フォルクスワーゲン Tロック 「試乗では判らない良さがある。」のユーザーレビュー

試乗では判らない良さがある。

2021.3.16

総評

おすすめ度は購入してとても気に入ったので星⭐️5個にしていますが...。
恐らくVW車に初めて試乗された方は、国産車に比較して足が跳ねるし音も煩く、アクセルに対する反応もプアに感じられ、内装もハードプラを多用していてコスパの悪い車と感じられる事と思います。

それぞれ項目別に評価をコメントしますが、この車の真価は短時間の試乗では判らないのかなと思うので、是非、少し長時間・出来れば高速道路を走ってみる事をお勧めします（なかなか難しいとは思いますが）。

満足している点

・ディーゼルのトルクを生かした走り。
・ワーゲン車らしいシャープでクリーンなエクステリア。
・見た目のデザイン以上に快適なシート。
・速度域が上がる程に安定感が増すサスセッティング。
・燃料コスト含めた燃費性能。

不満な点

試乗の際はアレコレ目に付いたのですが...
・ボディカラーとグレード設定。
・パワーシート、シートヒーターの設定が無い。
・ディスカバープロは相変わらず使えない（VWあるある）。
試乗で気になった点も、購入したら気にならなくなるのは我が子かわいさですかね？

デザイン

5

無駄なラインやデザインの為のデザインを加えていない、フォルクスワーゲンらしいシャープでクリーンなエクステリア。
ワーゲン車で初のツートンカラーが設定されているが、ブルーとイエローは色味がとても綺麗。

インテリアは何かとハードプラが不評のようだが、毎日見ていると非常に精緻で精密な成形とデザインに感心する。
自分もソフトパッドが高級でハードプラは安っぽいとの概念だったが、ハードプラでもここまで出来れば納得。
ハリアーは国産高級SUVの代表格ですが、素材の概念を取り払ってスイッチ廻りや操作感、成形やデザインをじっくり比較してみると、好みもあるでしょうが...。

インテリアデザインは最新のワーゲン世代では無いが、ワーゲン車らしいクリーンでシンプルなデザインで、余計なデザインをしていないのが個人的にはマツダ車同様に好ましい。

走行性能

5

試乗時は大トルクのディーゼルエンジンとDSG（ツインクラッチ）の組み合わせなので、発進時に大暴れすると予測していたが、拍子抜けする程の大人しいセッティング。

また試乗時にアクセル開度に対する出力の出方が弱々しいと感じたが、日々乗っているとこれがベストセッティングと感じられる。ツインクラッチに大トルクをリニアに出すと危険だし、街中では扱い辛いと思われる。

ツインクラッチなのでクセが有り、マニュアル車と思えば良いのだが、まぁそこが楽しくも有ります。過去愛車のゴルフ7は乾式ツインクラッチで、発進時に不用意にアクセルを開けようものなら大暴れして慌てたものですが、湿式7速なので多少のラフな操作は許容してくれて、誰でも安心して乗れると思う。

発進時はトルコンと比較し多少の癖はありますが、慣れてしまえばその後は電光石火のシフトチェンジ（乾式ほどのキレは無い）で、癖も含めてメカ好きには堪えられないと思います。

エンジンについては低速からモリモリではなく、低速或いは中速からの緩加速で分厚いトルクを使って、シフトアップ無しにヌルヌル加速、アクセルを開ければパワフルに上限まで引っ張ってくれて、恐ろしい速度まで軽く行けそうで、さすがアウトバーンの国から来たなと言う感じです。

ワインディングでのハンドリングはどこまでもニュートラル、高速での直進性も高くハンドルの据わりが良いのもワーゲン車の伝統ですね。
因みにに最少回転半径は5mなので、車庫入れや狭い交差点でも操作性は良いです。

乗り心地

5

超高速域までこなすセッティングなので、低速での一般道路では硬めの乗り心地だが、張った乗り心地の中にゴムの弾力が感じられ不快では無い（むしろ好み）、後席の住人評価も快適との事だが、シートの作りの良さも貢献していると思う。
高速域になるほど快適性が上がるのは美点。

積載性

5

家族４名、コストコに行って不足無し。
トランクは天地がやや低いが、二重底構造でボードを下段にするとかなりのスペースが出来るので、通常の使用なら充分と思う。

燃費

5

片道4km程度の通勤が主でチョイ乗りも多い初給油では、482kmを走って13km/ℓ。推測ですがチョイ乗りでもワンタンク700kmくらいは軽く行けるかと。

車載計で見る限り使用状況による燃費の変化が少なく、何よりWLTCで高速20km/ℓを越えているのは、燃料単価の安さと相まって良い。

価格

4

今回の購入はディーゼルに絞って、最後はコスパの良いマツダ3との比較だったが、価格差は有ったもののデザイン・パワートレインの面白み・良い物感で購入に至っています。
装備やADAS、見た目の質感だけだとマツダ3の圧勝だったのだが...。

価格比較ではマツダ3はLパケに延長保証やオプションモリモリで総額370万円程度。
T-ROCはデザインPにマットやアルミペダル、前後のドライブレコーダー程度で選べるオプションは少ないが（ナビなど標準装備）、サービスパッケージや延長保証を入れて総額450万円。

総額での差額は80万円だが、値引と下取り込みだと35万円の差額でした（VWの営業さんに頑張って頂きました）。
この価格差（個々の交渉次第）をどの様に捉えるかは購入者の価値観でしょうが、我が家では見た目の質感や装備より、T-ROCの良い物感を選んだと言うことです。

因みに下取車は2017年度購入のCXｰ５で、外車DやマツダDに買取専門店など5社ほど査定しましたが、結構開きが有るので手間を惜しまず動いた方が良いですね。

故障経験

無し。