凌志さん
フォルクスワーゲン Tロック
グレード:TDI スタイル デザインパッケージ_RHD(DSG_2.0)
2021年式
乗車形式:その他
フォルクスワーゲン T-ROC試乗 ~今どきスタイルの高床式ゴルフ~
2024.2.19
- 総評
- 走行時異音の修理のため代車として使用。代車は、自分ではまず選ばないジャンルの車があてがわれるから面白い。
この車は、無国籍的、現代的なルックスをまとってはいるが、乗ってみれば典型的なフォルクスワーゲンというべき車だった。
ドアは重く、シートはサイドサポートが厚く。ハンドリングは正確で、変速マナーもスムーズ。
「良い車。終わり」とするにはちょっと惜しい中身の持ち主だった。
一方で、フォルクスワーゲンのゴルフ一本足打法は2代目~3代目の頃から変わらず、デビュー当時は変種だったT-ROCには開発予算が潤沢に行き届いてはいないようだ。最新のゴルフⅧと比較すると装備面で見劣りがする。
タイヤは、住友ゴム製ファルケン、AZENIS FK453CC 215/50R18 92Wというこの車専用のものだった。タイヤに起因する悪い要素は無かったが、調べてみたらネットで19,000円/本也。(参考までに、ゴルフⅦComfort Lineのタイヤは汎用の205/55R16。1本7,500円也)
2024.2.19の日刊自動車新聞では、1面トップで日本でのフォルクスワーゲンの販売不振が報じられていた。ディーゼルゲートとコロナ禍での供給不足によりゴルフとポロの販売台数が大きく落ち込んだ模様だ。
加えて、現在250店舗ある販売網を200店舗に減らすとのショッキングな報道もあった。
どこへ行く日本のフォルクスワーゲン。静かに見守りたい。
- 満足している点
- ゴルフよりも視点が高く見晴らしの良いドライビングポジション
60㎞/h以上のスピードに乗れば、エンジン音も耳障りではなくなり、安楽な巡航が楽しめる。
約100㎞走行したが、帰ってきたときの疲労感は9年落ちゴルフより少ない。
また、ACCの作動がより滑らかになっている。
この車は約3年、9,000㎞走行した個体だが、DSGのジャダー(ギクシャク)がほとんど感じられない。
全体的にやや固めの乗り心地だが、揺れは一発で収束され、踏切等の凸凹路面でも安定しているため、不快感はない。
全長4240㎜、全幅1820㎜と絶妙なサイズ。特に全長が長すぎないのが良い。
- 不満な点
- 低速でややノイジー、かつパンチ不足を感じる2Lディーゼルエンジン。
前軸荷重900㎏、後軸530㎏(62:38)とフロントヘビーなので、鼻先の軽さを感じない。
細かなことを言えば叩けばコンコンとなるプラ成形のインパネ、ついでに言えば、メーター内の車のアニメーションが、時にゴルフ7の画像になる。(ACC作動時など)T-ROCのグラフィックスの予算をケチってしまったのかな。
総じていえば、良き道具ではあるが、それ以上でも以下でもない。車に熱い夢やロマンを持ち込まない人向け。
- デザイン
-
3
- これはお好みで。
内装はいつもの真っ黒なジャーマン風味。
- 走行性能
-
4
- 低速で出足がかったるいと思えるシーンがあった。
街中主体ならば、ガソリンの方が使い勝手が良いかも。
- 乗り心地
-
5
- ドイツ車は「固いが疲れが少ない」の好例。個人的にはもう少し柔らかい足の方が好みだが、走行安定性のバランスの問題だろう。
- 積載性
-
4
- ぱっと見ゴルフと同程度。
電動バックドアが好印象。
- 燃費
-
5
- 郊外路主体で約18㎞/hを示した。
- 価格
-
-
- 故障経験