トヨタ MR-S のみんなの質問

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スズキからVWと部品共用する車種は販売されないの?

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●部品共用車発売までの課題
間違いなく発売されます。しかし下記4点を解決する必要があります。しかしこれらの課題を解決し,グローバルなグループに入らないとやっていけない状況です。

(1) 自社のエンジンの再編成 … たとえばV6エンジンを廃止,直4エンジンはTSIのダウンサイジング,ディーゼルはVW製とか

(2) FIAT社との契約 … 現在,ディーゼルエンジンについてはFIAT社から購入しています

(3) エンジンレイアウトと制御 … エンジンのマウンティングのため車体構造を変更する必要があります。また制御も従来のエンジンECUへ置き換えるか(=安い),VWが採用しているものを改造するか(=高い)を決める必要があります

(4) VW社側への供給技術 … 軽自動車の製造技術,インドなどでの新興国での製造ノウハウなどを用意する

●現在のスズキの課題
スズキの弱点は,軽自動車以外の生産規模が小さいことです。

数百億円といわれる開発費を軽減することが求められています。よく「400万台/年」以上でないと自動車会社として将来性がないといわれるゆえんです。

この開発費の大半は、プラットフォーム開発のためのコストです。プラットフォームとは、車両の車体下部のフレーム、パネル、そしてサスペンションなどを含むクルマの根幹部分です。ここを共通化できれば、あとは「上屋(うわや)」のデザインを変えることでいろいろな自動車を生み出せます。

たとえばトヨタの小型プラットフォーム(NBC)は、下記の車両に使われています。

初代ヴィッツ
プラッツ
ファンカーゴ
WiLL Vi
WiLL サイファ
初代bB
初代ist
ポルテ
プロボックス
サクシード
MR-S

スズキは軽自動車ではプラットフォーム活用ができていますが、小型車ではまったくできていません。

●スズキの販売台数
スズキは軽自動車ではたいへん多くの車両をつくっていますが、1~1.5Lクラスでは、まったく非力です。
下記数字をご覧ください。

ドイツでの販売台数(09年)
VW = 約80万台
スズキ = 約6万台(小型車だけなら 4.5万台:もっともドイツには軽自動車という分類がないが)

このような台数で、スズキは下記のようなエンジンを用意しています。

直列4気筒 2.0L 2.4L
V型6気筒 2.7L 3.2L

このような台数で、エンジンの設備償却はとてもむずかしいでしょう。特にV6エンジンであれば、他のメーカから購入すべきところでしょう。

●TSIエンジンの搭載は?
スズキは排気量0.6~1.2LクラスにK型エンジンを使っています。この1.2LのK12BエンジンにCVT変速機を組み合わせて,平成22年度燃費基準+15%をクリアしています。しかし10-15モード燃費は18.6km/Lです(最大出力88馬力,最大トルク117Nm)。

一方,VWの1.2LのTSIエンジンは,105馬力,175Nmという能力で,しかもコンバイン燃費が18.9km/L(日本の10-15モード燃費なら,17.5~18.0km/Lくらいです)です。トルクが1.5倍もあるのに,燃費はほぼ同等ですから,実用燃費は,完全に逆転するでしょう(10-15モード燃費は,加速が緩やかで,非力なエンジンに有利)。

このTSIエンジンは,ターボ・チャージャにより,ポンピングロスを軽減することで,実用域の燃費を改善しています。いわゆる「ダウンサイジング・ターボ」です。このような優れたエンジンはスズキにありません。スズキでも出力性能を伸ばして,燃費を改善するためには,このTSIエンジンが必須です。

スズキは,欧州向けディーゼルエンジンをフィアットから導入しています。VWとの提携により,VWの優秀なディーゼルエンジンを導入でき,日本でもディーゼル復活になるでしょう。

●DSGは?
現在,スズキはジヤトコの服変速機付きCVTで燃費改善に成功しています。しかしCVTは街乗りなどでは改善効果が高いものの,欧州などの高速走行ではあまり改善効果がありません(ベルト滑りによる単体効率が低いため)。このためCVTの次世代の効率的な変速機が必要です。

スズキが得意とするのは、低価格車です。DSGはコストが高いので、すぐには採用されないでしょうが、燃費主体の車づくりには欠かせません。このためいずれはDSG搭載スズキ車が普及していくでしょう。特に欧州のように高速燃費が重要視される市場では、高速燃費が悪いCVTではダメで、DSGは必然です。

●VWとスズキの関係は?

VWのメリット … VWとしては、世界中にあまねくクルマを普及させるには、軽自動車の異様なコストの安い製造方法を身につける必要があります

スズキのメリット … VWのプラットフォームやエンジンを活用できます。これにより開発資源を軽自動車のような低コスト車両に振り向けることが可能になります。日本では、一度、ダイハツに負けた軽自動車部門も、ダイハツを凌駕できるでしょう。

●まとめ
スズキにとって,軽自動車以外は不得意分野をVW技術で補完できることになります。エンジンだけではなく,プラットフォームまで共用するでしょう。

ご参考になれば幸いです。

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