この記事をまとめると
■BYDがPHEVを日本導入することを発表した
まもなく登場のBYD SEALION 7! 日本に「どストライク」のSUVの実車をチェック【東京オートサロン2025】
■BYDのPHEV日本導入第1弾はSUVのシーライオン7を予定
■刺激を受けた日系メーカーのEVやPHEVの価格が下がることに期待したい
BYDがPHEVの日本導入をアナウンス
中国のBYDが日本にPHEV(プラグインハイブリッド車)を導入する。1月24日に都内で開催したBYDの乗用車と商用車部門合同での「事業方針発表会」の場で明らかにした。それによれば、日本初登場となるBYDのPHEVは「シーライオン7」。同車を含めて2027年ごろまでに、EVを含めて7~8モデルラインアップを目指す。
グローバルでもBYDの成長を支えるPHEVの導入によって、「先進的なEVと革新的なPHEVの両輪」で日本市場に挑戦するという。
日本のユーザーのなかには「あれ、BYDはEV専業メーカーじゃなかったのか?」と思う人がいるかもしれない。
もともとBYDは電池関連企業として創業し、その後に中国地場の自動車メーカーを傘下に収めることで自動車産業に進出した。当初は「F3」などのガソリン車であり、その後にハイブリッド車の「F3 DM」、さらにEVの「e6」へと事業を拡大していった。
筆者は2000年代から2010年代にかけて、日本ではまだBYDの存在がほとんど知られていない段階から、中国でBYDの各種モデルを試乗してきた。そのころ、現在のようなグローバル企業化したBYDの姿はまったく想像できなかった。
2010年代から2020年代にかけて、BYDは中国が国策として推進する新エネルギー車政策のイメージシンボルのような立ち位置となり、EVモデルの拡充と、EVとの部品共通性が高いPHEVの商品化を積極的に進めた。その後、中国ではEV需要が増えたことで、政府の新エネルギー車政策における補助金が年を追うごとに段階的に減額されたことも、中国でのPHEV需要を後押しした。
さらに、2020年代以降は、中国地場メーカーの海外輸出や海外製造拠点が目立つようになり、そのなかでBYDはEVに加えてPHEVの価格競争力を重視するようになったという経緯がある。こうしたBYDの国外市場での事業戦略のなかで、自動車先進国であり、世界でもっとも早く大手自動車メーカーによるEV大量生産を軌道に乗せた日本でのBYD事業拡大の意義は大きい。
日本市場でのEVシェアは2%を切っており、中国、欧州、アメリカと比べてかなり低い。その上で、地元日本、欧州からはドイツ、フランス、イタリア、そしてアメリカや韓国から日本でのEV需要拡大に向けた動きが活発化しているところだ。
そこへ、BYDがPHEVも含めた包括的な事業展開を明らかにした。ユーザー目線では、BYDからの刺激を受けて、日系メーカーのEVやPHEVの価格が下がることを期待したい。
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