ボルボ EX30 「未来からやってきた、だが伝統派も満足できる乗り味のEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

伊達 軍曹
伊達 軍曹(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
3
燃費
4
価格
3

未来からやってきた、だが伝統派も満足できる乗り味のEV

2024.10.18

年式
2023年11月〜モデル
総評
なかなか強力な駆動用モーターと斬新な内外装デザインを採用したボルボのEV。その乗り味やハンドリング性能は、旧来のエンジン車に慣れているマニア層から見ても好ましいもの。その一方で、ほぼすべての操作をセンターディスプレイへのタッチで行うことなどに、最初は戸惑いを覚えるかもしれない。だがそのあたりはすぐに慣れるはず。いい実用車だ。
満足している点
インテリアは質感というよりも「センス」が抜群で、エクステリアも斬新で◎。そして最高出力272psの駆動用モーターと完成度の高いシャシーは、この車を快適にもスポーティにも走らせてくれる。一充電航続距離もWLTCモードで560kmという十分なものだ。
不満な点
特にないが、「強いて言うなら」のレベルで、後席は座面長がやや短いせいであまり落ち着かない。もしも1〜2名ではなく、3〜4名ほどで常時乗ることを想定しているのであれば、後席の印象は事前に確認しておくべきだろう。
デザイン

5

「アクティブハイビーム」が組み込まれているヘッドランプの形状に代表されるエクステリアデザインの斬新さは、好き嫌いが分かれるポイントかも。だが感覚的な話としては、大半の人は結局このデザインにすぐ慣れるというか、逆に魅力的と思うようになると推測する。インテリアはややスッキリしすぎているきらいもあるが、これはこれでSF的で好ましいと、個人的には感じる。
走行性能

4

最高出力272ps/最大トルク343Nmを発生する駆動用モーターはきわめて力強いが、力の出方はきわめて自然。そしてシャシーと足回りも、モーターの強大な力を涼しい顔で受け止め、なおかつお釣りがくるほどの完成度。そのためドライバーは、近所に買い物へ行くにしても、どこか遠くまで行くにしても、とにかく気持ちよく走ることができる。
乗り心地

4

街なかや幹線道路などを走る際の乗り心地はほぼ文句なし。ソフトでありながらフラット感もあるという、非常に心地よい乗り味である。高速道路では、初めて試乗した個体では「揺れがやや大きい」と感じた。だが数カ月後に試乗した別の個体は、街なかや幹線道路などを走る際と同様に「ほぼ文句なし」。揺れがやや大きいと感じたのは、初期の個体ゆえの現象だったのかも。
積載性

3

5人乗車時のラゲッジスペース容量は318Lと、さほど広くはない。とはいえ荷室床下に61Lのサブトランクもあるため、車の荷室にあまり多くを求めないタイプのユーザーであれば、実用上は特に問題はない。
燃費

4

一充電走行距離は560kmで、交流電力量消費率143Wh/km(いずれもWLTCモード)。実際は、ほぼフル充電時に表示される推定走行可能距離は450kmほどになる。そのぐらい走ってくれれば、比較的コンパクトなEVとしては「十分」と言っていい。
価格

3

車両価格は559万円。自治体にもよるが、国の補助金と合わせて合計100万円ほどになるEV補助金も計算に入れると、実質的には450万円前後となる。このクオリティのパーソナルな乗り物を手に入れるためのお金としては、最近の基準で言えば決して高くはない。
伊達 軍曹
伊達 軍曹
自動車ジャーナリスト
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌の編集長を務めたのち、フリーランスの執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、さまざまなメディアに多数の記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
ボルボ EX30 新型・現行モデル

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。