4輪自動車が誕生してすぐに4WDの重要性は認識されていた
4駆(4WDまたはAWD)というと悪路用だと考えている人がいまだに多い。確かに悪路走破性を確保するためにオフロード指向のモデルに4駆システムは必須だが、近年はオンロードに特化した4駆システムも増えて来ている。それらは一体なにが違うのだろうか。
【1口に4WDといっても2つの素姓がある!】FFベースとFRベースの違いをレーシングドライバーが解説
システムにはさまざまな方式がある。4輪を駆動するという考え方は歴史が古く、4輪自動車が生まれるとすぐに4駆システムは登場している。当時は舗装路がなく雨でも降れば泥濘路となってしまう道路環境だったため、駆動力を確保するために必要と考えられていた。センターデフ方式やポルシェの考案したインホイールモーター式など、現代に通じる4駆システムの基本的な機構がすでに形作られていたのである。
その実効性を証明したのが第一次世界大戦や第二次世界大戦で活躍する軍用車で、戦後アメリカ軍が開発したウイリス・ジープを三菱自動車がノックダウン生産するようになり国内でも普及するようになる。
こうした時代の4駆はおもに悪路での走破性を高める為に作られ、トラクション重視の形式を取る。前後の車輪を直結し、4輪が同じ回転数で強制的に駆動する。泥濘路や雪道など低ミュー路面の発進性をとくに重要視したのだ。
しかし前後車輪を直結にすると、カーブで前後の内輪差が合わずスムースに曲がれなくなってしまう。そこで普段は後輪2輪で走り、悪路ではトランスファーを手動で切り替え直結式4駆として駆動力を得る手法が一般的となった。スバルや三菱のパジェロなど4駆と言えば、手動切り替えレバーのついたオンデマンド方式の直結4駆が長く一般的になっていた。
大パワーを確実に路面へ伝える4WDも続々登場している
スポーツ走行で4駆システムが重要視されるようになるのは1980年代になってからだ。スバル・レオーネがセダンボディに4駆システムを与え、悪路も良路も走れるスポーツセダンとして先鞭を付けた。スバルはそれで国内ラリーやWRC(世界ラリー選手権)サファリラリーなど悪路イベントで活躍し4駆の可能性を示したのだ。
かく言う僕もチーム・スバルが開発したレオーネRX 4駆ターボセダンのグループNレーシングカーに搭乗。1983年の鈴鹿1000kmレースを闘ったことがある。センターデフを持たない直結式4駆システムにスリックタイヤを履かせ、タイトコーナーでは内輪差でロッキング現象が起き、曲がりにくかったしパワーがなかったので4駆の威力を発揮することはできなかったが、得られたデータは後々有効に活用されたはずだ。
欧州ではアウディが1980年にクワトロを登場させ、スポーツ4駆の可能性を大きく飛躍させていた。アウディ・クワトロはセンターデフを装備し、コーナーでの前後内輪差によるロッキング現象を解消。1981年からWRCで圧倒的な強さを見せつける。センターデフの装備でフルタイム4駆となりタイトなカーブでもスムースに曲がり、加速では強烈な駆動力が発揮できるという4駆の新時代を築き上げたのだ。
アウディ・クワトロの大成功を見て、他社もセンターデフ方式のスポーツ4駆を次々に登場させる。スバルはレガシィやインプレッサ、三菱もギャランVR4やランサー・エボリューションをセンターデフ方式の4駆として登場させ、数々のモータースポーツシーンを飾ったのだ。
センターデフ方式はしかし4輪が接地している平坦な路面では強力だったが、路面の凹凸が大きい場所で一輪が浮いていてしまうような場面では、駆動力が逃げてしまい悪路走破性は直結方式に劣った。そこでセンターデフをロックする方式も開発されたが、コスト面やメカニズムの複雑さ、重量増加に伴う走行抵抗などを考慮し、悪路用4駆はオンデマンドの切り替え方式が現在でも主流だ。ただマニュアルで切り替えるのではなく、電子制御でアクチュエーターが自動的に切り替えることで利便性を高めたものが多い。
一方オンロードでの走行性を高めるスポーツ4駆も進化している。電子制御クラッチで前後駆動力配分を自在に変化させ、左右トルク配分も可能な高度なシステムと制御が備わってきた。500馬力を超えるモンスターパワーのマシンでは乾燥舗装路でも駆動力を失いやすく、こうした電子制御式フルタイム4駆システムが重要性を増しているのだ。
このように「4駆」とひと括りにしただけでは現代の4駆モデルは語れない。そして今後もハイパワーモデルはたとえEV(電気自動車)であっても優れた4駆システムと制御を持っていることが重要になっているのだ。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
新型「クラウンパトカー」発見にSNS騒然!? 発売から2年 そもそもパトカーとして“使える”のか?
299万円!? トヨタ「ランクル250」が手に届きやすい価格に? 「VX(新車545万円)」を月々抑えて買う方法とは
“約214万円”からのトヨタ「新型SUV」正式発表! 「RAV4」サイズの快適モデル!? 25年3月に「bZ3X」発売、衝撃価格で中国に投入
スズキの「“2階建て”軽バン!?」公開! 斬新“横開き”式で「4人も寝られる」!? タフ仕様もカッコイイ“エブリイ”「スマイルファクトリー オフタイムBASE」お台場で実車展示
11月1日から装着義務化されたバックカメラは一度味わったらもう手放せない! 1000円台から買える後付けカメラって大丈夫!?
「バスが発進しようとしたので、急いで前に詰めたら、鳴らされました。運転手は懲戒処分ですよね?」質問に回答殺到!?「常識外れ」「もう運転やめてくれ」の声も…法律では誰が悪いのか
「右車線ずっと走って何が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「捕まるよ」「違反です」の声も…投稿者は「後ろから煽るほうが悪い!」と主張 法律ではどちらが正しいのか
ナンバープレートは個人情報じゃないけどネットで写真を出しても問題なし? 議論百出のナンバー晒し問題をオフ会の達人が法とマナーから考える!
「やっと来たか!」ホンダ『CB750ホーネット』日本発売決定に、SNSで膨らむ期待
新型「クラウンパトカー」発見にSNS騒然!? 発売から2年 そもそもパトカーとして“使える”のか?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント