一方、スズキは法規制に対応するためにラインナップの大幅な変更を余儀なくされ、その結果、販売台数は40%も減少した。

日産も、アジアのナンバーワンメーカーの座をトヨタと争ってきたが、今年10か月間の販売はライバルの半分以下に落ち込んだ。ACEA(欧州自動車工業会)のデータによると、西欧での同社のシェアは2.5%に低下したが、トヨタはハイブリッド車が好調で5.4%に上昇した。

一方、ホンダの同時期の販売台数は4万640台にとどまったが、市場全体で33%減少したことを受け、この動きに合わせた落ち込みを見せている。

最も大きな壁は排出ガス規制

日本の自動車メーカーは厳しい逆風にさらされている。LMCオートモーティブのアナリスト、サミー・チャンは次のように述べている。

「排出ガス規制から厳しい市場環境、プレミアムセグメントへの圧力、競争による価格設定に至るまで、日本の自動車メーカーは欧州での採算性を考えると悪夢のようなシナリオに直面しています」

中でも最も厳しい課題は排出ガスであり、欧州連合(EU)による罰金のリスクにさらされている。

「欧州ではCO2の排出量目標が非常に厳しく、今後10年間に成長するためには明確なBEV(バッテリー電気自動車)戦略が必要です。マツダ、スズキ、スバルが欧州でのBEV戦略を明確にしているとは現時点では言えません」

これら諸問題は日本メーカー特有のものではないが、各社にとって欧州はせいぜい二次的な市場であることに変わりはない。例えば、スズキの欧州での売上高は14%に過ぎず、スバルは主に北米を対象とした企業だ。

さらに、円高で輸出価格が長年高止まりしている日本で多くのモデルが生産されていることを考えると、先行きは暗い。

中国や米国のような大市場に比べて、売上に大きな影響をもたらす可能性は低いにも関わらず、高価なソフトタッチプラスチックやアンビエントライトなどを求める欧州の要求に対応する必要はあるのだろうか。

将来は電動モデルにかかっている

鍵を握るのはパートナーシップだ。トヨタは現在、スバル(20%)、スズキ(5%)、マツダ(5%)に出資しており、3社とも排出ガス規制をクリアした。

例えば、スズキは人気の高いジムニーの販売を中止せざるを得なかった(商用車仕様を再導入)が、現在は、トヨタのRAV4プラグイン・ハイブリッド(アクロス)とカローラ・ツーリング・スポーツ・ハイブリッド(スウェイス)のOEMモデルを欧州で販売している。

マツダは、トヨタと排出量をプールすることで、トヨタのハイブリッドによる平均CO2排出量の削減効果を享受していたが、今回、小型車のマツダ2の後継車として、ヤリス・ハイブリッドをリモデルして販売することになった。

アクロス、スウェイス、マツダ2は欧州で生産される。

一方、スバルは、トヨタのハイブリッド技術をSUVのXVに採用している。また、トヨタはスズキ、スバル、マツダと共同で、e-BNGAと呼ばれるEVプラットフォームの開発に取り組んでいる。

日産はもちろん、ルノーとの提携により競争力を高めているが、両社間では技術の共有化が遅れている(例えば、日産のハイブリッド技術「e-Power」と、ルノーのハイブリッド技術「E-テック」は無関係)。その一方、次期マイクラの製造と設計はルノーが行うという。

日産の財政難により、スペイン・バルセロナの工場以外にも多くの雇用が失われる可能性があるが、2021年に新型カシュカイを予定通りに発売できれば、勢いを取り戻すことができるかもしれない。

ホンダは欧州の2工場の閉鎖を発表した。しかし、LMCオートモーティブは、次期シビックのようなハイブリッド・パワートレインを搭載した新型車が登場すれば、欧州での年間販売台数は20万台近くになるだろうと予測している。

三菱以外にも日本メーカーが欧州から撤退する可能性はあるのだろうか?LMCオートモーティブによると、それは各社の電動化戦略にかかっているという。

アナリストのチャンは言う。

「今のところ、各ブランドは欧州で存続すると予想していますが、これは来るべきEVの成功にかかっているかもしれません」

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みんなのコメント

25件
  • なんともヘンチクリンな記載が目立つと思いきや、英国誌の翻訳記事か。

    もはや純自国自動車メーカーが消滅済みの英国に心配される筋合いはないが、欧州における日本車のチャレンジについて語るなら、先ずは欧州による一方的な自動車輸入関税による欧州車保護政策の不公平を論じるべきであろう。

    そんななかで、トヨタの全欧州市場シェア5.4%というのは立派。
  • 日本メーカーだけじゃなく、欧州の自動車メーカーも音を上げちゃうんじゃないか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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