トヨタ カローラクロスハイブリッド 「ハイブリッドシステムを向上させたマイナーチェンジを実施」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

ハイブリッドシステムを向上させたマイナーチェンジを実施

2024.2.29

年式

2021年9月〜モデル

総評

2023年10月のマイナーチェンジによって電動モジュールを刷新した1.8リッターハイブリッドシステムを採用。ガソリンエンジンについても従来の1.8リッターに対して、低燃費＆高出力を実現する2リッターダイナミックフォースエンジンを搭載した。試乗したハイブリッドモデルは従来型でも不満のない走りが確かめられたが、システム出力が18馬力上乗せされたハイブリッドは一段と軽快な走りを味わわせてくれる。

満足している点

今回のマイナーチェンジによってインパネ中央に配置されたディスプレイオーディオは従来型の7インチ（S以上はオプションで9インチの選択も可）から8インチ（S以上はオプションで10.5インチの選択も可）となり、メーターパネルをフル液晶化。Zグレードには12.3インチのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを標準装備するなど、見栄えがグンとよくなった。安全性能についてもステアリング＆ブレーキ操作をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」、対向方向からの横断歩行者検知機能を追加。エクステリアデザインに変更はないものの、装備内容の充実化が図られている。

不満な点

相変わらず内装色はブラックのみ。カローラスポーツのレッド系やセダン/ツーリングに設定されるホワイト系のコーディネートがクロスにあってもいいのでは？

デザイン

3

エクステリアデザインにこれといった変更点はないが、ボディカラーはモノトーンが新色「マッシブグレー」を含む8色を設定したほか、ハイブリッド車にツートーン3色を追加。内装はメーターパネルなどの変更を受けたが、基本デザインは従来型と変わらず。インテリアは実用性を重視したまとまりで全体の質感は高いとは言えない。

走行性能

4

モーターの出力向上によってEV走行時の力強さが増し、より軽快感を高めた走行フィールが確かめられる。ステアリングの操舵フィールも自然で高速クルーズでも安定感のある乗り味だ。

乗り心地

4

操縦性と快適性のバランスを図った足まわりにこれといった変化はなく、FFに採用されるリヤのトーションビームサスは荒れた路面でもカドのない穏やかな乗り味が印象的。「プロアクティブドライビングアシスト」のおかげで渋滞時などでも安心感のあるドライブが楽しめる。

積載性

4

このクラスでは最大級となる487リットルの容量を確保する。ただし、後席を倒した時の段差は大きめ。荷室をフラットに使いたいのであればオプション用品の「ラゲージアクティブボックス（1万6500円）」を選びたい。フロアの下に荷物を収納でき、フロア（フタ）を閉じるとフラットなフロアとして活用することが可能だ。

燃費

5

ハイブリッド車のWLTCモード燃費は従来の24.2〜26.2km/Lから24.5〜26.4km/Lに向上。ガソリン車も排気量アップにもかかわらず、従来の14.4km/Lから16.6km/Lに向上している。FFのハイブリッドZで高速7割、一般道（都内）3割の約150km走行で得られた燃費は22.0km/Lと良好なものだった。

価格

3

マイナーチェンジによって車両価格は10％前後の値上げを実施。300万円以下で購入できたハイブリッドZも325万円となってしまった。同クラス（Cセグメント）の中にあってはリーズナブルなモデルだが、欲しいオプションを加えていくと400万円を超えるカローラとなってしまう。