フォルクスワーゲン Tクロス 「これって昔の「ゴルフ」のポジションじゃない？」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

これって昔の「ゴルフ」のポジションじゃない？

2024.10.28

年式

2024年7月〜モデル

総評

かつてフォルクスワーゲンを代表するするクルマといえば2ボックスハッチバックの「ゴルフ」でした。しかし昨今は車体が大きくなり、価格も上がり、ちょっと昔とは違う感じ。いっぽうでT-CROSSはコンパクトボディだし、値段もゴルフに比べれば手ごろだし、そしてボディタイプは昨今のトレンドであるSUV。つまりこれって、T-CROSSがかつてのゴルフに相当する「気軽なフォルクスワーゲン」のポジションなのではないでしょうかね。

満足している点

実は実用性が高いんです。車体サイズからはイメージできないほど荷室が広いし、そのうえリヤシートスライドがついているから荷物が多いときはラゲッジスペースの拡大が可能。それから、燃費がいい。高速道路巡航では実際に20km/Lの大台に乗ったこともありました。ガソリン車なのに。

不満な点

円安とかいろいろな理由があるから仕方ないのですが、デビュー当初に比べると値段が上がってしまいましたね。仕方ないんですが。

デザイン

3

2024年秋のマイナーチェンジで灯火類を中心にリフレッシュを受け、より精悍な印象になりましたね。個人的なお気に入りは、テールランプ。「X」のような形状になっていて、車名の「T-CROSS」の「クロス（＝×）」と掛けているのかなと思ってみたり。またオフローダーが補助用の燃料を入れてクルマに積む「ジェリカン」と呼ばれる燃料缶に刻まれている模様にも似ているのでオフローダーっぽいなと思ったりして。

走行性能

3

これといって「特別スゴイ」みたいな感じはありませんが、フツーに良く走ります。以前はもう少し低回転域のトルクが薄かったような気がするのですが、マイナーチェンジした最新モデルに試乗したらあまり気になりませんでしたね。カタログスペックは変わっていないし、フォルクスワーゲンに尋ねても「エンジンの仕様は変わってない。ただ、資料には書いてないが制御は進化している可能性もある」とのことですが、もしかして……？

乗り心地

3

良好ですね。試乗したのは18インチタイヤ装着車（サスペンションの設定はグレードやタイヤサイズを問わず全車共通）ですが、以前に比べて硬さが取れてしなやかさが増した気がします。ただ、18インチ装着車は路面の段差でコツコツする感覚がなくはないので（激しくはないので気にしなくてもいいレベル）、それが気になる人は16インチとか17インチタイヤを履く仕様を選ぶといいでしょう。

積載性

5

クラスを考えたら100点満点どころか120点。ライバルをしのぐ積載性を誇ります。まずは455Lある絶対的容量でライバルをリード。そのうえ上下調整できる床面や前後スライド機能の付いたリヤシートなど、調整機能の充実でアレンジ力が高いのが素晴らしいところ。コンパクトボディでこの荷室はすごい。

燃費

4

1.0Lの3気筒ターボエンジンと乾式DSG（デュアルクラッチ式トランスミッション）の組み合わせは燃費も良好。実際に筆者が高速道路巡航して20km/Lにまで到達したこともあります。ガソリン車としては素晴らしいレベルですね。

価格

4

約330万円から。かつてに比べると高くなりましたが、輸入車としては頑張っているというか、踏ん張っているほうではないでしょうか。