フォルクスワーゲン Tクロス 「大幅改良でより多くの人にオススメできるモデルに」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

大幅改良でより多くの人にオススメできるモデルに

2024.10.29

年式

2024年7月〜モデル

総評

輸入車のSUVの中では比較的上位でコストパフォーマンスが高いモデルと言える。大幅改良で標準装備も増え、デザインも洗練されアーバンが似合う雰囲気となった。内外装ともにオシャレに仕上げられていて、より多くの人におすすめ出来るモデルへと進化した。動力性能や走りの部分にも不満はなく、燃費などのランニングコスト的にも悪くはない雰囲気。輸入車SUVを検討しているならぜひ実車を見て欲しい1台だ。

満足している点

コンパクトながら機能性が高く、室内も広く取られていて使い勝手が良いのが嬉しい。また、走行性能に関しても申し分ないと言える。インテリアデザインも満足のいく質感を確保しながら、デニムを感じさせるシート地などはファッショナブルで遊び心を感じられて、このクラスのSUVらしいポイントが溢れている。初の輸入車にはオススメしやすい1台だ。

不満な点

不満なポイントは少ないが、サイドブレーキがいまだにレバーの機械式なのは気になる。レバー式がダメというわけではないが、信号待ちなどでの停止保持などに関係するオートブレーキホールドが装備されていないという点は、人によってはマイナスに感じることがあるだろう。

デザイン

4

大幅改良でデザインはかなり新しくなった。特に灯火類のデザインは今どきな雰囲気が増して、より都心的なイメージに進化。改良前は少しオフロードテイストが強く、やや野暮ったい印象があったが、コチラの方が洗練されて市場の需要にも合っているように思える。カラフルなカラーが追加されたのもオシャレ感アップなポイントだ。

走行性能

4

3気筒の1.0Lターボだが、低回転からトルクフルで動力性能に不満はない。また、ロール感も適度に抑えられていて、比較的車速の高いコーナリングでも安心感がある。こういったコーナリングはコンパクトSUVが苦手な部分でもあるが、しっかりと対応できるあたりはさすがアウトバーンがある国生まれなのを感じる。さらに比較的軽量な車重も走行性能全般にいい影響を与えていそうだ。

乗り心地

4

ややハードで、少し角が目立つ印象もあるが、及第点といったところ。ただ、振動の収束は割と早いので、高い車速での安定感を考えると好みの部分と言えるだろう。また静粛性に関しては、クラスや搭載エンジンを考えればとても良好な印象だ。このクラスの中ではかなり上位に入るだろう。

積載性

5

コンパクトなボディサイズながら、荷室容量は上位クラスとも渡り合える455L。さらにリアシートを前後することで、より容量を増やすこともできるし、床面の高さを調整することもできる。なかなか利便性の高いラゲッジスペースといえるだろう。もちろんシートを倒すことも可能。クラスを考えれば積載性で不満が出ることはなさそうだ。

燃費

3

輸入モデルなのでハイオク指定なのは仕方ないが、非ハイブリッドモデルでWLTCモード燃費17.0km/Lという燃費性能は良好な数字と言えるだろう。実燃費も13〜15km/Lといった雰囲気で、燃費の悪さで選択肢から外れるといったことはないスペックだ。

価格

4

同クラスの国産SUVと比べてしまうと難しい状況となってしまうが、輸入車SUVという括りで考えるとリーズナブルでコストパフォーマンスが良いモデルと言える。今回の大幅改良による値上がり幅は最小限に抑えられている印象で、上級モデルであるR-Lineに至ってはやや値段を下げての設定となっている。各種装備が標準となったことを考えると、価格に対して得られるものが多い1台だ。