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ホンダeは初代シビックをオマージュ!? 街乗りEVという新ジャンルなるか

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ホンダeは初代シビックをオマージュ!? 街乗りEVという新ジャンルなるか

■ホンダeは初代シビックのDNAを受け継いでいる!?

 ホンダは2020年8月27日に、同社では初の量産電気自動車、「ホンダe」を発表しました。発売は2020年10月30日を予定しており、すでにカーシェアリングなどで公道を走る姿も目撃されています。

ホンダ 新型「シティ」世界初公開!

 満を持して登場したホンダeは、全体的に丸みを帯びた柔らかな曲線を多用したデザインで、丸目のヘッドライトを配置するフロントフェイスや、全体の佇まいは1972年に発売された初代「シビック」をオマージュしているようです。

 そこで、ホンダが本格的な量産自動車メーカーとして世界で認められるきっかけとなった、初代シビックと最新のEVであるホンダeの、それぞれの特徴を紹介します。

※ ※ ※

 1972年、新世代のコンパクトカーである初代シビックが誕生しました。当時、まだ各社とも採用実績が少なかったFF駆動を採用し、広い室内空間を実現。

 ボディサイズは全長3405mm×全幅1505mm×全高1325mm(DXグレード、以下同様)と、軽自動車よりも全長で5mm、全幅で25mm大きいだけの、非常にコンパクトなサイズでしたが、乗車定員は5人となっていました。

 当初は2ドアのみの設定とされ、内装ではトレー形状のインパネに、スポードメーターとタコメーター(上級グレードのみ)をドライバー正面に配置し、燃料計と水温計をインパネ中央に配置した、じつにシンプルなデザインです。

 また、メーター以外のスペースには木目調パネルを配置することで、無機質なイメージを緩和しています。

 ほかにもFFならではのセンタートンネルの小さを生かして、あえてセンターコンソールを装備しないことで、広い足元の空間を強調。

 エンジンは最高出力60馬力の1.2リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載し、トランスミッションは当初フロアシフトの4速MTのみの設定でしたが、1973年に「スターレンジ」を持つホンダ独自の自動変速機「ホンダマチック」が追加設定されました。

 エアコン(クーラー)はオプションで、パワーステアリングやパワーウインドウも設定しないなど簡素な装備によって車重は615kgと非常に軽量で、60馬力とアンダーパワーながらキビキビとした走りと低燃費を実現しました。

 後に3ドアハッチバックや4ドア、5ドアハッチバック、上級グレード「GL」、スポーティモデルの「RS」、商用車のライトバンを追加するなど、多様化するニーズに対応するコンパクトカーを目指すようになります。

 そして、1973年12月には、排出ガス浄化技術「CVCC」を採用した1.5リッターモデルを追加。このCVCCエンジン搭載車は、クリアするのが不可能といわれたアメリカの排出ガス規制「マスキー法1975年規制」の適合を世界で初めてパスし、1975年モデルからアメリカへ輸出されました。

 CVCCエンジン搭載車はオイルショックという時代背景もあって、「燃費の良い低公害車」としてアメリカで大ヒットを記録。

 後に「アコード」と並んでシビックは北米で主力車種となり、いまもシビックはベストセラーカーです。

 そして、1979年にボディサイズが大きくなった2代目にバトンタッチしたことで、初代シビックは生産を終了しました。

■ホンダの新たなベーシックカーとして「ホンダe」がデビュー

 前述のとおり、ホンダeは2020年8月末に発表されました。日本に先立って欧州では先行予約が始まっていましたが、満を持して国内でのお披露目です。

 ボディサイズは全長3895mm×全幅1750mm×全高1510mmと、全長は「フィット」よりも100mmほど短く、全幅は50mmほどワイドです。

 外観は全体的にやわらかな曲面で構成され、カタマリ感と安定性が感じられる台形をモチーフとしています。

 また、一見すると2ドアのように見えますが、小ぶりなリアドアを採用する5ドアハッチバックです。

 フロントフェイスとリアビューは同様な意匠を採用。ヘッドライト、テールランプともに丸型LEDとされ、グリルを模した長円形状の黒いパネルが前後に装着されています。

 後述しますがドアミラーはなく、「サイドカメラミラーシステム」を採用することで、左右のドアにはデジタルカメラを設置。

 室内では4人乗りとなっており、5つの液晶モニターを水平に配置したインパネを採用し、そのインパネ形状は初代シビックをイメージさせるトレー形状で木目調パネルも採用しています。

 また、フィットと共通の意匠の2本スポークハンドルも、初代シビックのハンドル形状との共通性を感じさせます。

 サイドカメラミラーシステムによって、インパネの左右両端にはモニターを設置。これはレクサス「ES」に続いて、国内では2例目です。ほかのモニターには、スピードやナビ、各インフォメーションの表示と、空調やオーディオのコントロール用です。

 搭載されるパワーユニットは最高出力113kW(約153馬力)、最大トルク315Nmを誇るモーターに35.5kWhのリチウムイオン電池を採用。315Nmのトルクは3リッターガソリン車に匹敵します。

 後続可能距離はWLTCモードで283kmを実現し、30分の急速充電で202kmの走行が可能です。

 走行モードはNORMALとSPORTのふたつが選べ、発進から停止までをアクセルペダルのみで操作できる「シングルペダルコントロール」を採用。

 また、意外だったのが駆動方式で、リアにモーターを搭載しリアタイヤを駆動するRRとし、前輪の切れ角を大きくすることができ、最小回転半径は4.3mと「N-BOX」よりも小さく、都市部での使い勝手を向上してます。

 全車先進安全技術を標準装備し、上級グレードには駐車支援システム「Honda パーキングパイロット」をホンダ車で初搭載しました。

 価格(消費税込)はベースグレードで451万円、装備が充実した「アドバンス」が495万円です。

※ ※ ※

 繰り返しになりますが、ホンダeの内外装は初代シビックをオマージュした意匠が散見されています。

 両車には50年近い隔たりがありますが、次世代のベーシックカーというコンセプトは変わりません。

 今後、世界的にクルマの電動化がさらに進みますが、ホンダeはシティコミューターに近い本格EVという、新ジャンルのスタンダードになりえるのではないでしょうか。

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みんなのコメント

4件
  • 真似るなら初代シティの方が良いな(ホンダ、ホンダ、ホンダ、ホンダ)
  • 街乗り用と言うのなら高過ぎる…
    充電ポイントもあまりないのに渡航距離が少なすぎる
    自家用車としても商業者としても難しい…
    これは売れないだろうけど、これを元に良い物を作って欲しい…
    そうなれば、バッテリーメーカーの協力は不可欠
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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