ＥＵが販売する自動車を100パーEV化する法案って実際は可決されてないのですか？ なんかドイツとイタリアが反対してるとかききましたけど？

Answer 1

EUは加盟国の集合体で、一つ一つの国家が完全に無くなったわけではありません。
欧州議会としては2035年からCO2を排出する車の新車販売禁止を承認しました。けれども、正式に発効するには加盟各国の承認が必要です。今回、ドイツは禁止対象からe-fuelを燃料とした内燃機関車を、イタリアは小型車を除外することを主張した為、最終的な採決を延期しました。

なお、日本では「EV以外認めない」と思い込んでいる人が多いですが違いますよ。
「CO2を排出しない」が条件なので、例えばトヨタの水素燃料電池車MIRAIは禁止にはなりません。

ドイツが認めるべき、と主張したe-fuelは、「再生可能エネルギーで発電した電気を用いて製造したグリーン水素と大気中のCO2を回収して作った合成燃料」です。
合成燃料は天然ガスや石炭から取り出した水素と、工場から排出されるCO2を用いて作る事も可能ですが、EUではその方法で製造したものはe-fuelとは認めていません。

日本では「内燃機関車を認めるべきとドイツが主張した」を、ガソリン車を認めるべき、といったかのような思い込みを沢山見ますが。
「ハイブリッド、プラグインハイブリッドを含むガソリン、軽油などの化石燃料の内燃機関車の新車販売禁止」は何も変わってませんよ。ドイツもそんな事は主張してません。
あくまで「e-fuelを燃料とするものは」です。

Answer 2

スーパーカーを排出するヨーロッパで、ガソリンエンジン作らないなんて考えられない、高性能エンジンと技術がゴミになるなんて

Answer 3

まず、基本的な誤解があります。
検討されているのは【内燃機関の新車販売を禁止する法案】です。
目的はあくまで脱炭素社会の実現であり、故に、燃料を燃やしてＣ０２を出しながら走る車を禁止しようとしています。

これは別に【１００％ＥＶにしろ】という法律ではないので、可能であればそれ以外の方法であっても構わない訳です。
極論を言えば、自動車自体を止めて鉄道なり大型ドローンなり他の手段ににシフトするのでも構いません。
とは言え今のところ自動車がない社会は現実的ではないので、結果的に内燃機関以外の方法で走る自動車が社会からは求められることになります。
その時に、たまたま２０２３年現在もっとも有力視されている代替え手段はＢＥＶですが、他にＥＶより良い手段が出来てしまえば今度はそちらが本命になる可能性だってあり得ます。

次にタイミングですが、主な主要先進国では２０３５年以降を目途に法制化する方向で【調整中の段階】です。
つまりこのまま順調に話が進んだとしても、実際に法律として機能し始めるのは、まだまだ先の２０３５年以降です。
言い換えると、もっとも楽観的な予測でも２０３５年頃までは内燃機関の新車が必要であると各国政府も考えているということです。
大枠としてこの方針が根本から覆る可能性は低いと思いますが、今すぐどうこうという話ではないですし、実際には施行される直前まで揉め続けて、じわじわ先延ばしにある可能性だってまだまだあり得ます。
（中国やイギリスは独自に２０３０年に前倒しすると言っていますが、どこまで裏付けがあるかは怪しいです）

ドイツやイタリアも全面反対ではなく基本的な方向性には同意しています。
その上で、内燃機関の全面禁止ではなく近年研究が進んでいるカーボンニュートラル燃料（製造過程も含めて実質Ｃ０２排出量をゼロに出来る燃料）を使う内燃機関を例外にすることを求めています。

おそらく、主にＢＥＶとの相性が絶望的に悪い幹線輸送用の大型トラックなどを想定したものです。
その分野は、長期的には燃料電池式ＥＶが本命視されていますが、現時点ではまだ課題も多く２０３５年の全面展開は時期尚早と判断し、当面はカーボンニュートラル燃料という条件付きでの内燃機関は許容すべきということだと思います。