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E-TECHハイブリッドは雪上でどう生きる!? ルノー・アルカナ試乗記

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E-TECHハイブリッドは雪上でどう生きる!? ルノー・アルカナ試乗記

ルノー独自のハイブリッドシステム「E-TECHフルハイブリッド」。日本国内には2022年より販売が開始されたアルカナから導入されたが、そのアルカナも昨年秋にマイナーチェンジ。「エスプリアルピーヌ」の名を纏い、装いも新たに生まれ変わった同車でスノードライブをする機会に恵まれたので、その模様をレポートしたいと思う。

ルノー渾身のハイブリッドシステムは雪でもすごかった

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「アルカナにスタッドレスタイヤを装着したので、ぜひ雪道を走ってみませんか?」

編集部の元にルノーからそんな連絡が入ったのは2月中旬ごろ。オンロードでのE-TECHハイブリッドの爽快な走りが印象に残っていた筆者は、E-TECHの更なる可能性を味わえるまたとないチャンス!……ということで、ふたつ返事で承諾した。

【画像23枚】マイナーチェンジした「ルノー・アルカナ」で雪道を走る! のフォトギャラリーを見る

ここで簡単にだが、ルノー・アルカナというクルマを紹介しておこう。日本導入は2022年。SUVクーペを組み合わせた独特のスタイリングとE-TECHハイブリッドをひっさげてデビュー。特にF1からの技術を転用して開発されたE-TECHハイブリッドは、他社のハイブリッドとは異なる爽快なドライブフィールを提供しつつ、燃費は22.8km/L(WLTC)を実現、走りにこだわるルノーらしい電動化への回答が印象的だった。

今回のマイナーチェンジで新たに登場した「エスプリアルピーヌ」グレード。各所にアルピーヌのエッセンスを配したスポーティかつエレガントな仕立てだ。 フロントシートの背もたれ部分にもアルピーヌのロゴが入る。トリコールカラーのタグもアクセントとして効いている。 ステアリングのステッチもフランス国旗を模したトリコロールカラーを採用。細かい部分へのデザインの気配りがフランスらしい。


昨年秋頃にはマイナーチェンジが行なわれ、内外装を刷新。ルノーのエンブレムが最新CIのものに変更されたほか、ルノーグループ内のスポーツブランドである「アルピーヌ」の名を冠した「エスプリアルピーヌ」という新グレードが登場。スポーティでありつつもエレガントさも感じられるクロスオーバーに生まれ変わった。

さて、早速アルカナで雪のあるロケーションに向かうわけだが、今回は新潟を目指すことに。一旦ナビの行き先を越後湯沢あたりに設定して関越道を延々と下って行く。関越トンネルの手前あたりから雪がちらつき始め、トンネルを抜けるころには路面は真っ白。抜群のコンディションでスノードライブが楽しめそうだ。

ちなみにスタッドレスは横浜ゴムのアイスガードiG70を装着。新型アルカナではホイールサイズがインチアップ(18→19インチ)している関係か、スタッドレスでも妙な腰砕け感もなく、高速道路でも安定した走りを見せた。

長時間のドライブでも疲れにくい、クッション性の高いシート。 ルーフが低めなクーペSUVのアルカナだが、後席のスペースも十分確保されている。


まもなく湯沢インターで高速を降り一般道へ。市街地はさすがに除雪が行き届いており、ほとんどがアスファルト上での走行だったが、ひとたび幹線道路を抜けると徐々にシャーベット、そして圧雪路へと変化、本格的なスノードライブの始まりだ。

まず驚いたのは車速のコントロールが非常に容易ということだ。E-TECHハイブリッドは低速域(0~40km/h)の走行をほぼモーター、発進時に至っては100%モーターのみを使用するが、エンジンのようにアクセル踏んでからのタイムラグもなく、緩やかにトルクが立ち上がる。ドライバーの意思に忠実なパワーカーブを描くので、滑りやすい路面でもリニアに動力を伝えられるのだ。アクセルをラフにコントロールしても即座にESCが介入し、車体を安定させるので雪道に慣れてない人でも安心して走れるだろう。

そして意外な活躍を見せたのがBレンジだ。アルカナ、もといE-TECHハイブリッド搭載車のシフトには通常走行に使うDレンジに加えて、Bレンジも用意されている。Bは”ブレーキ”の頭文字で、このレンジにするとアクセルオフ時の回生ブレーキの立ち上がりが大きくなるほか減速度も向上し、エンジンブレーキのように使える。慣れればアクセルから足を離さずワンペダルで走行することもできるレンジなのだが、これが雪道の下り坂で威力を発揮した。

特にコーナーが連続する峠道などでは、不意に出すぎてしまったスピードを落とす際、自分でブレーキを踏むよりも圧倒的にコントロールがしやすい。Bレンジに入れた直後から減速Gの立ち上がりがスムーズなので、たとえコーナリング中であっても、姿勢を崩さずに緩やかに減速できるのだ。路面状況が刻々と変わるスノードライブにおいて、アクセル&ブレーキ操作は特に神経を使うもの。アクセルペダルを離すだけで、すすーっと減速できるBレンジは疲労軽減に役立ち、道中のほとんどでBレンジに入れて走っていたくらいだった。

1.6L直4自然吸気エンジンに、メインとサブの2モーターを組み合わせる。ギアボックスにはF1由来の技術であるドグクラッチを使用。 Bレンジではアクセルオフ時の回生ブレーキの立ち上がりが向上。いわゆるワンペダルに近い走行フィーリングになる。


快適装備もありがたかった。今回のロングドライブでは途中撮影などで頻繁に車外に出る機会があったのだが、アルカナは運転席&助手席シートヒーターとステアリングヒーターが標準装備となっているので、同乗者含め非常に快適。また今回のマイナーチェンジでインフォテイメントのセンターディスプレイが大型化(7インチ→9.3インチ)。縦方向の表示領域が増えたので、ナビゲーション表示時により先が見通せるようになったのも地味ながらうれしいアップデートで、細かいところの使い勝手が向上したマイナーチェンジと言える。

運転席&助手席にシートヒーターを標準装備。強弱2段階で調整可能だ。 ステアリングヒーターも標準装備。冬場はエアコンが効き始めるよりも断然早く暖を取れる。 センターインフォメーションディスプレイが大型化。視認性が大幅に向上。 特にナビゲーション表示時に進行方向のより先まで道を確認できるようになった。


ちなみに今回のスノードライブでは最終的に日本海側の柏崎市まで走破。往復の総走行距離は631kmとなったが、燃費は18.7km/Lを記録。下道がワインディング多めだったので、上り坂で燃費が多少悪化したと思われるが、高速道路だけなら20km/Lは余裕で超えそうだ。

環境性能やドライでの動的性能が注目されがちな電動パワートレインだが、雪道でもそのポテンシャルの高さをいかんなく発揮し、こと安全面においてその性能が生きてくるのが非常に好印象だった。ルノー渾身のフルハイブリッドシステムは、雪道でも十分すぎる性能を発揮してくれたのである。

【Specification】ルノー・アルカナ・エスプリアルピーヌE-TECH フルハイブリッド
■車両本体価格(税込)=4,990,000円
■全長×全幅×全高=4570×1820×1580mm
■ホイールベース=2720mm
■トレッド=前:1550、後:1560mm
■車両重量=1470kg
■エンジン型式/種類=H4M/直4DOHC16V
■総排気量=1597cc
■エンジン最高出力=94ps(69kW)/5600rpm
■エンジン最大トルク=148Nm(15.1kg-m)/3600rpm
■メインモーター最高出力=49ps(36kW)/1677-6000rpm
■メインモーター最大トルク=205Nm(20.9kg-m)/200-1677rpm
■サブモーター最高出力=20ps(15kW)/2865-10000rpm
■サブモーター最大トルク=50Nm(5.1kg-m)/200-2865rpm
■トランスミッション形式=ドッグクラッチマルチモードAT
■燃料タンク容量=50L(プレミアム)
■燃費(WLTC)=22.8km/L
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:トーションビーム/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤ=前後:225/45R19

問い合わせ先=ルノー・ジャポン TEL0120-676-365

ルノー・アルカナのより詳細な情報はコチラから

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