トヨタ ランドクルーザープラド 「総合性能の高い本格オフローダー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
2
燃費
2
価格
3

総合性能の高い本格オフローダー

2023.5.22

年式
2009年9月〜モデル
総評
モデルライフが長く、現行モデルは終盤に差し掛かっているものと思われるため、新車で購入するのはあまりオススメできないが、そういった損得の観点を除けば気になる人にとっては良い選択だろう。高いオフロード性能とオンロードでの良好な乗り心地を両立していて、総合性能の高い本格オフローダーと言える。気になったなら、まずは実車を見てみるべし! だが、見たら買いたくなるので要注意だ。
満足している点
本格的なオフロード性能を有しながら、オンロードコンフォート性能が比較的高いのが魅力的。本格オフローダーとなるとオンロードでの乗り心地は犠牲になりがちだが、プラドではあまりそんな雰囲気がしない。また、インテリアの感触もコンフォートな雰囲気が強く、いい意味で高級乗用モデルらしい点が魅力的なポイントと言える。
不満な点
クルマのキャラクターやコンセプトを考えると、あまり目立った欠点はないと思われる。ただ今どきな話をしてしまうと、そろそろフルモデルチェンジの足音が聞こえてきて新車で購入する旨味がないといったところが欠点だろうか。それと同じことを言うならば、各所に古さが隠せない部分があるのも不満が出るポイントと言えるだろう。また、積載性がボディサイズの割にあまり高くない。
デザイン

3

SUVらしい武骨さが特徴的。また、フェンダーのフレアのデザインはランドクルーザーらしいというよりはプラドらしい特徴と言える。ただ、ランドクルーザーが新世代になった今、要所要所で少しデザインに古臭さを感じてしまうのも事実だ。灯火類にLEDを採用したり、フェイスリフトを行ったりして新鮮さを演出しているが、ランドクルーザーと見比べてしまうと…な部分がある。デザイン的にもそろそろフルモデルチェンジを期待したい。
走行性能

4

ランドクルーザーが新型になったとはいえ、プラドもオフロード性能は十分に高い。このクルマでオフロード性能に不満が出るのであれば、それは相当なハードユースと言える。エンジンはガソリンとディーゼルが用意されていて、オンロードであればどちらを選んでもあまり大きな不満は出ないだろう。しかし、プラドらしさを重視したいのであれば、ディーゼルターボがオススメだ。トルクフルなエンジンはオフロードで頼もしいのはもちろん、オンロードでも低回転から力強さを体感することができる。
乗り心地

4

改良を細かく行うことで、基本設計が古いラダーフレームのクルマとは思えない乗り心地を実現している。現行のモノコックボディのSUVと比べてしまえばオンロードでの乗り心地が劣ってしまうのは確かだが、一般的にオンロードを走行するならば大きな不満は出ないだろう。また、上級グレードはドライブモードセレクトを備えたリアエアサスペンションが装備されているほか、旋回時のロールを抑制する制御KDSS(キネティックダイナミックサスペンションシステム)も備わっており、オンロードでの乗り心地は想像以上に優れているといった印象だ。
積載性

2

大きなボディの割には意外と積めない…というのが正直な印象だ。タフなオフロードユースに対応するために、ボディを含めた各部の厚みが取られている印象を受ける。また、ラゲッジスペースの床下も高いため、広々とした様子を期待すると「あれ?」と思ってしまうかもしれない。日常ユースではなんら問題ないが、ラゲッジスペースの各種機能を踏まえても最新の現行モデルには劣ってしまうといった具合だ。ハードに荷物を積みたい人はアフターパーツを利用して、屋根上に載せるのがプラドらしいとも言える。
燃費

2

正直、燃費性能にあまり期待してはいけない。ディーゼルでWLTCモード11.2km/L、ガソリンで8.3km/Lとなっているが、実燃費を考えるとディーゼルでも一桁台になってしまう場合もあるのでは…といった具合だ。このクルマを購入する人で燃費を気にする人はさほどいないと思うが、シティユースが多いのであればあまりオススメできる燃費性能ではない。
価格

3

ビッグサイズの本格オフロードSUVが、エントリーグレードであれば300万円代から狙えるのはお得感があると言える。しかしクルマの性格を考えると、上級グレードをより強く狙いたくなるモデルであり、トップグレードが優に500万円を超える価格設定であることを考えると「う〜ん…」と二の足を踏んでしまう人はいるはずだ。確かに価格なりの装備や性能を有しているが、基本設計が古くモデルライフ終盤に差し掛かっていることを考えると、あまり価格では利点を感じることが出来ない。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
トヨタ ランドクルーザープラド 新型・現行モデル

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