現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > デカいのは嫌? なぜ大型ウイング装着車は激減 多様化ニーズが要因か

ここから本文です

デカいのは嫌? なぜ大型ウイング装着車は激減 多様化ニーズが要因か

掲載 更新 87
デカいのは嫌? なぜ大型ウイング装着車は激減 多様化ニーズが要因か

■大型のリアウイングやスポイラーは好まれない?

 かつての高性能スポーツカーには、大型のリアウイングやスポイラーが装着されているケースがありました。これは、「大きく派手なほど効果が高い」という理由から採用され、当時のクルマの運動性能の高さを象徴するアイテムとなっていました。
 
 しかし、近年のスポーツモデルでは、かつてほど巨大で派手なリアウイングを装着しているケースが激減しています。なぜ、性能を追い求めるスポーツモデルから大型なリアウイングを見かける機会が減ってしまったのでしょうか。

ホンダ「S2000」復活! ファンの声に応えた試作車を世界初公開!

 リアウイングとは車両後端の高い位置に装着する翼端板で、2本の支柱によって支えられている形状がほとんどです。

 大きな役割としてダウンフォースといわれる車体を地面に抑える力を得ることができる装備で、F1マシンを代表するレーシングカーなどでよく見かけるのはこのリアウイングです。

 一方のリアスポイラーは、ボディに発生する空気の流れに沿うように取り付けられたパーツで、走行時の気流の乱れを整えることで、加速力アップや燃費向上といった効果が得られます。

 国産車において、1989年に登場した日産「スカイラインGT-R(R32型)」が大型の装備のリアスポイラーを装着した先駆けモデルといわれ、それ以降トヨタ「スープラ(A80型)」、ホンダ「インテグラ タイプR」やスバル「インプレッサWRX STI」、三菱「ランサーエボリューション」といったさまざまなスポーツモデルに採用されています。

 1990年代中盤からは車検制度の緩和によりカスタマイズの自由度が劇的に広がったことで、社外品パーツが増え、アフターパーツマーケットも活性化していきます。

 しかし、2000年代中盤から大きなリアスポイラーが姿を消し始め、近年は、巨大で派手なリアスポイラーやリアウイングが装着されるスポーツモデルが激減しています。

 なぜ、これほどまでに減ってしまったのでしょうか。この理由について、スポーツカー専門の販売店スタッフは次のように話します。

「最近は大型パーツを好む人が減ってきた印象はあります。

 理由はさまざまだと思いますが、なかには大型の派手なものがダサいとか、リアウイングは邪魔になるという人もいます。
 
 また、そもそもサーキットでのレース走行など相当なスピードを出すことがなければ、大型の装備をつけて性能を高める必要性も正直ありません。

 日常で乗る程度であれば、ほとんどその効果は体感できないレベルなうえ、なくてもとくに支障はないといえるでしょう」

※ ※ ※

 最近では、空力技術が向上したことで、ボディ下面でもダウンフォースを得られるようになったといわれています。

 ボディ下面がフラットなクルマにディフューザーが加わると、整流された空気が拡散(ディフューズ)され空気の流速が速まることで強い負圧が発生し真空状態に近くなりダウンフォースが発生。

 ダウンフォースがボディ下面で発生できるようになったことで、空気抵抗が増える傾向にあるリアウイングやスポイラーなどの空力付加物の必要性が薄れていったという事情もあるといいます。

■減った理由はユーザーニーズの多様化?

 大型のリアウイングやスポイラーを装着したモデルが減った背景には、技術の向上や大型の装備が好まれなくなってきたことだけでなく、ユーザーのパーツ装着に対する志向の変化にもありそうです。

 最近のスポーツカーを購入するユーザーの傾向について、前出の店員は次のように話します。

「リアウイングのような目立つ装備は自分好みのパーツを選んで装着したいという人が結構多いです。

 このパーツは好みに合わない、不要だからといって、もともと付いていたものを取り外そうとすると、なかなか手間がかかり大変です。

 必要があればオプションやアフターパーツで後付けするほうが簡単です。そういった意味でも、近年のスポーツモデルはユーザーの好みに応じて、それぞれがカスタマイズをしやすくしているのではないでしょうか」

 最近は、さまざまなメーカーからアフターパーツが販売されており、種類もデザインも豊富で選択肢が充実しています。

 そのなかで、ユーザーの志向が、必要なパーツは自分好みの物を選んで装着したいというものに変化してきてた結果、好みに合わないデザインの装備や不要な装備が付いているクルマが好まれなくなってきた一面もあるのではないでしょうか。

 大型のリアウイングやスポイラーを装着したモデルが減った背景には、技術の向上により大型の装備の必要性が薄れたなかで、ユーザーの好みやパーツ装着に対する志向の変化があらわれた結果だといえそうです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

欧州 CO2規制を緩和、自動運転開発にテコ入れ 「今こそ行動起こすとき」
欧州 CO2規制を緩和、自動運転開発にテコ入れ 「今こそ行動起こすとき」
AUTOCAR JAPAN
【サウジアラビア】トヨタ最新型「クラウン“マジェスタ”」がスゴイ! 約840万円の334馬力「ハイパワーモデル」! 5年ぶり復活の「高性能仕様」どんなモデル?
【サウジアラビア】トヨタ最新型「クラウン“マジェスタ”」がスゴイ! 約840万円の334馬力「ハイパワーモデル」! 5年ぶり復活の「高性能仕様」どんなモデル?
くるまのニュース
新東名‐市街間の「ボトルネック」7日ついに解消! 大井川を渡る“静岡の大動脈”に橋を追加
新東名‐市街間の「ボトルネック」7日ついに解消! 大井川を渡る“静岡の大動脈”に橋を追加
乗りものニュース
標準装備を厳選して戦略的な価格を実現したメルセデス・ベンツGLC/GLCクーペのエントリーモデルが日本デビュー
標準装備を厳選して戦略的な価格を実現したメルセデス・ベンツGLC/GLCクーペのエントリーモデルが日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
【2025年F1チーム別プレビュー/ウイリアムズ】2026年に集中も、サインツという資産を得て上昇は必至
【2025年F1チーム別プレビュー/ウイリアムズ】2026年に集中も、サインツという資産を得て上昇は必至
AUTOSPORT web
VW、小型EV『ID. EVERY1』を2027年に市販へ…価格は2万ユーロから
VW、小型EV『ID. EVERY1』を2027年に市販へ…価格は2万ユーロから
レスポンス
サイバートラックが異次元カスタムで覚醒!? ドイツのチューニングメーカー“マンソリー”が手がけた「イーロンゲーション」とは
サイバートラックが異次元カスタムで覚醒!? ドイツのチューニングメーカー“マンソリー”が手がけた「イーロンゲーション」とは
VAGUE
外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
LE VOLANT CARSMEET WEB
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
Merkmal
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
レスポンス
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

87件
  • WRX STIとシビックTYPE Rに関しては、これがないとおかしいよ。
  • シビックに関しては車体自体アレだからデカくてダサいリアスポも馴染んでて気にならない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499 . 5万円 789 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

166 . 0万円 1350 . 0万円

中古車を検索
トヨタ スープラの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499 . 5万円 789 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

166 . 0万円 1350 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村