発表から3週間で1万1000台を受注したというニュースが話題となった、軽のBEV(バッテリーEV)日産「サクラ」。注目を集める同車にモータージャーナリストの小川フミオ氏がさっそく試乗。その走りをリポートする。
NISSAN SAKURA|日産サクラ
日産渾身のBEV「アリア」に試乗、その走りをリポート|NISSAN
日産サクラに試乗
発表から3週間で1万1000台を受注したというニュースが話題となった、軽のBEV(バッテリーEV)日産「サクラ」。注目を集める同車にモータージャーナリストの小川フミオ氏がさっそく試乗。その走りをリポートする。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko
スムーズな加速ゆえ、もはや軽自動車を運転している感覚はない
都市生活者にとって、コンパクトカーはいいパートナーだ。かつて1960年代にロンドンでも、ロールスロイスやローバーに乗る富裕層がミニに飛びついたこともある。日産自動車が2022年5月20日に発売したEV軽「日産サクラ」も、大型車のユーザーにだって勧めたい実力派なのだ。
「この電気自動車は日本の自動車市場の常識を変えるゲームチェンジャー」と日産自動車がプレスリリースで謳うサクラ。確かに、パワーは充分だし、スタイリングは雰囲気があるし、内装など作りも質感がある。
全長3,395×全幅1,475×全高1,655mmのボディに、47kWの最高出力と195Nmの最大トルクを持つモーターを1基搭載した前輪駆動。20kWhのバッテリーで駆動され、航続距離は最大180km(WLTC)という。
ボディサイズは、プラットフォームを共用する日産デイズ/三菱EKワゴンとほぼ近く、車重は約200kg重い。それでも開発者によれば、1070~1080kgの車重に対して195Nmのトルクは、充分に速く走れるとされる。
実際に、その通りの印象だった。私が乗ったのは上級グレード「G」。発進から加速していくときのスムーズさは、発進時にモタついてしまう従来のガソリンエンジン搭載の軽自動車の性能に不満を持っていた人には、おおいなる福音だろう。
ドライブモードセレクターが備わっていて「エコ」「スタンダード」「スポーツ」と切り替えられる。これによって、加速時間が変わる。スポーツだと、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで、乗員の頭がのけぞるような加速を見せる。
一方、エコだと気持がいい。特に恩恵を感じるのは「e-Pedal Step」併用のときだ。これをボタンで作動させると、回生ブレーキが強く働き、アクセルペダルの足をゆるめると減速していく。いわゆるワンペダル走行ができる。停止まではいかないけれど。
スポーツモードだと、ただし、アクセルペダルを踏む力をゆるめたときの減速感が強すぎると感じる。ぎゅーっと強い力で抑えつけられたような減速を感じるのだ。それに対して、エコあるいはスタンダードは乗員にショックを感じさせず、気持ちのよい減速フィールが味わえる。
高速道路を走ったときも、合流も追い越しもスムーズ。もはや軽自動車を運転している感覚はない。先に触れたように、車重が多少重いのが、バネ上荷重の重さとして乗り心地のよさに寄与している。路面の状況にかかわらず、ハネることはなく、乗員は終始フラットな姿勢で乗っていられる。
アリアを思わせるインテリア
アリアを思わせるインテリア
室内のパッケージングもよい。たとえばドライバーは、ウィンドシールドから離れ、頭上の空間は広々としていて、サイドウィンドウとのあいだにもスペースがある。そのため、広さ感と、もうひとつ、それらの騒音源から離れることで、音疲れしにくそうだ。
インテリアの造型はアリアを思わせる。ファブリック調の素材がダッシュボードに貼られ、7インチと9インチのディスプレイが備わる。視線の移動を水平にすることで扱いやすさを狙ったという人間工学的な理由とともに、ファブリックの温かみも、このクルマの雰囲気によく合っていると私には感じられた。
リアシートも広い。荷室のスペースは限られてしまうものの、後ろにスライドさせれば足元も広い。しかもバックレストが角度調節指揮なのが、ユーザーに喜ばれそう。いろいろ細かく考えられている。
いまところ、4WDの設定がないのは、残念といえば残念。日産では、e-Power(モーター駆動のハイブリッド)搭載の「ノート」「オーラ」「キックス」などに4WDを設定して、細かいトルク制御ができる電気モーターの利点を喧伝している(実際に体験してもその通り)だけに、サクラに設定があってもいいだろう。
日産では、BEV(バッテリー駆動のピュアEV)のラインナップに、アリアとリーフという上位モデルをもつだけに、サクラを下位に位置づける必要があるのだろうか。維持費の安さなどから軽自動車であることも大きな魅力なのは、私にもよく分かる。
それでも、軽だからと、逆に敬遠する層が出てきてしまっては、逆にもったいないと思うのだ。日産車でいえば、フルモデルチェンジを控えている次期「エクストレイル」とか、あるいは新型「フェアレディZ」とかとの2台持ちなんて楽しそうだし、もちろん、サクラ1台でもけっこう使えそうだ。
フル充電に要する時間は約8時間。急速充電を慌ててするより、自宅で夜、ゆっくり満充電するほうが電気料金も抑えられるし、バッテリーの寿命も長くなるだろう。
価格は「S」(233万3100円)に始まり、「X」(239万9100円)と「G」(294万300円)となる。日産によると、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金は55万円になる見込みとのことで、その場合、ベースグレード(基本的に法人向け車種)は約178万円となる。もっとも普通に乗るから「X」か「G」を勧めるけれど。
NISSAN SAKURA|日産サクラ
ボディサイズ|全長3,395×全幅1,475×全高1,655mm
ホイールベース|2,495mm
車両重量|1,070kg(X) 1,080kg(G)
モーター|交流同期電動機
最高出力|47kW(95ps)/2,302-10,455rpm
最大トルク|195Nm /0-2,302rpm
駆動用バッテリー|リチウムイオン電池
総電圧|350V
総電力量|20kWh
一充電走行距離(WLTCモード)|180km
サスペンション前|マクファーソンストラット
サスペンション後|トルクアーム式3リンク
ブレーキ前|ベンチレーテッドディスク
ブレーキ後|ドラム
タイヤ|155/65R14
定員|3人
価格|233万3100円~294万300円
日産お客さま相談室
Tel.0120-315-232(9:00-17:00、12/31-1/2を除く)
http://www.nissan.co.jp/
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