トヨタ プリウス 「燃費はもちろんスタイリングでも選べるプリウスに」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

塩見 智
塩見 智(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
5
価格
4

燃費はもちろんスタイリングでも選べるプリウスに

2023.2.15

年式
2023年1月〜モデル
総評
プリウスは“21世紀に間に合った”ハイブリッドの先駆者として、多くのフォロワーを生んだ。今ではハイブリッドは(特に日本市場では)珍しくもなんともない存在となった。実際4代目は攻めすぎたスタイリングが敬遠されたことも手伝い、やや存在感を失いかけていた。だが新型の5代目はスタイリングで世の中をあっと言わせる鮮烈なデビューを飾った。“燃費だけ”だった歴代と違って、“燃費もいい”スタイリッシュなクルマに生まれ変わった。格好で選ばれるであろう初めてのプリウスとなった。
満足している点
歴代どのモデルもその時代において最高の燃費性能を記録してきたが、その優等生っぷりが鼻につくからか、デザインや走りの退屈さを必要以上に指摘されてきたのがこのクルマの歴史だ。また直近ではカローラの復権(高齢者向けのスタイリングから脱却し、ハイブリッド化も果たした)に押され、やや存在感が希薄になっていた。それが新型はどうだ。目の醒めるようなスタイリングと相変わらずの好燃費、さらに歴代最高の高出力化を獲得したではないか。EVにすんなりいけない人、いきたくない人にとっての救世主。
不満な点
しばらくは納期が途方もなく長いであろうということを除けば、不満という不満は見当たらない。強いて言えば乗り心地がやや硬めなことと、前席・後席ともに室内高が不足気味なことか。しかし、それもあのスタイリングとのトレードオフであることが鮮明なので、スタイリングを評価する以上、そのことを不満に挙げるべきではないと思う。広いのがよければカローラシリーズがある。
デザイン

5

5ドアハッチバックで、よくぞここまで大胆なスタイリングを採用したなと喝采を贈りたい。それによってさすがに室内高は不足気味だが(乗り込んでしまえば狭さは感じないが乗り降りにやや難がある)、ラゲッジスペースはきちんと確保されていて、このクラスとして求めたい最低限のユーティリティーが確保されている。アバンギャルドなエクステリアに対しインテリアは平凡。色使いにもう少し気を配ってほしかった。
走行性能

4

システム最高出力223psを誇るPHEVの胸のすくような加速は痛快でくせになる。エンジンがかからないEVモードの時点で十分に力強い。HVモードにしてエンジンにも加勢させると本当に速い。同196ps(E-Fourは199ps)のハイブリッドでも、例えば先代と比べると段違いにパワフルだ。そのパワーを受け止めるシャシー性能も備わっていて、常に重心の低さを感じさせるハンドリングは安心感が高い。
乗り心地

3

ハードかソフトかと言われれば、ややハードな乗り心地と言えるのではないか。もちろん許容範囲であり、PHEV、HEVともに力強いパワーユニットを採用した以上、それに釣り合うしっかりした足まわりになっているという印象。TNGAシャシーは熟成が進み、体感的な剛性感が高く、もっとずっと高価なクルマに乗っているような印象だ。KINTOアンリミテッド専用のUグレードで17インチタイヤ仕様も試したが、こちらはマイルド。
積載性

3

期待していなかったが、大きめ(太め)のゴルフバッグを入れてみるとすっぽりと入った。ラゲッジの形状も凹凸が少なく使いやすそう。もちろん、リアシートの背もたれは分割して倒すことができ、乗員と荷室の割合をコントロールできる。PHEVは先代とはレイアウトを変えた関係で、ラゲッジフロアは十分に低く抑えられている。
燃費

5

先代の時点ですでに十分良好な燃費だったので目立たないが、2LのFWDで28.6km/L、E-Fourで26.7km/L、1.8LのFWDで32.6km/L、E-Fourで30.7km/L(いずれもWLTCモード)はどういう尺度で見ても立派。レギュラーガソリン仕様なのもありがたい。ちなみに2Lモデルは17インチタイヤとスチールホイールを装着した場合、31.5km/Lとなる(E-Fourは29.2km/L)。
価格

4

上級のZが370万円(E-Fourは392万円)、ベースのGが320万円(E-Fourは342万円)というのは、世の多くのPHEV、BEVと比べて(それらには補助金が出ることを考えても)購入しやすい価格であることは間違いない。KINTOアンリミテッド専用のUグレード(1.8L)は月額1万6610円〜(E-Fourは1万8480円〜)と割安だが、長期間乗る場合には購入のほうが総支払金額は少なくて済む可能性もある。
塩見 智
塩見 智
自動車ジャーナリスト
1972年生まれ。岡山県出身。大学卒業後、地方紙記者、自動車雑誌編集者を経てフリーランスエディター/ライターに。ウェブサイトや雑誌に寄稿を続けてきたが、50歳を機に突如クルマ系YouTubeチャンネル「ソルトンTV」を開設。ややクセ強の新車レビューを公開中。ググってみてください。いいものだけを練馬から!日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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