トヨタ プリウス のみんなの質問

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トヨタやホンダは圧縮比14の車は作らないのですか?

マツダは圧縮比14の車作ってますが 他のメーカーは作らないのですか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

kissinggramy1211さんへ

各社各様、色々な物の開発を行ってはいるんですよ。それは各社の技報にも載って来ないでも、特許公報から明らかです。
例え30年以上前の失敗したプロジェクトであっても、しっかり参考にしています。その為に、ドキュメントをしっかり残しておく事が大事なんです。

で、圧縮比14は、他社も作りたいんです。長年に渡る目標です。が、色々な制約が在って簡単には商品化出来ないんですね。

ピストンとコンロッドが直結している高速回転のエンジンでは、燃焼で作った高温ガスをどの位膨張させると効率が一番良いか?
大きく膨張させればさせる程、仕事への変換率は増えて行きます。が、ロングストローク傾向に成って摩擦損が増えて行くので、ある所を越えると今度は下がり始めてしまいます。その境い目はどこら辺か?
丁度バランスする最高点が、膨張比14と計算されたのです。

先ず膨張比ありきであって、圧縮比は添え物なのです。足りれば幾らでも良い。しかし、
・ガソリンでの圧縮比14は自己不正着火で高過ぎ
・ディーゼルでは圧縮上死点温度不足で低過ぎ
で、そう易々とは採用出来なかったのです。

そこで、ガソリンエンジンについては、膨張比より圧縮比を下げたら、と成ります。
吸気弁閉じ時期を下死点より早く閉じたり、通常の閉じ時期よりずっと遅く閉じる様にして、一度吸入した新気を吐き戻す様にしたり(遅閉じ式)して、圧縮比だけを下げる訳です。
これがアトキンソンサイクルミラーシステム、長ったらしいので略してミラーサイクル、と言う方式で、乗用車ではマツダがミレーニアという車で発売したのが最初です。

膨張比14として、圧縮比を実用的な10に下げたとすると、実質的な排気量は10/14=71%にも減ってしまいます。1.5Lエンジンが1Lちょっとに成ってしまう計算なのです。
これでは余りにも馬力低下が甚だしい。
だから、トヨタは電気の補助を加えてハイブリッドシステムとしました。(初代プリウスは1.5Lで膨張比12.5、3代目1.8Lで膨張比13.5)

しかし、電動機に蓄電池、エンジンと電動機の差動の為の遊星ギア類と、重量が嵩みますよね。大型・高級車のハイブリッド化では思った様に燃費が改善されないのが問題に成ってます。
トヨタはエンジンその物の効率改善よりも、回生、ブレーキで発電して次の加速に回すという、素人さんにも解り易い広告戦略を採ったのです。

一方のマツダは一度諦めたミレーニアのミラーサイクルを、今度は過給器無しの廉価版で、再度世に問う事にしたのです。
膨張比を14に採っても出来るだけ馬力を稼ぐ。その為に、
・可変バルタイ機構で出来るだけ吐き戻してしまう新気の量を少なくする
・排気管の工夫で、残留燃焼ガスを出来るだけ吸い出して吸入新気の温度上昇を抑える
・ピストン頭部を抉って、高温ガスに出来るだけ触れない様にする
・それでもノッキングする所で、冷やした排ガスを吸わせる(EGR)
という様な事をやっています。

今、エンジンの一つの到達点と看做されているのは
・圧縮(膨張)比14の達成
・スロットル弁を廃止して、吸入弁閉じ時期の遅早で出力制御する様にする
・高効率機械式過給器の併用
を同時に行う事。過給しても、膨張比を大きく採っていれば燃焼室壁の温度を低く保てるので、燃料増量による冷却をせずに済みます。吸入弁閉じ時期を早めて吸入量を制限すれば、可変圧縮比エンジンに成って過給と相性が良いです。
一早くスロットル弁を使わない様にしてみた会社、リショルム過給器を使ってみる会社、膨張比14を達成してみた会社、Turboながらダウンサイジングをやってみた会社、と出揃って来たのですが、未だそこから先へ踏み出す物は無いのです。し、マツダも「これが次への始まり」と述べています。

更なる発展を先取りするのは何処の会社か?
とても楽しみにしているのです。

質問者からのお礼コメント

2011.9.15 02:38

技術者ってすごいですね 他の三人がたも回答ありがとうございました

その他の回答 (3件)

  • トヨタが1500ccクラスのエンジンにあんなに金かけるわけないです。
    日本のコンパクトカークラスのエンジンであれだけ金かかってるエンジンはないよ

  • そんなに簡単な事じゃないからです。

    圧縮比を上げれば効率も上がるのはどのメーカーだって、常識レベルで知ってる事です。
    でも、圧縮比を上げれば上げるほどさまざまな弊害が出て、エンジンとして成り立たなくなる。使い物にならないエンジンになる。という事も常識レベルです。

    そういった様々な要因をクリアして高圧縮比のエンジンを開発するのはメーカーにとってもある意味「賭け」です。
    莫大な開発費用を投じて、ものにならなかったら、かなりのダメージになりますからね。
    ロータリーエンジンが使い物にならなかった時代に、莫大な費用を投じて実用化レベルにまで向上させたマツダならではってところかと思います。

  • 作らないんじゃ無くって、作れないでしょうね。ホンダはF1でやってますし、トヨタも12ぐらいならD-4でやってる。ホンダはその圧縮比を実現するためにアブガスとか特殊なガソリンを必要とするし、トヨタはD-4で大失敗してえらいこっちゃになってるし。友人のビスタアルデオD4もある日エンジンが割れましたよ(クランクケースからコンロッドがこんにちはしてた)。

    一方マツダは150件の特許をこの熟成しまくった昨今でも取りまくってるんですよね。まぁでもしかし圧縮比14は凄いけどエライかどうかは疑問。そんなに効率も上がらないんですよね。

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