現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 良い意味で「予想を裏切る」身のこなし フォルクスワーゲンTロックへ試乗(2) 乗り心地も優秀

ここから本文です

良い意味で「予想を裏切る」身のこなし フォルクスワーゲンTロックへ試乗(2) 乗り心地も優秀

掲載 1
良い意味で「予想を裏切る」身のこなし フォルクスワーゲンTロックへ試乗(2) 乗り心地も優秀

動的能力の幅広さを考えると優秀な乗り心地

フォルクスワーゲンTロックは、濡れた路面でも優れたトラクションを発揮する。2.0Lガソリンターボ、2.0TSIの0-100km/h加速は、AUTOCARの計測で6.7秒を記録した。カタログ値の7.2秒は、だいぶ控えめな数字のようだ。

【画像】活発な走りを予感させるデザイン フォルクスワーゲンTロック 競合クラスの欧州製クロスオーバーは? 全149枚

英国仕様のディーゼルターボは、6速MTのみの設定の114psでも充分なパワー感があり、0-100km/h加速は10.4秒。ただし、ガソリンターボと比べると洗練性は若干劣る。

7速デュアルクラッチATが標準となる、150psの方が印象は良く、四輪駆動も選択できる。発進時から活発にボディを引っ張り、トルクが太く扱いやすい。

乗り心地は、動的能力の幅の広さを考えると優秀。ダイナミック・シャシーコントロールと呼ばれる、アダプティブダンパーと可変レシオ・パワーステアリングも強みの技術といえるだろう。

ドライブモードをスポーツにすると、明らかにライバルのクロスオーバーより反応は鮮明。刺激的とすら表現できる。

他方、コンフォート・モードでは、しなやかな優しい乗り心地へ一転。このクラスで、両方を高次元で叶えたモデルは、他に存在しないのではないだろうか。

操舵に対する反応の軽快さやリニアさ、予想のしやすさも強み。可変レシオのステアリングは充分クイックながら、驚くほど急に変化するわけではない。重み付けも、充分に納得できる。

低い速度でも扱いやすく、直感的にTロックを導いていける。加えて、どのドライブモードを選んでも、路面との相性の悪さも感じられない。魅力的なシャシーだ。

良い意味で、予想を裏切る身のこなし

四輪駆動システムは、ハルデックス・カップリングを採用。トルクベクタリング機能を搭載するが、その効きも控えめで、リアタイヤ主導の感覚は得られない。それでも、スタビリティ・コントロールと相まって、限界領域での安定性を高めている。

興奮を誘う操縦性ではないかもしれない。とはいえ目指された水準は高く、ファミリー・クロスオーバーとして角の取れた動的能力の必要性を考えれば、高く評価できるだろう。濡れて冷えたワインディングを、意欲的に駆け回ってくれた。

全高は高めでも、サスペンション・スプリングは引き締まり、グリップ力は期待以上。旋回時に横方向へ荷重が移動しても、タイヤは路面をしっかり捉え、充分なスポーティさがある。

タイトコーナーでは、加速しながら頂点へ食らいついていく。良い意味で、予想を裏切る身のこなしだ。

スタビリティ・コントロールの介入は上品で、グリップを超える勢いで右足を傾けても、ドライバーへ気付かせないようパワーが調整される。その電子制御をオフにすると、アンダーステアが露呈。4モーション・システムの、技術的な限界を知ることになる。

Tロックはエネルギー効率も良い。1.0TSIでも1.5TSIでも、16.7km/Lがうたわれる。7速デュアルクラッチATの2.0TSI 4モーションでは、13.5km/L。ディーゼルターボは更に有利で、150psの仕様でも20.9km/Lが主張される。

ドライバー目線で選択上位に入るクロスオーバー

Tロックの価格は、エントリー・グレードの1.0TSIが英国では2万8365ポンド(約524万円)から。標準装備は充実しており、LEDヘッドライトやパーキングセンサー、2ゾーンエアコンなどが付いてくる。

ミドルグレードのスタイルでは、17インチ・アルミホイールと、ツートーン塗装を獲得。LEDヘッドライトと、タッチモニターがアップグレードされる。お値段は、英国では3万1255ポンド(約578万円)へ上昇する。

専用ボディキットで着飾るRラインは、3万4390ポンド(約636万円)。プライバシーガラスや、ヒーター内蔵シートなどが追加される。装備内容や最近の新車価格の上昇を踏まえれば、納得できる範囲だろう。減価償却という点でも、Tロックは有利だ。

ちなみに、Tロック Rは4万5465ポンド(約841万円)。かなりのお値段となる。

Tロックは、近年投入が続くコンパクト・クロスオーバーの1台ではあるが、その仕上がりはライバルと一線を画す。見た目から受ける印象は人それぞれだとはいえ、適度なサイズ感と、フォルクスワーゲンらしいデザイン処理が融合し、まとまりは良いと思う。

リアシートの広さと内装素材の質感は、確かにクラストップの水準にはない。しかし、不満ない動力性能と、洗練された乗り心地、軽快な操縦性は大きな魅力。ドライバー目線でいえば、選択肢の上位へ入ることは間違いないだろう。

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

トヨタがゴツい新型「クラウン」実車展示!  車高アップの「LANDSCAPE」 さらに24年発売の「ESTATE」も!? 新たなクラウンに注目
トヨタがゴツい新型「クラウン」実車展示! 車高アップの「LANDSCAPE」 さらに24年発売の「ESTATE」も!? 新たなクラウンに注目
くるまのニュース
ヨハン・ザルコ、ホンダの試作マシンは「まだ一歩を踏み出したと言えない」/MotoGPへレステスト
ヨハン・ザルコ、ホンダの試作マシンは「まだ一歩を踏み出したと言えない」/MotoGPへレステスト
AUTOSPORT web
3万ドルなら大人気確定!? テスラの新型コンパクトEVは『モデル2』か否か?
3万ドルなら大人気確定!? テスラの新型コンパクトEVは『モデル2』か否か?
レスポンス
アラン・プロストが回顧する、アイルトン・セナとの”関係”が変わった瞬間「私に対して、完全に別人になった」
アラン・プロストが回顧する、アイルトン・セナとの”関係”が変わった瞬間「私に対して、完全に別人になった」
motorsport.com 日本版
TokyoCamp「チタン焚き火台オプションパーツセット」の抽選販売受付を5/20まで実施中!
TokyoCamp「チタン焚き火台オプションパーツセット」の抽選販売受付を5/20まで実施中!
バイクブロス
GW渋滞、名神・新名神・中国道は連休後半の5月3日に最大35kmを予測。Uターンラッシュは5日から?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、名神・新名神・中国道は連休後半の5月3日に最大35kmを予測。Uターンラッシュは5日から?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
ランド・ノリスが顔面負傷。痛々しい写真がSNSで拡散もF1マイアミGP出場に支障なし
ランド・ノリスが顔面負傷。痛々しい写真がSNSで拡散もF1マイアミGP出場に支障なし
AUTOSPORT web
【KINTONE】5/4~8まで GW セール開催! 電動モビリティがお得に購入できる限定クーポンを配布
【KINTONE】5/4~8まで GW セール開催! 電動モビリティがお得に購入できる限定クーポンを配布
バイクブロス
【MotoGP2024第4戦スペインGP】ドゥカティのバニャイアが今季2勝目 スプリントでは15名のライダーが転倒
【MotoGP2024第4戦スペインGP】ドゥカティのバニャイアが今季2勝目 スプリントでは15名のライダーが転倒
バイクのニュース
大型バスの「謎の小部屋」内部はどうなってる? まさかの「場所」に位置する「空間」は意外と快適!? 知られざる利用実態とは
大型バスの「謎の小部屋」内部はどうなってる? まさかの「場所」に位置する「空間」は意外と快適!? 知られざる利用実態とは
くるまのニュース
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
新型[プレリュード]は令和の新デートカー! クルマでモテモテってマジか? 420万円で2025年後半デビュー!
新型[プレリュード]は令和の新デートカー! クルマでモテモテってマジか? 420万円で2025年後半デビュー!
ベストカーWeb
GW渋滞、関越道のUターンラッシュは5月5日! 高坂SA(上り)付近にて最大40kmの予測!【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、関越道のUターンラッシュは5月5日! 高坂SA(上り)付近にて最大40kmの予測!【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら
ついに来た!ヤマハ XSR900GPが5月20日に143万円で発売、車体色は赤×白のほか、モノトーンのグレーもラインアップ
ついに来た!ヤマハ XSR900GPが5月20日に143万円で発売、車体色は赤×白のほか、モノトーンのグレーもラインアップ
モーサイ
【ホンダ新型ヴェゼル 三択の方程式:解の弐】上級な「Z」は、高品質で装備充実な超おトク(?)モデル
【ホンダ新型ヴェゼル 三択の方程式:解の弐】上級な「Z」は、高品質で装備充実な超おトク(?)モデル
Webモーターマガジン
ビッグモーター新会社WECARSが会見、伊藤忠連合の出資金額は400億円 旧会社はBALMに社名変更
ビッグモーター新会社WECARSが会見、伊藤忠連合の出資金額は400億円 旧会社はBALMに社名変更
日刊自動車新聞
マツダが中国向けに開発した流麗な新型電動車! 「MAZDA EZ-6」と「MAZDA 創 ARATA」を北京モーターショーで初公開
マツダが中国向けに開発した流麗な新型電動車! 「MAZDA EZ-6」と「MAZDA 創 ARATA」を北京モーターショーで初公開
THE EV TIMES
近畿の”空白地帯”に新たな高速「名神名阪連絡道路」実現へ進行中! 酷道だらけの「滋賀~三重~奈良」に夢の南北軸 現在の状況は?
近畿の”空白地帯”に新たな高速「名神名阪連絡道路」実現へ進行中! 酷道だらけの「滋賀~三重~奈良」に夢の南北軸 現在の状況は?
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • まほほん
    評論家は値段が全然違うライズやヤリスクロス
    あたりと比較するんだろうな。Tロックに比べて
    内装の質感が低いとかね。VWがヤリスクロスや
    ライズと同価格でそれ以上の車を作った場合のみ
    褒めろよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

429.9688.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

174.0569.0万円

中古車を検索
Tロックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

429.9688.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

174.0569.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村