トヨタ クラウンハイブリッド 「日本を代表するサルーンとしてはコストパフォーマンス抜群」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
2
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
3
燃費
5
価格
5

日本を代表するサルーンとしてはコストパフォーマンス抜群

2022.6.20

年式
2018年6月〜モデル
総評
登場当初はコネクテッドカーという点も話題となっていた現行クラウンだが、登場以降はその点があまり話題となることもなかった。そう考えるともう少し保守的な方がクラウンとしてはウケが良いのかとも感じてしまう。現行クラウンはクルマとしてはそんなに悪くはないのだが、王道のサルーンらしさ、クラウンらしさを際立たせたコンセプトであった方が正解だったのかもしれない。時代の流れの中にあって、歴史のあるモデルは難しい選択肢を迫られていると感じる1台だ。
満足している点
燃費性能の高さと乗り心地の良さ、そしてそれに対する価格の安さだろう。魅力的なパワーユニットは3.5Lハイブリッドだが、2.5Lのハイブリッドを主軸に考えた場合、このクラスのサルーンとしては高い燃費性能を誇っている。また、クラウンらしい乗り心地の良さも魅力的だ。そんな高い燃費性能と乗り心地の良さをもった高級サルーンが500万円前後で購入可能というのはお買い得と言えるのではないか?この価格帯だと欧州セダンに目が行きがちだが、クラウンという選択肢もアリかもしれない。
不満な点
ドライブフィールに特出した感動があまりないことと、3.5Lが魅力的なパワーユニットであるにも関わらず、あまり精力的にこのパワーユニットを売りたいという印象が薄いグレード展開が欠点と言える。ドライブフィールに関しては個人の好みということもあるが、特出点がないだけで、決して悪いわけではない。また、3.5Lは新メカニズムは10速ATを採用していて、よりシームレスかつパワフルで高速クルーズが快適なパワーユニットであるにもかかわらず、ハードルが高いグレード展開となっているのが惜しく感じてしまう。
デザイン

2

歴代モデルと比べると先進性や未来感をより全面に押し出した印象を感じるデザインとなっている。最新の現行モデルなので当然と言えば当然だがクラウンらしさというか、クラウンという車種に採用するデザインとしてはやや攻めすぎではないかと個人的には感じる。特にCピラーからトランクエンドにかけてのラインは、近年流行りのハッチバッククーペに近いラインを描いたクーペセダンスタイルとなっているが、クラウンならばもっとトランクを際立たせた3ボックス形状が分かるシルエットの方が好ましいのではと個人的に感じてしまう。好みもあるが、先代モデルの方が新しさとクラウンらしさのバランスが絶妙に撮れていたと思う。
走行性能

3

剛性の高いTNGAプラットホームに、ボディ剛性で有利な形状であるセダンボディを採用しているが故に走行性能は高い方と言える。しかし、実際に乗ってみると特出した感動があるかと言われるとそれは微妙に感じてしまう。「クラウンなんだから」という期待感を持って乗り込むと思ったより感動が薄くて肩透かしを食らうという人もいるかもしれない。しかし、突出したポイントがないというのは長距離移動などで変に違和感を感じることがなく、疲れにくいということもある。スポーティーサルーンとしてはいささか不満があるかもしれないが、日本を代表する高級サルーンとしてはまずまずの走行性能だ。
乗り心地

4

乗り心地に関しては日本車の中でもかなり高いレベルにあると言えるだろう。剛性の高いTNGAプラットホームに前後マルチリンクのサスペンションを採用。このクラスとしては特別なハイテクメカニズムは装備していないが、根本的なメカニズムを煮詰めることによって最新のクラウンにふさわしい乗り心地を実現しているといった印象だ。また、ハイブリッドは静寂性とシームレスさが更に高い次元にあるという印象。3.5Lのハイブリッドならば更に振動も少ない。
積載性

3

このクラスのサルーンとしては可もなく不可もなくといった具合のラゲッジスペースと言える。この手のクルマとしては重要なポイントであるゴルフバッグの積載性は、4つのバッグがラゲッジスペースに積載可能となっている。ハイブリッド車ながら3.5Lの方はトランク床下の収納スペースもそこそこモノが入るといった印象だ。しかし、2.5Lはあまり床下収納に関して期待しない方が良いと言えるだろう。ラゲッジスペースに関しては特段驚きの演出があるという感じではない。
燃費

5

2.5LがWLTCモードでカタログ燃費20.0㎞/L、3.5Lが16.0㎞/Lという燃費性能は、このクラスのサルーンとしてはトップクラスに優れていると言える。これは長年ハイブリットシステムを開発、販売し続けているトヨタだからこそ到達できたと言えるだろう。単に既存のシステムを組み合わせただけでなく、新しい制御システムやエンジン技術も取り入れているのが興味深いポイント。特に3.5Lは新メカニズムをふんだんに投入していて、トヨタ最新のハイブリットシステムとなっている。この大排気量での燃費性能は魅力的だ。
価格

5

2.5Lのハイブリッドが500万円以内のプライスタグというのは魅力的な価格設定だ。しかし、新メカニズムの内容を見ると3.5Lのハイブリッドが欲しくなってしまうというのも正直なところだ。最もグレード展開を見ても売れ筋は2.5Lのハイブリッドであることは分かるが、2.5Lが600万円以内に収まっているプライスタグなのに対して、3.5Lが700万円オーバーというのはハードルの高さを感じてしまう。もう少し3.5Lにも現実的なラインのグレードが欲しいかなと個人的には思う。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
トヨタ クラウンハイブリッド 新型・現行モデル

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