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開発中のホンダフィット・モデューロXプロトにも搭載! 実効空力デバイスの実力をサーキットで試す

掲載 更新 17
開発中のホンダフィット・モデューロXプロトにも搭載! 実効空力デバイスの実力をサーキットで試す

 市街地を走る速度域でも効果を体感できる!

 ホンダ車をベースに改良を加え商品性を高めるのがホンダアクセスの主業務だ。そのメイン商品とも言える「モデューロX」シリーズは、2013年に登場したN-BOXモデューロXを皮切りにN-ONEからステップワゴン、S660にヴェゼルやフリードと多車種に及んでいる。

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 そんなモデューロが近年、とくに力を入れているのが「実効空力デバイス」と呼ばれる空力パーツだ。エアロバンパーやスポイラーなど、空力パーツは数多くあるが、ほとんどのものはファッション性の見た目重視である場合が多い。モデューロXでは実際にドライバーが効果を感じ取ることができ、走行性能に有効な影響を与えることができる空力パーツを開発し、それを「実効空力デバイス」として鋭意開発を重ねているという。

 通常、エアロパーツの開発にはCAD解析や実車風洞実験なども繰り返し行っていくが、そうなると莫大なコストもかかる。そこでモデューロXは感応性豊かなテストドライバーと「匠の技」を持つ空力パーツクリエイターを用いて、実車装着での走行テストを繰り返して磨きあげてきているという。

 今回はそうしたモデューロXの「実効空力デバイス」を直に体験する試乗会として千葉県・袖ヶ浦フォレストウェイレーシングコース内に設置された特設コースで実効性を確かめる試乗テストが開催された。

 まずはミニバンとして人気が高いフリードのノーマル仕様をテスト。ロールの大きなコーナリング姿勢と高速直進時のふらつき感などを確認。

 次にモデューロX仕様にフロントバンパーのみノーマルへ戻した仕様を試す。サスペンションのチューニングで車体ロールは軽減され、コーナリング姿勢は向上。直進性も高まるのだが、固められたサスペンションは路面のバンプやアンジュレーションの大きなシーンではタイヤの接地感が薄まることがあった。

 最後に「実効空力デバイス」のフロントバンパーカウルを装着したフルモデューロX仕様を試す。するとコーナーでもストレートでもタイヤの粘るような接地感が高まり、タイヤはつねに路面を捉えようとしている感触が明確に伝わってきたのだ。これはフロントバンパーのチューニングにより車両全体でダウンフォースが増したとしか考えられない現象だ。モデューロXのフロントバンパーカウルを見ると、3つの特徴的なポイントが確認できる。

 まずはフロントカウル両サイドに備わるエアロフィンだ。フィッシュ形状のような流線型の突起部がバンパーカウルと一体成型で形づけられ、外観のアクセントにもなっている。これは車体前部両サイドを流れる空気を整流し、前輪ホイールハウスからの気流の乱れを抑制。旋回特性を安定させる効果が得られる。

 またバンパーカウル前部下部に位置するフロントスポイラーは、その両サイド地面側下部にエアロボトムフィンが形成されていて、ホイールハウスに流れ込む空気の流れを整流し、サスペンションの動きを良くする効果を与えている。

 極めつけは、そのフロントスポイラー後部でバンパーカウル下の裏側中央部、ほぼ外からは視認できない位置にエアロスクープをふたつ備えさせていることだ。これで車体下を通過する空気の流速が速められ、ベンチュリー効果でダウンフォースを発生させる効果が与えられている。

 これらの相乗効果で車体全体の空力に好影響が及び、4つのタイヤが常に路面に粘るような感触が得られているというわけだ。実際にその効果が想像以上で、何か魔法でもかけたかのように走りの感応性が高まっていた。

 鋭意開発中のフィットモデューロXプロトタイプでも効果を体感

 この「空力実効デバイス」は、その高い効果が確認されたことで、今後他車種にも拡大採用されていくことになる。その手始めに新型FIT(フィット)のプロトタイプ仕様開発車が会場には用意されていて、それを走行評価することもできた。

 まずノーマルのフィットで走行。今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストに選出されるなど評価の高いFITは、オリジナルの状態でも前方視界がよく、特設コースの道幅2.2メートルの狭い区間も60km/hの速度で難なく通過できる。ただ微小にステアリングを修正しラインをトレースさせる必要も感じられていた。

 次に実効空力デバイスも盛り込んだモデューロXのフルバージョンで仕上げたプロトタイプに乗り換えると、やはり各速度域で4輪タイヤの接地性が高まっていると感じられ、ライントレース性はより好感触で限界も高まっているように感じられた。試しに例の極狭い区間を徐々にスピードアップさせていくと、なんと70km/hで通過でき、そのときのライントレース性はノーマルの通過速度60km/h時より高まっていた。

 注目したいのは、ただ限界を高めるだけでなく30km/hとか40km/hといった市街地走行時の速度域でも、同様の変化が感じ取れていることだ。これは風洞実験などの定量的なデータだけにこだわらず、感性豊かなテストドライバーと空力パーツを加工する匠の手作業で地道に感応部分を磨き上げてきたからこそ得られた好特性といえるのだ。

 実効空力デバイスを備えたモデューロX。すでに完成しているフリード・モデューロX同様、今後展開される新型フィット・モデューロXの完成へも期待が高まった。

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みんなのコメント

17件
  • ここで文句書いてる奴って、ホンダが何やろうと文句書くんだろーなー。
  • こういうスポーティーグレードはブランディング、ビジネスとしてもドイツ3家が好き嫌いなしで成功している事実がある。
    最近トヨタはその先行3メーカーに倣うように、メーカー直結での機関系にも手を入れるGR、エクステリアだけに手を入れるGRスポーツと定着化させてきていて、時間が経てばより一般認知も高まり、人気も高まるでしょう。
    そしてホンダ…。タイプRありなしの極端さ、それ以外は外部委託するエクステリアモディファイ…。
    これだけ多くのモータースポーツに手をかけ実績あるのですから、市販車のブランド整理をしっかりやってメーカー直結のスポーティーグレード展開をホンダ車一律の名称でやってほしいですね。
    なぜそれができない。ROI考えて、上手くやってほしいな、ホンダには。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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